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 オーク肉の生姜焼きは大好評だった。

 本当、生姜焼きのたれは神だ。

 いや、たれを作り出した人、かな?

 どちらにせよ大変美味しくいただきました。



 フラウにおかわりをねだられて、たれは早くもなくなってしまった。だが、オークを討伐したのはフラウだから、今回はご褒美。

 次から似たようなものが出た時はもう少し節約して使おうとカティと佑樹は話し合って決めた。

 まだまだオーク肉は残っているから町に着いたら香辛料を買い込んでステーキを食べることにもした。

 米が欲しいところだが、そればかりはまだ先になりそうだ。

 ペルージでも王都でなら多少手に入るらしいが、とんでもなく高いらしい。

 ガチャででないかな、とも思うが鉛筆や輪ゴムのように一粒だけ出てもどうしようもないし、たれを引いた時に鑑定した様子だと食材はハイレアかSレアに当たるらしく、確率はノーマルガチャを100回回して1回出るかというところ。

 あまりあてにはできない。


 腹が脹れて眠くなったらしく、フラウがうとうとしだいたので、カティの膝を枕にして先に眠らせる。

 そうしているとごく普通の可愛らしい子供だ。

 強さは普通じゃないけど。


 料理に使った魔方陣の火を種火にして焚き火を燃やし、その前に座ってカティもまたうとうとする。

 ただし魔物が出る外である以上当然熟睡は出来ないから、ある程度眠気がきたら水を飲んだり辺りを見渡したりして眠気覚ましに勤しむ。

 夜中に二度ゴブリンの姿を遠くに見つけたが、火を炊いているからか、近寄っては来なかった。

 良かった、とカティはほっとした。

 戦闘も避けたいが、動いて膝を枕にしているフラウを起こすのも可哀想だ。


 朝フラウが起きるのを待って街道に戻る。

 しばらく歩くとフラウがお腹が空いたというので、お昼にした。

 残念ながら人目があったので昼は鞄に入れてあったパンだ。

 哀しそうなフラウの姿に夜はご馳走を食べようかと思う。


 それから半日程たまに休憩を挟みながら歩いて次の町に着いた。


 [ヤルジの町]


 そう刻まれた木片が門の脇にぶら下げられている。

 もともと商人たちが立ち寄る為に作られた町らしく、簡素な木の境壁に囲まれた町の中は木造や石造りの家は少なく、大きな天幕が代わりに並んでいた。


『こりゃまた変わった町だな』


 荷馬車が通る為だろう。道は広くその脇に所々井戸がある。

 定住している人間が少ないからか、畑や農場らしきものは見当たらなかった。


(ギルドはあるのかな?)


 予定ではこの町で冒険者登録するつもりだったのだが。


『とりあえず探してみようぜ。あと、宿屋もな。今日は早く寝たい』

「フラウはそんなに眠くないです」


 カティは自分も早く寝たいな、と思いつつ、ギルドを探して歩いていたが、その前に良さそうな宿屋を先に見つけてしまった。

 小さな石造りの家のような外観だが、全体的に小綺麗な印象があった。軒先に申し訳程度に設えられた花壇も綺麗に整えられている。


「あ、ここ良さそうかも」

「可愛いお家です!」


 フラウも気に入ったみたいだし、ここでもう決まりかな。

 ギルドは・・・明日でもいいか。

 眠いし。



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