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短め、昔語りです

 3000年程前。


 神樹の森と呼ばれる緑豊かな土地に心優しき精霊の王がいた。

 精霊には火水風土光闇それぞれの属性を持つものがいるが、闇の精霊は非常に数が少なく、危険なものと言われていた。

 それというのも闇の精霊には生まれつき力の強いものが多く、ともにいると、他の精霊たちは闇に呑まれて歪んでしまうからだ。

 ある時神樹の森に闇の精霊が生まれた。

 闇の精霊自体は決して悪ではない。

 ただ、自身の思いに関わらずその闇が周りを歪ませ狂わせるだけである。

 本来であれば闇の精霊は生まれ落ちてすぐに森を出される。

 けれど心優しく光の力を持つ王は幼子を哀れに思い自分のそばで育てた。

 おのれならば闇に呑まれることはないと。

 闇を押さえることができると。

 あるいはその過信や傲慢こそが、闇を侵食させる原因だったとも言われている。

 少しずつ闇に呑まれ歪んだ精霊の王はやがて魔王となり魔物の多くを従え、世界を破壊した。

 緑豊かな土地は枯れ果て、水や土は腐り、日は陰った。


 このままでは世界が滅びると畏怖した他種族の王たちはそれぞれの勇者を森へと遣わせた。


 エルフの聖なる弓を射る勇者が。

 ドワーフの力強き斧使いが。

 鋭い爪と素早い脚を持つ獣人族の王子が。

 精霊にも負けぬ魔力を持った魔族の勇者が。


 ともに魔王を打つべく森へと向かった。


 人族の勇者は二人の兄妹だった。

 剣に優れた兄と魔物を使役する力を持つ妹。

 他の全ての魔物が魔王に従う中で、3体の強き魔物だけが最後まで妹に従い、助けた。


 風を従えるものガルーダ

 火を従えるものフェンリル

 水を従えるものトリスタン


 長い戦いのはて魔王を倒した後も魔物たちは妹のそばに居続けたが、彼女の死後何処かへと消えた。

 人々は3体の魔物を魔物ではなく神獣と呼び称えた。




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