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桃太郎 論理記号版

本作品では、次の記号を用います。

N:自然数全体

Z:整数全体

Q:有理数全体

R:実数全体

C:複素数全体

R^2:直積集合R×R


また、定義が不明なものの集まりを集合という言葉で表現している箇所が多々あります。これらについては、仕方ないなと暖かい目で見ていただけると助かります。


あと、添字の書き方を知っている方は教えてくださるととても助かります。


むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。


地球をリーマン面として見て、R^2の座標を埋め込む(南極を原点、北極を無限遠点とする)

(リーマン面については高校では習いませんが、わからない場合は、緯度と経度のような感じで、地球上の点に座標を入れたと思ってくれれば大丈夫です)


P(t):時刻tに地球上に存在する人間全体の集合

(t∈Rで、時刻tの意味は下記のTの説明を参照。この集合に属するのは生まれた瞬間から死ぬ瞬間までとします)


p : P(t)→R^2∪{∞} ; 人物A→Aの時刻tでの存在する座標

(人と入れると、その人の存在する座標を返す関数のようなものだと思ってください。形式上、tはR上を滑るので、これで無限個の写像(関数)を定めていることになります。人に点を対応させているため、人の体積を無視していることになりますが、そこは重心とかで1点を定めることにします)


s : P(t)→{0,1} ; s(A)=0 (A:男性) , s(A)=1 (A:女性)

(性別を判定する関数です)


o : P(t)→N ; 人物A→人物Aの年齢

(年齢を出力する関数です)


T(∈R):=現在の年月日

( 西暦 [T]年(T<0 の場合は紀元前)、少数以下で月と日を表すものとする。[・]はガウス記号)


B(x,r):点x∈R^2を中心とした、半径rの閉円板

(普通はこの記号は開円板を表しますが、ここでは閉の方が便利なので閉集合とします。わからない方は単に円だと思ってもらえば大丈夫です)


∃T1∈R [ T1 < T ],

∃h=(x,y)∈R^2,

∃A,B∈P(T1);

p(A),p(B) ∈ B(h,d/2) ∧ o(A)≧n ∧ o(B)≧n ∧ s(A)=0 ∧ s(B)=1


(ただし、dは共にいると表現して差し支えない最大距離、nはおじいさん、おばあさんと表現して差し支えない最小年齢とする)


このT1,h,A,Bを固定する


毎日、おじいさんは山へ芝刈かりに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。


f(t1,t2):P(t1)→P(t2)∪{0} を同一人物を対応させる写像とする。値域にその人物がいない場合は0を返す。


M(⊆R^2):山の座標全体の集合

L (⊆R^2):川の座標全体の集合


∀t∈R [ |t-T1|≦u/2 ⇒ ( ∃tg∈R [ |tg-t| < 1/365 ∧ p(f(T1,tg)(A)) ∈ M ] ∧ ∃tw∈R [ |tw-t| < 1/365 ∧ p(f(T1,tw)(B)) ∈ L ] ) ]


(uはその期間毎日行っていれば、「毎日〜していた」と表現して差し支えない期間の最小値とする。芝刈りにや洗濯にというところを表す方法を思いつけなかったので、その部分はカット)


ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が1つ流れてきました。


Pe(t):時刻tに存在する桃全体の集合

(この集合に属する桃は切られていない状態であるとします)


V : Pe(t)→R ; 桃→その桃の体積

(桃を入力すると、その体積を出力する関数です。tはRをすべるので、無数のVを定義しています)


写像pの定義域をP(t)からP(t)∪Pe(t)に自然に延長し、それも同じ記号pで表すこととする。

(要は、桃を入力しても、それのある座標を出力するように定義域を広げます)


∃Ts∈R,

∃pe∈Pe(Ts);

p(f(T1,Ts)(B)) ∈ L ∧ V(pe)>b ∧ p(pe) ∈ B(p(f(T1,Ts)(B)),r)


