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『んじゃ、ステータスの確認しとくか』


 佑樹がそう言い出したのは、ようやくその日買い物した物を整理しアイテムボックスや鞄にしまって、カティが息を付いた頃。


「自分はなにもしてないからって・・・。ちょっとは休憩させてくれよ」


 ぐったり荷物で膨れた鞄に凭れかかり、他に誰もいないので口に出して愚痴る。


『してなくても疲れは感じてるっての。けどこのくらいはまだ全然だろ』


 そもそもカティは体力無さすぎ。と佑樹は呆れた声を上げる。


『もう少しは体力つけてもらわないとこの先困るからな』

(・・・はぁ)


「で?ステータス確認ってどうやるんだ?」

『おう、まずはステータスオープンって言ってくれ』


 カティは鞄から離れベットに腰かけると言われた通り「ステータスオープン」と声を出した。

 すると目の前に半透明のウィンドウが浮かび上がる。

 そこには日本語で次のような記載がされていた。




 [称号] 巻き込まれた村人・ 異世界の勇者・肉体を共有する者


 [名前] カティ・深山佑樹

 [年齢] 16・20

 [レベル] 1

 [体力] 60

 [魔力] 250

 [攻撃力] 30

 [防御力] 35

 [俊敏性] 55


 [スキル] 農耕〈Lv.1〉 狩猟〈Lv.1〉 解体〈Lv.1〉

 [スキル] 鑑定 異世界言語補正 アイテムボックス

 [勇者スキル] ガチャ スキル共有・譲渡 魔法共有・譲渡 ステータス偽装

  魔法創造 スキル強奪〈Lv.1〉

 [魔法] カマイタチ〈Lv.1〉

 

 

 カティはへこんだ。

 王宮で教えてもらった時と佑樹のスキルは増えているが、カティのものだろうスキルは変わってない。

 それに佑樹が追い討ちをかける。


『体力とか低過ぎだろ』


 王宮で勇者たちにされていた説明からするとこの世界の平均はどれも100~150。カティは魔力以外の全てが平均よりも明らかにだいぶ低い。


 スキルも農耕、狩猟、解体。

 まさに村人らしいスキルというべきか。


『ウィンドウのそれぞれのスキルをタッチするとヘルプが出てくるから、そっちも確認してくれ』


 試しに鑑定をタッチしてみる。


 勇者特有の保有スキル

 あらゆる物質および生物のステータス鑑定が可能


 次にスキル共有・譲渡

 自身のスキルおよび強奪したスキルを肉体の共有者と共有できる

 レベルが上がれば強奪スキルのみ任意の他者に譲渡可能

 譲渡できるスキルの数はレベルによって変動


 魔法共有・譲渡

 創造した魔法を肉体の共有者と共有できる

 レベルが上がれば任意の他者に譲渡可能

 譲渡できる魔法の数はレベルによって変動


(魔法創造って凄そうだけど)

『と、思うだろ?ヘルプ見てみ』


 魔法創造

 想像することであらゆる魔法を造り出せる

 魔法を創造するには肉体共有者の魔力を消費する

 魔法の使用には肉体共有者の魔力を消費する

 魔法のレベルが上がれば魔力消費が減少する


(・・・これって)

『つまり魔法を造るにも使うにもお前の魔力がベースになるわけ。ちなみに何個か造って見ようとしたけど一個しかムリだったわ。魔力が足りませんってでたわ。後スキル強奪も魔物から欲しいスキルを強奪できるけどできる魔物は自分よりレベル低いの限定で、やっぱり魔力消費して発動するから』

(・・・・・・)

『ってことでしばらくは旅しながらレベル上げだから。ちょこっとビシバシスパルタだから』

(・・・・・・)

『あっとガチャは王宮で説明した通り、ポイントか金貨かで一回回せる。出てくる物はランダム。これはポイント稼ぎながら実際やってみたらいいだろ。レベル上げに魔物討伐は必須だし?金も稼げるし』

(・・・・・・)

『んじゃ、ステータスの確認もだいたいできたし、今夜はそろそろ寝るか?』

(・・・・・・)


 その夜カティの枕が涙に濡れていたのは言うまでもない。




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 乗り合い馬車に乗り、次の町に向かう。


 リューレルートの王都からペルージに行くにはまず馬車でカレロナという町に向かう。

 本来ならそこで旅の支度を整えて徒歩か馬で国境へと向かう。

 何故徒歩かというと、ペルージとの国境の前には低いが山があるからだ。

 国境には関所があるし、関所までの道は定期的に兵士が魔物を討伐しており、道も馬が通れる程度には舗装されている。

 とはいえ全ての魔物を討伐できるはずはなく、国境へと向かう旅人はカレロナのギルドで冒険者を護衛に雇うか雇った人間に小金渡して同行させてもらうのが一般的、なのだが。


 カティは王都で旅の支度を全て済ませた。

 リューレルートにおける食糧や物不足は王都から離れるほど深刻で、カレロナの町も例外ではないと道を教わった露店商に聞いていたからだ。

 食糧の値段は王都の二倍にもなるらしい。


 2日ほどかかる馬車の道中、カティは佑樹の鬼のような提案に猛反対していた。



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