果ての世界で
ぱっと、布団に入ったばかりだった優の目が開く。まだ1分も経っていなかった。
だというのに、まるで何年も留守にしていたような寂寥感と、我が家に帰ってきた安心感が胸の内を満たす。
眠気は吹き飛んでいた。これから自分が死ぬ運命にあるというのに眠っていられる人は早々居ないだろう。
手早く着替えてセシリアに教えてもらった時間より30分ほど早くから家の外を見張り始める。
やがて、それは起こった。新聞紙と何かの液体が入っているポリタンクと思しき物を持った人物を見つけるなり、迷うこともなく通報。
本当に呆気なく、何かの乱闘が発生したり捕物劇が起こることもなく、事件は解決してしまった。
終わった後に残ったのは警察からの感謝状1枚と拍子抜けした思いだけ。
それから1ヶ月たった今でも、優は命の危険に晒される事もなく大学生活に溶け込んで行った。
運命は回避され書き換わったという事なのだろう。
今でも優にはあの時の異世界の記憶が、セシリアとして過ごした日々の記憶が残っている。
でも、それはどこか夢のようなおぼろげな存在で、夢か現実だったかの判断が日々曖昧に変わっていた。
きっといつか全てが思い出に変わって、時々しか思い出せなくなる。
残念な気もしたが受け入れる事はやぶさかではない。
自分はこの世界の人間で、毎日を忙しく生きなければならないのだから。いつまでも引きずっているわけには行かない。
「色々大変だったけど、結構楽しかった気がする」
遠い空に向かい別れの言葉を口にして終わりにしようとした。
その、瞬間。
聞きなれない言語が、優の耳を貫き、何か柔らかいものが背後から飛びついてくる。
なんだろうと思って振り返れば、そこには頭一つ分ほど小さな、妖精かと見紛うほど美しく可憐な少女が立って優に話しかけている。
髪は信じられないくらい細く、色は繊細な銀に少しの金を足しこめたような白金。
間違いなくこうしてみるのは初めてだというのに、どこかで見た事のある様な既視感を感じ、まじまじと少女を見つめていた。
そもそも話しているのは何語だろうか。少なくとも英語ではない。
その少女が唐突に優の腕を掴んだ。途端に声なき意思が頭の中に直接響いてくる。
どこか懐かしい感覚がした。
『優さん、お久しぶりです』
記憶より大分成長し大人びてはいるものの、紛れもなくセシリアの物だ。
「ど、どうしてセシリアがここに……。っていうか、その姿は!?」
7歳だったはずのセシリアの姿は、たった一ヶ月しか経っていないというのに倍以上、10台半ばまでの成長を遂げている。
『私だって成長くらいします! 世界間に時間の概念はないんです。細切れになったコマのどこに行くかを指定する事で、行先に関しては自由な時間に干渉できるみたいなんですよね』
事も無げに言ってみせるセシリアだったが、優はただぽかんと口を開けることしか出来ない。
「それはつまり、他世界への直接的な干渉が出来るってこと……?」
『はい。ずっと優さんの世界に行く方法を探していた私はつい最近、やっとこの世界への介入に漕ぎつけたんです。多分この世界には優さんが居るから、結びつきが強くなったんだと思います』
それを聞いた優は眩暈を感じずに入られなかった。
他世界を経由するとはいえどの時間軸にも干渉できるということは、つまりタイムマシンの実現に他ならない。
「それってもしかして、あっち側の世界でも自由な時間に行けるの?」
『いいえ。元の世界には扉を開けた時点にしか戻れないんです』
入り口は決まってしまっているけれど、出口は何処でも指定できる。
セシリアの世界からすれば限定的な効果だったが、こちらの世界からすれば神に等しい所業だ。
『実はお願いがあってきたんです』
「お願い?」
1ヶ月前の夢の中身はまだ覚えている。もしかしてまた何か問題でも起こったのだろうかと身構えた優に、セシリアは慌てて首を振って見せた。
