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 ペルージに着いて3日が経った。

 1日目は宿で身体を休めながら今度の方針を話し合い、2日間はこの町に滞在し修行と薬草の採取を行いつつ、レベルを上げることにした。

 目標はとりあえずレベル4。

 旅の仕度はリューレルートの王都で揃えたものがほぼそのまま残ったので今回は買い物はなしだ。


 2日間カティ的には相当頑張った結果、レベルはなんとか目標の4へ、採取した薬草は金貨2枚と銀貨4枚に。

 とは言えステータス自体はそれほど変化はない。

 体力が75に増えたのと、魔力が300に、カマイタチがレベル2になって1度に出せる数が平均10になったくらい。

 もともと高めだったからか、魔力の伸びは早いようだ。


 薬草を売るついでにギルドで王都への道と、冒険者について教えてもらった。

 王都へはここから徒歩と馬車を乗り継いで一月程。

 途中ギザの森という深い針葉樹の森を迂回する為、結構な旅程がかかるようだ。

 一番近い町は徒歩でも1日もあれば着くということなので、節約と修行を兼ねて歩くことにする。

 朝早くに軽い朝食を食べて町を出た。

 町の付近には同じく町を出る旅人が大勢いて、カティと同じく徒歩で進む者、門の左右に列なった馬車に乗り込む者と人それぞれだったが、商人のように荷の多い者以外は徒歩が多いようだ。

 カティは徒歩の人たちに続いて街道を進み、昼を過ぎたあたりで道を外れて林の中に入った。

 道を外れて少し行くとすぐにスライムが出てきたのでカマイタチで討伐する。魔物との戦闘にも慣れてきて、スライムくらいならさほど慌てず倒せるようになってきた。

 林の奥に進み人目が完全になくなったところで、アイテムボックスからあるものを取り出した。


 レアガチャで引いた卵である。


 卵は最初に見た時より少しピンクがかっている気がした。

 触れるとほんのりと温かく、一部に細かなヒビが入っていた。

 ガチャを回した日から今日でちょうど一週間になる。

 ヘルプによるともういつ孵ってもおかしくない状態ということで人目につかない場所で孵るのを待つことにした。

 ただ孵るのを待つだけというのも退屈なので、近くで薬草を摘みながらうろうろする。

 鑑定しつつ、薬草を摘み歩くこと小一時間。

 ハバレロ草(解毒効果)品質普通

 とかいう草が多く、それだけで鞄にいっぱいになったので残りはアイテムボックスにしまう。

 ステータスウインドウに〈あと孵化までおよそ1分です〉という表示が点滅したので、卵の元に戻る。

 ずいぶんヒビが大きく広がり、今にも割れそうだ。

 と、パキっと音がして一際大きく卵がひび割れたかと思うと小さな欠片が辺りに散らばった。

 パキパキパキっと続けざまに音がして、卵が割れる。

 割れた部分からひょっこりとピンク色の髪の束が覗く。


 完全に割れた卵から現れたのは、ピンク色のくるくると巻いた髪をツインテールにした5才前後の人間の子供だった。


 子供は丸い紫の瞳をぱちぱちとさせて、やがてカティと目が合うと、にこっと笑って「初めましてご主人さま!」とお辞儀をした。

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