18話:移転装置
岳と雅華とともに、車がたくさん行き交い、エンジン音やクラクションの入り交じる大通りへとやってきた。テロリストアジトから、歩いて数分のところににある場所だ。
「こんなところに一体、何があるの?」
辺りを見渡しながら、疑問を口にする雅華。もしかしてだけど、さっきの反応といい、今といい。知らないのかな。
「こっちこっちー」
手招きをして、彼らを呼ぶ。そんな僕のそばにあるのは、長方形を斜めに切ったような、黒い物体。断面図に当たるところは、液晶式のタッチパネルとなっている。
「……何よ、これ?」
「”移転装置”。これを起動させて、行きたいところを入力すると、一瞬でそこへ行くことができるんだ」
眉をひそめ、訝しげに問う彼女に解説をした岳。……それ、僕も今言おうとしてたんだけど、まぁいいや。
岳の解説を聞いた彼女は、納得したような顔をした。
「へぇー……。いつもボディーガードの送迎だったから、知らなかったわ。でも、そんな便利なものがあるのなら、車なんていらないんじゃないかしら?」
そして、大通りを指しながらいう。彼女の指さす先には、まぁ相も変わらず忙しそうに走る車たち。確かに、そのような点では、雅華の言う通りかもしれない。