両国の関係は今までずっと安定を保っていた。不可侵条約も、今では同盟に変わっている。
それならどうしてわざわざこんな場所まで、と首を捻った優に、セシリアは必死の形相で詰め寄った。
『私と、結婚してください! そして子供を作ってください!』
「ちょ、は、はぁ!?」
とんでもない発現に、優は思わず意思の会話ではなく口に出して叫ぶ。
ただでさえ目立つセシリアの容姿に素っ頓狂な叫び声が重なり、幾つもの視線が2人に注がれる。
「ちょっと場所を変えよう。目立ちすぎてる」
よく見ればセシリアの格好は現代にはとてもそぐわないドレス姿だ。
優はセシリアの手を引いてあまり人の通らない路地に向かう。辿りついたのは小さな公園だった。
遊具の類は何一つなく、狭い土地に木が何本か植えられベンチが一つあるだけの、見るからに寂れた空間。
誰も居ない事を確認してからベンチに座ると、堪えきれないとばかりにセシリアが先を続けた。
『それくらいしないと絶対諦めてくれないんです!』
あまり動じないセシリアにしては酷く感傷的な声だった。
「諦めてくれないって……どういうこと?」
『……。陛下が私を保護するために、あくまで"形式上"婚約しましたよね』
優が必死になって記憶を探すと、確かにそんな一幕があったことを思い出す。
けれど結局セシリアの独断によってわざと拉致され遠い帝国まで連れて行かれたのだ。
『あれが形式上じゃなくなってきてるんです』
セシリアがこの様子なら王子本人か王が望んだのかもしれない。
「でも王子様ってそんなに悪い人じゃなかったような……」
1度だけ、偶然にだけれど、優も行動を共にした事がある。人当たりの良い性格が印象的だった。
『確かに優秀ですよ。魔法も政治も武術も他人よりずっと秀でてます。でもどうしようもないくらい変態なんです!』
変態。普通の状態と違うこと。異常な、または病的な状態。
どう想像しても、あの時の印象とは結びつかない。
『私が帝国から帰ってきた後を優さんは知らないですよね。……とりあえず、聞いてくれませんか」
リストラを告げられたサラリーマンを思わせる神妙な面持ちで頼むセシリアに、いいえとは言えない。
セシリアはあの後、すぐに皇国へ送られることとなった。
無事な姿で戻ってきたどころか、不可侵条約まで取り付けた彼女を誰もが驚きをもって迎えた。
けれど王や王子、母親やロウェルにとてつもない心労をかけていたのは言うまでもなく、その日の内に城の奥、王家だけが使用できる特別な場所で軟禁状態になる。
外に出られるようになったのは1ヶ月も後の事だ。それも完全事前申請制。
護衛が周囲を満遍なく取り囲む厳戒態勢でとても買物や外出を楽しめる状況ではなかった。
こうなったのは自業自得でもあるから、セシリアは大人しく従っていたのだが城の中でただ可愛がられているだけの生活にはすぐに飽きてしまう。
王子はそんなセシリアの元に何度も訪れた。
彼にしても婚約は初めてで、その相手が翌日拉致された等とあっては心を落ち着けていられるはずもない。
子ども心ながらに自分が傍に居て守らねばとおもったのかもしれない。
それからという物、王子のべたつきっぷりはタガが外れる一方だった。
四六時中傍にいてあれこれ世話を焼き、夜ともなれば同じ部屋で賊がこないかを見張る。
セシリアにとっては落ち着かない毎日が始まったのだ。
『成長するに従って、彼も常識を身につけ自然な距離を保つようになりました。……ただし、人前でだけ! 本質的には何も変わっていないどころか悪化してるんです! 他人の前で体裁を保つのだけはやたら上手でボロが出ないの! 最近になって外堀が少しずつ埋められていくし! このままじゃ本当に近い将来結婚させられそうなんです!』
「そ、そんな事が……」
