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 林を抜けたところで、フラウがおなかが空いたと言い出した。

 町に戻るには歩いて30分程の村から馬車で一時間程かかる。

 ミリーにお弁当をもらってあるし、休憩がてらお昼にすることにする。

 お弁当は二人分なのでそれとオークの肉も焼いて3人と1体で分けることにした。

 お弁当はアイテムボックスに入れてあるから温かいままなので最後に取り出すとして。

 まずはオークの肉の入った袋とフライパン、火の魔方陣が描かれた羊皮紙を出す。

 横で見ているリリスはフライパンに興味津々な様子だ。

 ちなみにフラウとテディは見張りをかって出たので好きにさせている。見張りといってもその辺をぶらぶらしているだけだが。

 まあリリスがいるし大丈夫だろう。

 フラウたちの方は心配するだけ多分無駄だ。


 取り出したオークの肉は前にフラウが討伐した分なので臭みを抜く為袋に入れてにぎざんだ茶葱に浸けてある。

 ステーキにしようと思っていた分なので、少し厚めにナイフで切ってあった。

 袋を開けてとりあえず5枚取り出す。

 弁当もあるし、肉はかなり大きめだから多分これで足りるかな?とカティは思いつつも、テディがいるのでやっぱり足りないか?とも思う。

 リリスが以前言っていた通り、テディはかなりの大食漢であり、フラウも何気に結構食べる。


(テディは肉だけだし、もしかして一人で5枚くらいは食べるのかな?っていうか熊だし生の方がいいのか?)

『あー、でも熊って言っても魔物だしなー。けど普通魔物は人間そのまま食べるんだし、生でいいんじゃね?』

(テキトーだな)

『だって知らねーもん』


「あー、そういえばリリスの従魔はご飯どうしてるんだ?一緒に用意した方がいいか?」

「は?一緒になんて食べないわよ。従魔ボックスの中に何体か討伐した魔物を入れてるから適当に食べるでしょ。普通そうよ」


 魔物は魔物を襲わないが、すでに死んでいるものは食べるらしい。カティからすれば不思議な気がするが、実際この世界には普通の獣はほとんど存在しないのだから、魔物を全く食べないとなると人間を襲う以外に肉を得る術がなくなってしまう。

 ただの獣も一応生まれることはあるらしいのだが、すぐに魔物化してしまうというのを聞いたことがあった。


「あれ?従魔ボックスって従魔しか入れられないんじゃなかったっけ?それに5体までじゃすぐいっぱいになるんじゃ・・・」

「それが餌として入れる死んだものなら大丈夫なの。数も加算されないわ。なんでかなんて聞かないでよ、あたしも知らないから」

「やっぱり肉をそのままあげたらいいのか」


 とりあえずそれで行こう、とカティは一人で納得した。


(宿で何を食べさせてたのか聞いとけば良かった)


 だとしたら茶葱に浸けておいたのじゃなくてさっき解体したオークの肉をそのまま出したらいいか、とカティはさっそくアイテムボックスから解体してそのままの肉を取り出して横に置いておく。


「テディの分はこれでいいとして、じゃああとは5枚もいらないかな?」


 さすがにフラウも一人で3枚は食べないだろう。


「あたしは1枚で充分」

「俺も、だな」


 ならフラウの分に2枚用意して、と1枚は袋に戻す。

 あとは味付けだが・・・。


(そういえばまだ香辛料を買ってないな)


「リリス香辛料って持ってない?」

「ん?あるわよ」


 リリスが持ち歩いている鞄はマジックバックと呼ばれるもので、簡単に言うと鞄型のアイテムボックスだ。

 小さなポーチのような鞄からリリスはぽいぽいといくつもの瓶を取り出していく。

 カティたちのアイテムボックスと違って時間経過もするし容量も30㎏程度だというが、それでも金貨350枚と高値だ。

 一部の上級冒険者と貴族か王族くらいしか持てない代物。

 もっともリリスの場合、通常のものよりも小さい上デザインもこだわった特注品だそうで、より高いらしいが。


 カティはリリスが出した香辛料の蓋を開けて匂いを嗅いでいく。

 リリスが水魔法でカティたちを洗浄しておいておいたお陰で血の臭いに邪魔されずにすむ。

 それがなければ自身から漂うオークの血の臭いで、香辛料の匂いなどわからなかっただろう。


 10個あった瓶の中から肉に合いそうなものを4つ選んで少しだけ瓶の中身を手のひらに出して、ペロリと舐めていく。

 山椒に似た味のものに決めて、茶葱を拭き取った肉にパラパラとかける。

 香辛料の瓶はどれも全然使われた形跡がなく、リリスはあまり料理をしないみたいだ。

 カティが瓶を返そうとすると「珍しいから買ったけどあたし料理できないから持ってて」だそうな。


「そのかわり料理係は任せたわ」


 何故か胸を張るリリスによって、カティはパーティーの料理番に任命された。

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