17話:依頼は勿論
「ふうん、それはなかなかに興味深いね」
瀬音から聞いた話を2人にすると、岳が興味を示してくれた。
「へえ! 面白そうじゃない! ゾンビ撃滅かぁ……うん、楽しそうね」
雅華も同様、興味を示す。しかも、ソファから身を乗り出してまで。少しというか、結構以外。
「ちょ、星夜。何よ、そんなに目見開いちゃって。何がそんなに驚いたの?」
「え、えっ。ごめんごめん。いやー、雅華、こういうの嫌がるかと思ってたんだ」
僕が返すと、雅華は困ったような顔をした。
「そうかしらね。でも、檻の中よりはよっぽどいいわ。それで、ゾンビ撃滅なんでしょ?」
彼女の言葉に、僕は頷く。
「うん。でもこれは、依頼人から直接受けたわけじゃないから、実行するか否かは自由なんだって。……どうする?」
2人に問うと、岳が呆れたように溜息をつきながら、雅華が可愛らしくウインクをしながら答えてくれた。
「どうするも何も。困っている人がいるんだから、それは助けないとだよね」
「私も岳に同意よッ」
どうやら、2人の意思は固まった様子。となると、僕の意見は勿論。
「よーっし! んじゃ行きますか! 場所はここから少し離れた島、ルフリア島だって」
僕が胸元でガッツポーズを作って意気込むと、雅華が突如、驚いたような顔をした。
「ルフリア……って、ええ!? こ、ここ確か、アケーディア、よね……? 全然、少しって距離じゃないわよ……? そこに一体、どうやって行くっていうの……?」
確かに、ここ、アケーディアから、ルフリア島はかなりの距離がある。だけど、移動手段はある程度決まっていた。彼女の言葉に、ウインクで返す。……彼女みたいに、かわいくはできないけども。
「ついてきてっ」