王子の人柄の良さは評判だった。能力も申し分なく未来を期待されている。
けれど、事セシリアの事に関してだけは色々な物が外れてしまうのだ。恐らく、愛ゆえに。
『だから結婚してください。優さんと結婚して子供でも作ればあの馬鹿も諦めると思います』
セシリアは本気だった。本当にそれくらいしないと絶対に諦めない性格なのだ。いや、事によってはそれでも諦めないかもしれない。
とはいえ優もはい分かりましたと頷くわけには行かなかった。セシリアが本気となれば尚更。
恋人の振りをして欲しいくらいまでが優にできる限界といっていい。
どうした物かと悩んだ彼は、ふと妙案を思いつく。
「セシリアも幾つなの?」
『今年で15歳です』
元が小柄なセシリアはもう少し小さく見えるが、どうみても16には達していなさそうだった。
「こっちの世界じゃ女の子が結婚できるのは16歳からだから、もう少し冷静になって方法を考えようよ」
『うぅ……。分かりました。では子どもだけでも』
「やっぱり冷静になって考えようよ! 何か方法はあるはずだって!」
とはいえ、セシリアも少なくない年月の間に対処法を思いつく限り試してきた。
冷たくあしらってみたり、他の誰かに気のある素振りを見せたり。
けれど何一つとして効果がなかった。最善手は本当に好きな人がいると言えればいいのだが、セシリアの好きな人は同じ世界に居ない。
「じゃあ僕がそっちの世界に行って、恋人の振りをする、とかは」
『それが出来れば一番いいのですが、この扉はまだ私しか通れないんです。研究中ですが完成はいつになることか……。もうそんな時間的猶予はありません』
「また猶予がないんだね……」
優はセシリアの運命がつくづく時間に追われているな、と苦笑する。
セシリアはまだぶつぶつと王子の暗鬱たる過去を垂れ流していた。精神的に相当追い詰められている事は想像に難くない。
「何とかしてあげたいけど……」
こればっかりはどうしようも、と続けようとした優の手を、隣のセシリアが救世主を見たかのような哀願の表情で見上げる。
『突然押しかけてきてごめんなさい。私は少しだけ休みが欲しかったんです。……1週間でいいですから、この世界を見て回るのを手伝ってくれませんか?』
街を見て回るのを、優は案内して欲しいと勘違いした。それくらいなら、となんら疑念を抱かずに頷いてみせる。
『ありがとうございます! それから、先に行っておきますね。色々ごめんなさい、それから後は頼みました』
はて、何の事だろうと優が思った瞬間、視界が暗転する。
時間にして数秒ほどだろうか。立ちくらみにも似た感覚からどうにか立ち直ると、優は目の前に優の姿を見つめた。
「えぇぇぇ!?」
驚きから声をあけると、その声色が普段の自分と全く違うことに気付く。同時に、先ほどまで聞いていたものでもあった。
慌てて下を向けば、いつの間にか前時代的なドレスに身を包んでいる。この一瞬で着替えた筈もない。
『実はですね、随分と前に魂をそっくり交換する術を見つけまして。"そうる☆ちぇんじ"と名づけました。そもそも優さんが私を助けてくれたからこんな事になってるんです。責任は優さんにもあると思います!』
「え? えぇ!?」
唐突な逆切れに優はただ驚く事しかできなかった。
『あの馬鹿がどれだけ酷い変態か身をもって知ってください。16歳なら結婚できるというのであれば、私の身体が優さんと結婚できるようになるまでの1年間、向こうの世界をお願いします』
「ちょっと待って! この世界の僕はどうなるの!?」
『御安心ください。私が責任を持って楽しみます。色々と。大丈夫、向こうの世界で1年経つ頃にこちらの世界への扉を開く方法をお教えしますから、安心して楽しんできてください』
全く安心できない、というツッコミをセシリアが聞くはずもない。
『優さんは昔言いました。私を助けるためなら何でもすると』
