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俺の身長


 一方その頃。

 ケレリスはクワガタの魔物『シザト』を追い切れなくなって火の魔法でトドメを刺した。


 「これでは食べる所が無くなってしまったな」

 黒焦げになったシザトを見詰めてつぶやくと肉を諦め解体して魔石を回収する。



 

 周りを見回して、

 「夢中になって遠くまで追い掛けて来たな!

 この辺りで他にシザトはいないかな?」

 ケレリスはシザトを探そうして何かの気配を感じた。


 『あの草むらの動き?何かいますね!』


 ソッと足音を消してさっき動いた草むらに近づく。


 ザザと音を立ててゴブリンが一人姿を現すがケレリスを見ると、

 「エルフ?」

 そう声を上げて逃げていった。



 ケレリスは突然のゴブリンの出現に驚き闘いになら無かった事にホッと胸をなで下ろす感じでいた。




 ゴブリンの逃げた方を戻って来ないか警戒して見ていると馬車の方から騒ぎが起こっている気配を感じる。

 「またシザトが出たのか?

 フゥ君はシザトを食べるのをイヤがっていたからな、丸焦げにしてないといいが」


 シザトが食べられるかを考えてケレリスは急いで馬車の方へ走り始めた。





 ケレリスが呑気に馬車に戻るとそこには予想外の光景が広がっていた。


 見張りの焚き火の近くと少し離れた所の二カ所に血溜まりがありその横にはゴブリンの死体。

 フゥの姿が見当たらない。


 「フゥ君は?」

 ケレリスは近くにいた冒険者に聞いた。


 「あんた!こんな時に何為てたんだ!

 あの子ならゴブリンを二人倒して自分達の馬車で休んでいるよ!」


 

 ケレリスは急いで馬車に駆け込む。


 「フゥ君は!大丈夫か!」


 「教授!どこに行っていたんですか!

 ゴブリンが二人も出たのにフゥ君を一人にして!」

 ツラナが怒った顔でケレリスに怒鳴る。


 「すまない。他に魔物が出てそちらを追い掛けて遠くまで行ってしまっていた。

 それより怪我は?」

 フゥの隣で付き添うホチネに聞く。


 「大丈夫、怪我はしてない。

 ただ突然ゴブリンが襲ってきたからびっくりしただけ」


 ホチネの答えにケレリスは反省とゴブリンが現れる時にシザトがいつも出る?事の違和感を感じていた。


 






 少し時間は前に戻り。

 

 血溜まりの中に座り込んだ俺にホチネが近づくと盾は勝手に腕輪へと戻った。

 驚くホチネに抱えられて馬車に連れてこられてツラナに水を貰い一気に飲み干す。

 ツラナに水のおかわりをカップに入れて貰い今度はゆっくり飲む。

 水を飲んだ事で少し落ち着き二人にお礼を言う。


 「ありがとう」


 「こっちこそ、ごめんなさい。

 あたしが見張りをサボらなきゃこんな事にならなかったよね」


 「そうですよ!それに教授はフゥ君を一人にしてどこに行ったんですか!」

 ツラナの怒った顔を初めて見た。


 「ケレリスならクワガタの魔物が出て追い掛けていったよ」


 「クワガタ?あぁ、シザトの事ですね。

 シザトを追い掛けていったと言う事は食べ物に釣られて深追いしていますね」



 『食べ物ね。クワガタの魔物はシザトって言うんだ』



 「フゥ?ボーッとしてたけど大丈夫なの?」


 「うん、急にゴブリンが出て来てあんなに人と変わらない姿なのにもびっくりした。

 それと肩と膝に矢が当たったて少し痛い」

 神の服をベルトにしまい竜人族の服に着替え上着を脱いでズボンの裾を捲って膝を出すと打ち身のようなアザになっていた。



 『この神の服こう言う時不便だな。

 でもこの服のおかけで矢に当たっても軽く済んだんだよね。

 チートアイテム良い仕事するね!

 それに盾も勝手に出て来て矢とナイフを防いでくれた。

 盾のチートも良い仕事!』

 左腕の腕輪を見る。

 

 右腕の腕輪がキラッと一瞬光り頭の中に、

 『良い仕事。フフフ』

 少し楽しそうな声が聞こえた。


 『魔法石?』

 俺は右腕の腕輪に目を移すが魔法石からはそれ以上何も聞こえなかった。




 「フゥ君またボーッとしてるけど?大丈夫?」

 肩と膝に回復魔法を掛けてくれているツラナが心配そうに俺の顔を覗く。


 「エッ。アッ、大丈夫!大丈夫!

 ツラナ、回復魔法ありがとう」


 魔法石の声が頭の中で聞こえた事を気付かれないように誤魔化そうとした時ケレリスが馬車に入って来た。

 

 「フゥ君は!大丈夫か!」




 

 ホチネとツラナの説明とお説教をケレリスは反省しているように黙って大人しく聞いていた。


 『ケレリス?アレ?反省してる?他の事考えてるだけじゃないよね?アレ?何かつぶやき出した?』


 「シザト………シザト、ゴブリン………シザト、ゴブリン、ゴブリン」

 急にケレリスは何かブツブツつぶやきながら自分の魔法石で何かを調べ始めた。


 「今までにも同じような報告があった!」


 ケレリスは急に大声を上げて更に魔法石に向かって自分の研究を仕始める。


 それを見たツラナが説明をする。

 「研究を始めると自分の世界に入ってしまうので。

 いつもの事です」




 

 俺は服をまたいつもの神の服に着替えてホチネと馬車の外に出る。



 外では商人達も騒ぎを聞き起き出して来ていた。


 俺が馬車から出て来た事に気付いたドンボノが、

 「怪我はいいのか?」


 「平気です。軽い打撲で回復魔法も掛けて貰いました。」


 「そうか。それなら少し話しを聞きたいのだが。

 ゴブリンは全部で二人だったのか?

 他にゴブリンは見掛け無かったか?」


 「俺が見たのは二人だけでした。

 何か変なんですか?」


 「いや、これだけの馬車があるからなゴブリンの盗賊ならもっと大人数で襲って来ると思っただけだ。

 偵察に来て見張りが子供一人だと思って人質にでもしようとしたのかもな」


 ドンボノは俺の話しを聞き一人で納得して他の冒険者達の所に戻るとこれからの予定を相談し始める。






 『俺はゴブリンから見ても子供なのか!

 背はそんなに変わらないだろ!

 俺の背はこのまま大きくならないとかないよね?

 最近背が伸びないけど…………。

 小学校低学年くらいの身長でお終い?

 俺はエルフじゃなくてホビットかゴブリンの血が混ざってるのか?』


 

 

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