(bは大きいと形容して差し支えない最小の体積とし、rはおばあさんがその桃を確認できるくらいの十分短い距離とします。これでは、桃が一瞬おばあさんの近くに現れても成り立ちますが、人および桃の座標変化は基本的に連続であると暗黙に仮定して、流れてきた(転がってきたとかでも良さそうですが)とします。例によって、洗濯の件はカット)


このTs,peを固定する


おばあさんはその桃を家へと持って帰りました。


∃Ts'∈R;

Ts'-Ts < a ∧ p(f(Ts,Ts')(pe)) ∈ B(h,d/2)


(aは桃を見つけて持って帰ったと言って差し支えない短い経過時間とする。これでは、桃が移動したことしか示しておらず、それを運んだのがおばあさんであるかがわかりませんが、動作を記述するのが難しいのでカットで)


このTs'を固定する


おじいさんとおばあさんが桃を割ると、中から元気な男の子が生まれました。


∃Ts"∈R [Ts">Ts'],

∃M∈P(Ts"),

∀tp<Ts";

f(Ts",tp)(M)=0 ∧

s(M)=0 ∧

o(M)=0 ∧

p(M) ∈ B(p(f(T1,Ts")(A),d') ∩ B(p(f(T1,Ts")(B),d') ∧

f(Ts, Ts")(pe)=0 ∧

p(M) = p(f( Ts, Ts"-ε)(pe)) ∧

P(Ts") ∩ B(M,d') = {A,B,M}


(d'は一緒にいると言えるくらいの距離とし、εは十分に小さい正の実数とする。桃を割った動作主がおじいさんおばあさんであることを示す苦肉の策で、周りに他の人がいないことにしています。一部重複がありますが、気にしないでください)


このTs",Mを固定する


おじいさんとおばあさんは、その子に桃太郎と名前付け、大切に育てました。


M=:桃太郎


(名付け親がおじいさんとおばあさんであるという情報、大切に育てたという情報はカット。桃太郎と名前をつけましたが、面倒なので、基本的にMの方を使います)


大きく強く成長した桃太郎は、鬼ヶ島に鬼退治に行くことになりました。


関数Vの定義域をPe(t)からP(t)∪Pe(t)に自然に延長し、それも同じ記号Vで表すこととする。

(桃だけでなく、人間の体積も出してくれるように延長しました)


∃T2∈R [T2 > Ts"],

V(f(Ts", T2)(M)) ≧ b'


(b'は大きく成長したといって差し支えない最小の体積。強くに関しては、強さが順序関係かが怪しいのでカット。行くことになったという予定表現も、表現の仕方が思いつかなかったのでカットです)


桃太郎は、おばあさんが作ったきびだんごを持って鬼ヶ島へと出発しました。


Po=(Xo,Yo)∈R^2:鬼ヶ島の中心座標


Ro∈R:鬼ヶ島を包含する最小の円の半径

(つまり、B(Po,Ro)が鬼ヶ島を包含する最小の円になります)


K(t):時刻tに地球上に存在するきびだんご全体の集合

(もはやなんだよそれという感じですが、目を瞑ってください)


写像pの定義域をP(t)∪ Pe(t)からP(t)∪Pe(t)∪K(t)に自然に延長し、それも同じ記号pで表すこととする。

(きびだんごの座標も出力するように延長しました)


f'(t1,t2):K(t1)→K(t2)∪{0} を同一のきびだんごを対応させる写像とする。値域にそのきびだんごがない場合は0を返す。


∃Tk∈R,

∃k1,……,km∈K(Tk),

∃Tg∈R [Tg > Tk],

∃To∈R [To > Tg],

∀i=1,……,m;

f'(Tk,Tk-Tc)(ki)=0 ∧

p(ki) ∈ B(p(f(T1,Tk)(B)),d")∧

p(f'(Tk,Tg)(ki)) ∈ B(p(f(Ts",Tk)(M)),d") ∧

p(f(Ts",To)(M)) ∈ B(Po,Ro)