「言ったよ、言ったけどそれとこれとは!」
『では、お願いします!』
言うが早いが、セシリアの背後に丸い穴が出現する。力でセシリアの身体が優の身体に叶うはずもなく、いとも簡単に押し込められてしまった。
断続的な浮遊感の後、気付けばどこかの部屋の中にぽつんと座っていた。
慌てて立ち上がって周囲や自分の様子を確認するが、どう見ても現代ではなく、まして優の身体でもない。
「洒落にならないって!」
何せ優には7歳から今まで、都合8年分の記憶がないのだ。何も知らず3歳に転移した時も大分苦労したが今回はその比ではない。
「ど、どうしよう」
とにかく今は現状を把握するべきだ。
部屋から出て長い廊下を歩くも、優には自分が今どこに居るのか全然分からない。
当てずっぽうに歩くと階段を見つける。思うままに上がってみると、そこにもまた長い長い廊下が広がっていた。
まるで迷路だ、と優は思った。右も左も同じような景色ばかりで居場所が全く掴めない。
それでもふらふら、夢遊病患者のように歩いていると突然背後から抱きすくめられた。
「あぁ、ここに居たのかいセシリア。君はいつも唐突に居なくなるから心配するじゃないか」
等身が上がって、髪は少し短くなって、顔は子どもらしい可愛さを卒業していたけれど、それは紛れもなく記憶の中にある小さな王子が成長した姿だった。
8年という歳月が作り出した物に、思わず優は呆けて人の成長って凄いなと感心していた。
「おや、今日は静かだね。朝ごはんは食べたかい? それとも体調でも悪いのかな」
しかし王子は、呆けた優の様子をどこか勘違いしたようだった。心配そうに背後から長身を生かして顔を覗き込む様は過保護だが悪い人間には見えない。
どうした物かと考えていると、突然耳を生暖かい感触が這い、細い悲鳴をあげた。
背筋に膨大な怖気が走り本能的に逃れようとするが。背後から腰に回された王子の腕はセシリアの両腕ごとガッチリ押さえつけていて微動だにできない。
首だけを動かして逃れようとしても、王子はまるで逃げる獲物を楽しむかのようにしつこく追いたて何度も弄った。
その度にセシリアの口から悲鳴が漏れる。
優の前言は迅速に撤回された。王子はどうしようもない変態である、と。
『そうだ、もし王子に襲われたら魔法を使って吹き飛ばしちゃってください。その人、大抵のことなら死なないですから』
不意に、脳裏に聞きなれたセシリアの声が聞こえる。
言われるがままに呪文を高速で詠唱した。風がセシリアと王子の間に生まれて両者を吹き飛ばす。
風に指向性を与えたことでセシリアにはそれ程強い風圧が向かなかったが、王子には突風に似た衝撃に襲われたはずだ。
咄嗟の事でまったく加減をしなかったことに若干の後悔を抱きつつも心の中で正当防衛を主張した。
想像による補正がかかった魔法の威力は強力極まりない。
殺すつもりで使ったものでなくとも、壁に叩きつけられ気絶くらいはしただろう。
戦々恐々としながら振り向けば、驚くべき事に何のダメージも受けていない王子がそこに立っていた。
それどころか、
「今日は随分と優しいね。もっとして欲しかったのかな」
朗らかな笑みさえ浮かべていた。
『昔から事あるごとに魔法を使ってたらいつの間にか順応してしまったみたいで……。天性の才能も合わさって攻撃の対処が異常なくらい早いんです』
再び解説の声が聞こえる。
王子に魔法を連発していたセシリアもセシリアだが、それに愛想を尽かすこともなく慕った王子も王子だ。
「さ、今日こそ兼ねてよりの約束を果たそうじゃないか」
「か、兼ねてからの約束?」
勿論そんな約束をした覚えが優にあるはずもなく、唾液に塗れた耳を涙目になりつつも袖で拭いながら聞き返す。
「忘れたとは言わせないよ。魔法で君を越えれば僕のモノになってもいいと言ったのは君じゃないか」
(せ、セシリア!)
