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 しばらくして戻ってきたフラウは手に拳程のサイズ魔石を持ってきた。

 その後ろからは月の輪熊からテディベアに戻ったテディが同じく手に何か紙のようなものを握っている。

 ただテディの額には三日月型の傷がくっきりとついていたが。

 フラウによるとこのダンジョンのボスは三メートル級の真っ黒い大蛇だったらしい。

 ダンジョンボスは1度攻略しても数週間程度でまた新たなボスが生まれる。

 とはいえボスの魔石やドロップアイテムを目当てにダンジョン攻略に乗り込む冒険者も多いので、ボスを討伐した場合は最寄りのギルドに報告が義務づけられている。

 魔石も買い取って貰わなくてはならないし、黙っていてもギルドカードを確認されたら一発でばれるので意味がない。

 共に行動するパーティーメンバーのカードに討伐ポイントは加算されるのだ。

 冒険者登録したての初心者が小さいとはいえダンジョンボスを倒すという不自然さをどうやって誤魔化せばいいのか。

 ましてカティたちはお世辞にも強そうには見えない。

 兵士や騎士上がりの冒険者の中には初心者でもそれなりに活躍する者もいるらしいが、どう見てもそうは見えないだろう。

 頭の痛くなる問題だが、まあ適当に流すしかないか。


 想定外というか、予期せぬトラブルがあったものの、初ダンジョンの収穫は以下のようになった。


 魔石(小)×12

 ツインウルフの牙×2

 ツインウルフの爪×4

 ツインウルフの霜降り肉×1

 ダンジョンボスの魔石×1


 魔石は最低でも銀貨5枚以上になるはずなので、霜降り肉は除外するにしても結構な稼ぎになった。

 死にかけたけど。



 3階層でカティが穴に落ちた後、無事に2階層まで戻ったフラウはダンジョン攻略に来た他の冒険者に上手く行き合ったらしい。

 3階層の穴。

 あれはこのダンジョンを攻略する冒険者にはよく知られた簡単な罠で、カティのように火を使うもよし、ブラックデビルが嫌うハーブの入った匂袋を身に付けておくだけでも穴から出て来なくなるらしい。

 きちんと情報を事前に集めておけば避けられた結果だったということに佑樹と二人凹む。

 とはいえカティのような初心者にはよく陥る罠で、大抵はそのまま戻って来ないが、中にはカティのように水に落ちて助かった者もいて、横穴から通常の通路に戻ったという話があったそうだ。

 カティが通った横穴以外のものも全てダンジョンの5階層のどこかに繋がっていたらしい。

 カティが通った穴が一番奥まった場所に続くものだったようで、ハズレを引いていたらしいが。


 フラウは冒険者に匂袋を分けて貰ってカティが出てくる可能性のある5階層へとテディを連れて向かったのだとか。

 テディはといえばフラウに脅されてスパルタされられた結果、レベルが上がるとともに何かに目覚めたらしい。

 魔物への恐怖よりフラウへの恐怖が上回った結果、筋肉増強のスキルとともに闘争心に火が付いたのだろうか。

 魔物を見ても逃げなくなった。

 と、いうより魔物を見つけると雄叫びを上げて巨大化する月の輪熊になった。

 額に付いた三日月型の傷は魔物ではなく、カティを置いて逃げたテディに激怒したフラウが付けたらしい。


 カティたちはそれまでの過程をお互い話しながらダンジョンの出口へと歩いた。

 返りは魔物の相手はフラウに任せて。

 腕の傷はポーションで治し、魔力も魔力回復薬(マジックポーション)で回復はしたが、精神的に参ったので勘弁してほしい。


(『儲かったけどしばらくダンジョンは御免だな』)


 フラウの倒した魔物たちのドロップアイテムを拾いなからカティと佑樹は同じことを思い、しばらくダンジョンはなし、と決めた。






 

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