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(・・・えーっと)

『幼女かよ』

「ご主人さま?」


 言葉のないカティたちに可愛らしく首を傾げ見上げてくる幼女。

 ピンクの髪に紫の瞳というファンタジーな色彩なのに、不思議と違和感はない。

 生まれたて(?)だというのにゴスロリ風の白いミニのワンピースに膝下まである白い編み上げブーツという出で立ちをして、同じく白いレースのリボンで髪をツインテールに結い上げている。

 将来はかなりの美少女に成長するだろう美幼女である。


『とりあえずステータス鑑定してみるか』


 佑樹の言葉にカティもウインドウを開き、鑑定してみた。


 [称号] 卵から孵りし配下

 [名前] フラウ(獣人族)

 [年齢] ???

 [レベル] 52

 [体力] 3500

 [魔力] 1100

 [攻撃力] 5000

 [防御力] 4200

 [俊敏性] 7200

 [スキル] 俊敏〈レベル3〉 剛力〈レベル5〉 変化(へんげ)

 [魔法]???



(・・・・・・)

『完全に負けてんじゃん』


 佑樹の笑い含みの声にでなくても凹んでいた気持ちにトドメを刺された気がする。


(いや、ステータス高すぎだろ)


 カティどころか、世界的な平均と比べても高すぎる。

 平均100から150程度の体力が3500、攻撃力が5000、俊敏性に至っては7200である。

 王宮の騎手でも精々どれも高くて500程度。

 召喚された勇者ですら1000から1500程度だったはずだ。

 まあ、勇者はレベル1での数値であり、フラウのレベルが何故かすでに52であることを鑑みれば同レベルに上がった際には勇者の方が高くなるのだろうが、カティからすれば充分チート。


『ま、心強いっちゃあ心強いけど』


 称号にも配下、とあるし、ヘルプでも初めて見た者の忠実な配下ということだったから、敵に回るということはないはずだ。


「あー、その、フラウでいいのかな?」


 カティがそう言うと、パアッとフラウが頬を染めて笑う。


「はい。フラウです!よろしくです!ご主人さま」

「うん。よろしくフラウ。あー、フラウは獣人族ってなってるけど・・・」

「はい、ご主人さま。フラウはご主人の配下で獣人族なのです」

「あ、うん。・・・けどフラウは獣人族のわりに、その、耳とか尻尾がないんだね」


 獣人族というのは人間ならは亜人とも呼ばれ、地域や国によっては差別されている種族であり、人間至上主義のリューレルートではほとんど見ることがない。

 ペルージもまたリューレルートほどではないにせよ、やはり数は少ないはずだ。

 南方の大陸には獣人族の国もあるというが、基本的には人間の国と交易もない。

 姿かたちは人間とほとんど同じ。

 ただ頭に獣の耳と尻に尻尾があるらしいのだが。


「はい。フラウは狸の獣人ですから、変化のスキルで今は耳と尻尾は隠しているのです。フラウは3つの変化ができるのです。ご覧になりますか?」

「うん」


「では」とフラウはワンピースのポケットから葉っぱを一枚取り出すと、頭のてっぺんに置いた。

 するとぽんっと音を立ててフラウの身体が煙に包まれる。

 煙が晴れた後には頭と尻に狸らしい丸い耳とふさふさの尻尾が生えていた。

 ちなみに毛色は髪と同じピンクだ。


「これが2つ目なのです。それから」


 また葉っぱを頭に乗せる。

 と、今度はピンクの体毛をもった子狸が現れた。


 〈これが3つ目の変化なのです〉


 そう告げるフラウの声は佑樹のものと同じように頭に直線届いた。目の前ではピンクの子狸がちょこんと座っている。


『おおーっ!面白いんじゃね?』

 〈ありがとです。ご主人さま〉


 どういう原理かわからないが、佑樹の声もフラウに届いているようである。


 〈フラウはいっぱい頑張るのです!きっとご主人さまのお役に立つのです〉

「う、うん。よろしくフラウ」


 まあ、役には確実に立つのだろうし、いい配下ができたのだろうか?


 ちょっと幼女というのは戸惑うけど。


『ロリコンと勘違いされないように気をつけろよ』


 そう言うけど、正直勘違いされないのは難しいかもしれない。

 兄妹、はやっぱりムリがあるかな・・・。




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