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『嬉しい。今ホントに嬉しいよ、俺。・・・こっち来てからなんか喜怒哀楽うすーくなってると思ってたけど、今は嬉しい』


 マンガを読み終わった佑樹の第一声がこれだった。

 グズ、と鼻を啜るような気配が・・・。

 

(佑樹、もしかして泣いてる?)

『バーローっ!んなわけないだろ』


 そう言いつつグズグズ鼻を鳴らす音が・・・。

 いや、ここは突っ込まないのが優しさだろう。

 それに佑樹が感情が薄い、と言っていたのはカティとしてもずっと気になっていて、正直ほっとしたというのもある。

 これはカティも少し頑張ってガチャポイント貯めてやろうかなという気になった。


 とはいえそれと護衛なしとはまた別だけれど。


『もっかい読みたい』というのでまた最初から読み直す。

 後数ページというところで、『なあ?』と佑樹が言い出した。


(なに?)

『一回だけガチャらないか?』

(ポイントもうないよ)

『うん。だからさ、レアの方』

(馬鹿言わないでくれよ!金貨一枚もするのに!せめてもう少しお金貯めてからだろ)

『えーっ?いいじゃんいいじゃん。ほらまた薬草摘みまくってギルドに売りに行ったらいいんだし』

(俺みたいのがそんな何度も持っていったら怪しいだろ?だいたいいつまでこの町にいる気だよ。早いとこ出た方がいいんじゃないの?)

『ペルージに着いてから売りに行ったらいいじゃん!鑑定スキルがあったら金はすぐに貯まるだろ?』


 いい加減にしろ、と返しかけて、ふと思いつく。


(護衛雇ったいいって言うならガチャしてもいい)

『よっし!それで行こう!』

(はやっ!変わり身早すぎ)

『だって俺は今ガチャがしてーの。・・・次はなんのマンガが出るかなっと♪』

(いや、連続マンガはないだろ)



 さっそくステータスウィンドウからガチャスキルを選択する。

 取り敢えず明日は朝イチでギルドに護衛の要請をしに行くことは先に確約済みだ。

 万が一いいのが出なかった時にやっぱりなしでとか言われてはたまらない。


(さて、と)


 レアガチャのパネルをポチリ。

 すると、金貨をセットして下さい。との記述と共にウィンドウの一部が点滅する。

 カティが懐の袋から金貨を取り出しそこに乗せてみると、すう、と金貨が消え、レアガチャを周す、というパネルが浮かび上がった。


 ポイントでなくお金だからか、先程よりもドキドキする。


 床に浮かび上がった魔方陣は、今度は赤く光っている。

 キラキラ赤い光の粒子があたりに舞い・・・。


『おおおおぉ!』

(・・・ふぇ?)


 激レア!


 という文字になった。


『おっしゃー!?キター!』


 頭の中で雄叫びが響き。

 魔方陣が消えた床には50センチ程の白い卵が鎮座していた。



(卵?)

『卵、だな』


 取り敢えず指でつついてみた。

 ・・・反応なし。


『鑑定してみよう』


 と、いうことで鑑定してみたところ。


 配下の卵

 ランダムで色んな種族が生まれる卵

 生まれて最初に見た者の忠実な配下になる

 一週間程で孵化


(『なにこれ?』)


 頭の中、二人はぴったりハモった。





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