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ギルドを後にしたカティたちは町から東南にある原っぱに来ていた。
低い木々の点在する林の奥にぱっかり開けた場所で聞いた噂ではその昔ドラコンが暴れた後だとか。
ドラコン討伐に100人以上の冒険者が挑んだが結局討伐出来ないままドラコンはどこかに飛んで行ったとか。
昔のことすぎてホントかウソかもはやわからない噂のある土地らしい。
確かに広い林の中に一画だけ開いた原っぱはそれもアリかなと思わせる。
よくみれば中心にはクレーターの後のように少し凹んで草の生えていない場所もある。
そんな原っぱに、いくつもの魔物の姿があった。
種族は全てオーク。
が、なかに一体サイズも色も違うものがいる。
「依頼の通りね。オークが5体にジェネラルオークが1体」
ギルドで受けたクエストはこの原っぱで見かけられたオークの群れの討伐。
通常オークはほとんど群れることがない。
例外はオークを統括する存在がいる場合。
ジェネラルオークやキングオークがいる場合だ。
この場合はクエストランクが跳ね上がる。
通常オーク討伐はDランクでも複数のパーティーでなら受けることができるが、ジェネラルオークが含まれ群れになった場合はBランクのクエストになるのだ。
「ジェネラルオークに良さげなスキルがあるらしいから、瀕死でおいといて欲しいって」
リリスには既にカティたちのステータスを見せてある。
リリス自体には鑑定スキルがなかったので、ガルーダのレアスキル[投影]を使って。
投影とはガルーダが見たものをそのまま空間に写し出すことのできるスキル。ただし写せるのはその時見ているものだけということだ。
それでもガルーダの視野は広く人間よりかなり遠くまで見渡せる。魔物の出現等を早めに察知できるので、まあ便利だろう。
ガルーダ自身にはあまり意味のないスキルではある。
そういうわけで佑樹の存在も認識しているのだが、フラウと違って配下ではない為か声は聞こえない。
なので、佑樹の言葉はその都度カティが代弁している。
「わかったわ。他は大丈夫ね?」
リリスは頷いて「じゃあ行くわよ!」と声を上げた。
するとリリスの影から2体の獣が現れる。
リリスのスキル、従魔ボックスから出された魔物だ。
従魔ボックスはアイテムボックスの従魔版、といったらいいだろうか。
テイマーやトレーナーがよく修得するスキルで従魔を収納しておくことができる。
カティのアイテムボックスは時間経過がなく、用量も無限大だが、リリスのそれは時間経過はあり、用量も魔物5体程度だという。
普段リリスの従魔はボックスの中で惰眠を貪っているらしい。
「普通はそんなことないはずなんだけど、どうしてかあたしがテイムしたコたちは皆だらけちゃうのよね」
ということだ。
今もリリスが出した2体の獣型の魔物、シルバーウルフたちは若干眠そうに欠伸している。
「ほらっ!しゃっきりして!周りのオークたちから倒して行くのよ!?」
リリスが声を張り上げるが、シルバーウルフたちの態度は微妙。
めんどくさそうに後ろ足で首もとを掻いている。
と、ビシッと地面を叩く音がして、シルバーウルフたちの足が止まった。
「さっさと行くです!」
蛇咬剣をムチのようにしならせ怒鳴るフラウの姿に、単体でもBランクに相当する魔物であるシルバーウルフの毛が逆立つ。
ビシッと蛇咬剣を振るう様は調教師かはたまた鬼教官か。
「さすがはあたしが見込んだだけのことはあるわ!一味違うわね!」
弾かれたようにオークへ向かって行ったシルバーウルフたちの姿にリリスは興奮した声を上げるが。
(・・・なんか見てはいけないものを見た気が)
『鬼教官、いや鬼軍曹か?』
カティは次いでテディにもムチを振るうフラウの姿からそっと目を反らした。