なんてことを言ってくれたんだと思わずにはいられなかった。
まるでそれを見越したかのように、また彼女の声が脳裏を掠める。
『ごめんなさいっ! でもそれを言ったのは私が9歳の時なんです! その時はまさかこんなに魔法が使えるようになるとは思わなかったんです!』
想像による補正に追いつけるほどの対処を自力で身につけたのだとしたら、日々の研鑽がどの程度だったのかはとても推し量れない。
が、努力の方向性が間違っているとしか思えなかった。
じりじりと滲み寄る王子に身体が拒否反応を示す。次の瞬間、優は反転して脱兎の如く逃げ出した。
「これを1年とか、無理だから!」
『私の苦労がどれほどか分かりましたか!? 子どもを作ってくれるなら今すぐにでも』
「それも無理っ!」
『じゃあ知りません。後は頑張ってください』
それっきり、声は一言も聞こえなくなった。後ろからは王子が楽しそうに追いすがる。
「よーし、捕まえるぞー」
王子の表情とセシリアの表情はまさに正反対だった。
廊下を駆け抜け、階段を滑り降り、武器が収められている部屋を突っ切る。
しかし土地勘のないセシリアと違って王子は城の構造を熟知しているのだろう。
背後に姿が見えないと訝しんだ所に突然横から現れ再び身体を絡めとられる。
「捕まえた」
語尾に音符マークでも付きそうな程嬉しそうな彼と違って、セシリアは素数の金曜日に姿を現す殺人鬼に追いつかれた哀れな犠牲者のようであった。
今度は正面から抱きとめられる形で壁に押し付けられ逃げ場は無い。背中を撫で上げる指の感覚に、再び悪寒が身体中を駆け巡る。
それでもどうにか身体を引き離そうと背後の壁にもたれかかった瞬間、壁は軋んだ音を立てて開いた。
倒れこむような形で室内に逃れた先では未だ健在の皇国国王と少しばかり成長したフィアが顔を合わせている。
2人とも突然の闖入者に視線を注いでいたが、それがセシリアだと分かるなり手招きする。
「セシリア嬢をお連れ致しました」
凜とした声は先ほど、猫撫で声でセシリアを追い回していた人物と同じとは到底思えない。
呆気にとられて背後を振り返れば王子は紳士然とした態度でセシリアの手を優しく、けれど馴れ馴れしさを感じさせない絶妙の態度で引いて空いている席へとエスコートする。
セシリアの言っていた王子の外面の良さとやらが何なのか、優はここに来てようやく理解した。
「さ、詐欺だ……」
衆目の前では彼は完全無欠の好青年なのである。
一方、現代。
優が会議の場で束の間の安寧に安堵の息を漏らしているころ、セシリアは優となって公園に立っていた。
瞳は真剣そのもので、今はもう消えてしまった穴をじっと見つめている。
「王子の対応は慣れてしまえばどうにかなりますから。それに、多少……いえ、相当気持ち悪い事はされるかもしれませんが、身体にまでは手を出しませんし」
勿論優には伝わっていない。下手にほだされて王子をその気にさせるわけにもいかないので、適度に緊張感を持ちつつ適度に懲らしめてくれるには何も知らない方がいいだろう。
「色々と、ごめんなさい」
切なげに誰にも聞こえない言葉を漏らす。やがてセシリアは虚空を見つめ続ける事を止めて、公園の出口に向かって歩き出す。
優をセシリアの世界にセシリアとして送り込んだのは、現世にセシリアが優として存在する為だった。
全てはとある目的の為に。
「今度は私が貴方を助けます」
小さな決意は、やはり誰にも拾われることはなかった。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
これにて果ての世界では一応の完結となります。
感想に励まされ感想に励まされ感想に励まされここまで辿りつく事が出来ました。
主人公は開始時点3歳、成長して6歳、途中さらに成長して7歳、そろそろ8歳という感じです。
年齢をどこかで引き上げようかとずっと考えていましたが結局最後まで成長させるタイミングが思いつかず、変わらず突き進む形に。
感想、誤字報告、矛盾点の指摘をして頂いた方々には心よりの感謝を。
最終的にこのような形にすることができました。
序盤の一人称部分や後半の伏線に当たる部分とか甘い部分が多いので全部まとめて改稿予定です。
王国にいた転生者のエピソードやらをこそっと出そうと思います。
着地点が定まったので調整できるところは沢山ありそうです。
王子キャラの使い道は登場時点からこの路線でした!
ずっと続けていた果ての世界でと現世の魔法使いが完結しましたので別作品を書き始めました。
ありふれているジャンルではありますがVRMMO異世界トリップ物です。
別連載中のが重いTSなのでもっと軽いTSを書こうと。
名前を『World's end online』にしたのですが、名前通り果ての世界の登場人物の設定を一部流用しています。
内容としては突然異世界にトリップしてしまったプレイヤーが生活基盤を作るお話です。
魔物を狩るもよし、現代の知識を活かすもよし。
とはいえ一筋縄では行かない事も色々出てきて、廃人な主人公が奔走します。
宜しければこちらもどうぞ。
現代編のネタも考えてはいるのですが、案がまとまるまでまだまだかかりそうですので、
物語として書けそうなレベルになればナンバリングして連載するかもしれません。
いずれにしても、まずは新連載と連載中の2本をメインに書いていければと思います。
ここまでの御拝読ありがとうございました!




