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だいぶ落ち着いてきたのでフラウたちを待っている間にお昼を作り始めることにした。
迷惑をかけた分ちょっとばかり手の込んだものにしようと思う。
アイテムボックスから取り出すのはまずクエストで討伐したイエローバードの肉。
ちょうど鶏程度の大きさの鳥型の魔物で、鶏と同じく羽はあるが空は飛べない。
強靭で長い脚と鋭い嘴。
風魔法を使用する魔物である。
このイエローバード、味も鶏に非常によく似ている。
なのでこれを作って唐揚げを作るつもりだ。
肉を一口大より少し大きめに切って小麦粉とリリスから預かっている香辛料のいくつかを混ぜ混んでいく。
しばらく肉をその中に漬け込んでおく間にフライパンに多めの油を入れて火に掛ける。
佑樹の記憶を頼りに調理を進めていく。
ノーマルガチャで手に入れたジャガイモも薄切りにする。
一匙ポトンと粉を入れてみて油がブクブクしたら肉を入れていく。火加減が調整できないので不安だが、まあなんとかなるかな?
箸はないのでスプーンで肉をひっくり返しながらゆっくり揚げていった。
うん。
いい匂いがしてきた。
肉が揚げ終わったら薄切りにしたジャガイモを投入する。
こちらはサッと揚げてすぐに取り出して塩を振る。
アイテムボックスからレタスに似た味のシュルトの葉を取り出して手で千切る。
イブラムの宿屋でもらったサンドイッチに挟まっていたのを教えてもらって買っておいたのだった。
パンも取り出して半分に切る。
シュルトの葉と三等分に切った唐揚げを挟んだら唐揚げサンドの出来上がり。
テディとガルーダの分もあわせて5人分。
ポテチは量が少ないからフラウに。他の皆は少し分けてもらってもらおう。
「やだ、スッゴい美味しそう!」
リリスが嬉しげに声を上げた。
「食べるのはフラウたちが戻ってきてからな」
今にもかぶり付きそうな目でじーっと見つめているので、カティは皿を自分の背に隠した。
「んー、わかってるわよぉ。にしてもいい匂いっ」
「いい匂いがするですー!ただいまなのですー!」
匂いを嗅ぎ付けたのか、ものすごい勢いでフラウたちが走ってくる。
(きたねー。ヨダレ垂らしてるし)
二人ともすでに口許がべちょべちょだ。
「あんたたちヨダレ垂らしてをじゃないわよ!汚い!」
「フオフオフオーん」
「ごめんなさいですー。でもいい匂いなのですー」
「ま、食べるか」
「「「「『 いただきます!』」」」」
いつの間にかちゃっかりガルーダも小さくなって並んでいる。
唐揚げサンドは少し薄味なわりにピリ辛という本来の唐揚げとは少し違う味だったが、美味かった。
また作ってみよう。
たまには実験的に色々試してもいいかも知れない。