(Tcはおばあさんがきびだんごを作り始めてからm個作り終わるまでの時間とし、d"は例によって十分短い距離とします。きびだんごができた時におばあさんの近傍にあったとすることで、おばあさんが作ったことを表現しています。鬼ヶ島へと出発したというところが、鬼ヶ島に着いたになってしまっていますが、そこにも目を瞑ってください)


MK(Tg):={k1,……,km}と定める。

(以下、この集合を桃太郎の時刻tにおいて所有するきびだんご全体としてみます)


このTg,Toを固定する(Tgに関しては下に続く条件を満たすように取る)


その道中で、犬、猿、雉に遭遇し、3匹は桃太郎の持つきびだんごを欲しがりました。桃太郎は、共に鬼ヶ島へ鬼退治に行くことを条件に、3匹にきびだんごを与えました。


I(t):時刻tに地球上に存在する犬全体の集合


S(t):時刻tに地球上に存在する猿全体の集合


KJ(t):時刻tに地球上に存在する雉全体の集合


写像pの定義域をP(t)∪Pe(t)∪K(t)からP(t)∪Pe(t)∪K(t)∪I(t)∪S(t)∪KJ(t)に自然に延長し、それも同じ記号pで表すこととする。


fI(t1,t2):I(t1)→I(t2)∪{0} を同一の犬を対応させる写像とする。値域にその犬がいない場合は0を返す。

同様に猿を対応させる写像をfS(t1,t2),雉を対応させる写像をfKJ(t1,t2)として定義する。


∃TI,TS,TKJ∈R [Tg < TI < TS < TKJ < To],

∃In∈I(TI),∃Sr∈S(TS),∃Kj∈KJ(TKJ),

∃i1,i2,i3 (1≦ij≦mで、相異なる),

∀t1∈R [TI ≦ t ≦ To],

∀t2∈R [TS ≦ t ≦ To],

∀t3∈R [TKJ ≦ t ≦ To];

¬[ki1∈M(TI)] ∧ ki1∈M(TI-ε) ∧

¬[ki2∈M(TS)] ∧ ki2∈M(TS-ε) ∧

¬[ki3∈M(TKJ)] ∧ ki3∈M(TKJ-ε) ∧

p(fI(TI,t1)(In)) ∈ B(p(f(Ts",t1)(M)),d"') ∧

p(fS(TS,t2)(Sr)) ∈ B(p(f(Ts",t1)(M)),d"') ∧

p(fKJ(TKJ,t3)(Kj)) ∈ B(p(f(Ts",t1)(M)),d"')


(εは十分小さい正の実数とし、d"'は十分小さい距離とします)


このIn,Sr,Kjを固定する


鬼ヶ島で鬼との激戦に勝利した桃太郎一行は、おじいさんとおばあさんの元へと帰りました。


O(t):時刻tに地球上に存在する鬼全体の集合


写像pの定義域をP(t)∪Pe(t)∪K(t)∪I(t)∪S(t)∪KJ(t)からP(t)∪Pe(t)∪K(t)∪I(t)∪S(t)∪KJ(t)∪O(t)に自然に延長し、それも同じ記号pで表すこととする。


∃Te∈R [Te>To];

p[O(Te)]∩B(Po,Ro)=φ(空集合) ∧

p(f(Ts",Te)(M)), p(f(TI,Te)(In)), p(f(TS,Te)(Sr)), p(f(TKJ,Te)(Kj)) ∈ B(f(T1,Te)(A),d"")∩ B(f(T1,Te)(B),d"")


(p[・]はその像を表しています。p(・)だと見づらかったのでこちらで書きました。d""は十分短い距離です。激戦に勝利というところが、鬼を殲滅したになっています)


めでたしめでたし。


 次話は論理記号に翻訳した『桃太郎』を日本語に再翻訳したものになります。

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