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15から16時辺りで一話、夜に一話投稿します。
いけたら夜二話投稿目指して頑張ります!
自分だけ休んでなんかいられない。
そんな風に思ってました。
でもムリでした。
だって動いてたらゲロッとなっちゃったんだもん。
「・・・おえぇ」
カティは太い木の根本にへばりついて胃の中のものを吐き出していた。
周りでは頼もしい仲間たちが魔物を殲滅中である。
完全に戦闘不能に陥っているカティを狙う魔物は少なくなかったが、それらの牙や爪はカティに届く前に切り裂かれたり、砕かれかり潰されたりしている。
『吐く時は我慢せずにすべて出してしまうことじゃ。その方が楽になるからの』
カティと同じく戦闘に加わっていないガルーダが鷲ほどの大きさに縮んだ状態でポンポンとカティの背を翼で器用に叩く。
「「これで終わりなの!」です!?」
巨大な水の刃が地面の上を滑っていく。
その少し上をしなる刃の鞭が横凪ぎにうねる。
しばらくするとカティの嗚咽音だけが辺りに響くようになっていた。
「は、あ……」
胃の中が空っぽなり、吐き出すものも胃液だけになった頃。
差し出されたコップの水を一気に飲み干して、カティはようやく息をついた。
「解体はこっちでやっておくから、その間寝ておきなさいよ」
カティが飲み干したコップを回収したリリスが自身のアイテムボックスから毛布を取り出して地面に敷きながら言う。
それに力なく頭を下げてカティは現状に目を向けた。
何十体もの魔物の死骸がそこかしこに散らばっている。
首を落とされたもの、四肢を切り裂かれたもの、胴体に幾つも穴の開いたもの。
惨状のわりに血の臭いが薄いのはクリスの水の魔法で洗い流されたからか。
その死骸の状態だけでもほとんどがフラウとクリスの二人の仕業なのがわかる。
リリスの従魔たちではムリのある傷が多い。
(・・・強すぎだろ)
呆れるような、ちょっと心配なような、心強いような、なんとも複雑な気分になりながら、カティは身体が求めるままに毛布の上に倒れこんだ。
「解体!」
「解体なのですー」
「フモモー!」
遠くにフラウたちの張り切った声を聞きながらカティは急速に襲いくる眠気に目を閉じる。
頭の隅でなんか変だな、と疑問に思いながら。
(なんでこんな急に・・・ねむ)
「寝たわね」
『水になにやら入れたようじゃのう』
「この状態で空の旅はキツいもの。ゴルディアに着くまで寝ててもらおうと思って」
「それにしても良く効くわねコレ」とリリスが顔の前に掲げたのは無色透明の液体が半分ほど入った瓶。
中身はいわゆる睡眠薬である。
『数滴で良いはずじゃがずいぶん減っておらんか、それ?』
「・・・だ、大丈夫よ。ちょっとくらい!」
『まあ、曲がりなりにも勇者が薬の過剰摂取くらいでどうなることもないじゃろうが・・・』
やれやれ、と言いたげなガルーダの様子にリリスはそっぽを向いて瓶をアイテムボックスにしまった。
「いいから!元のサイズに戻ってよ!コレくくりつけるから」
「フラウ!ちょっと手伝って!」解体に勤しんでいたフラウを呼んで二人で眠るカティの身体をガルーダの首に縄でくくりつけていった。
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