エゴイズム
気分を損なわれる恐れがあります。ご注意ください
私を好きになってくれた人よ。
どうか、私を嫌ってほしい。
私は、あなたたちが思っているような人間ではないのだ。
私は、ひどくおろかで、身勝手な人間なのだ。
私は、私という存在が、他人から嫌われるのを、ひどくおそれているのだ。
だから、私は、優しい人のふりをする。
だから、私は、善良な人のふりをする。
すべて、私のため。私という、存在のため。
私は、エゴイスト。
他人のために、気遣うふりをしているだけなのだ。
そんな風に、思ってみているだけなのだ。
実際は、自分がかわいいだけなのだ。
みんなから、好かれたいために、そのようにふるまっているだけなのだ。
だから、私を好いてくれる人よ。
私を嫌ってくれ。
私を憎んでくれ。
私を叱ってくれ。
そんな風に、生きてはならぬと。
そんな風に、生きることは許されぬと。
叱り、憎み、嫌ってくれ。
私の存在を許さないでくれ。
さもなくば、私は、私を憎み続ける。
エゴイストな自分を、私は愛せないのだ。
いや、愛せないと思い込んでいるのだ。
そして、そんな自分と葛藤しているように思わせて、汚い自分をごまかしているのだ。
こんな自分は嫌だといって、皆に嫌われるであろう自分の部分を否定して、嫌われるのを回避しているのだ。
私は、そんな人間なのだ。
わかっていただけただろうか。
私は、あなたたちが思っているほど、優しい人間ではない。
私は、あなたたちが思っているほど、素晴らしい人間ではない。
私は、醜いのだ。
私は、愚かなのだ。
私は、最低な人間なのだ。
だから、私を嫌ってくれ。
あなたたちが、私に絶望する前に。
あなたたちが、私という存在で、傷つく前に。
どうか、私を憎み、嫌ってくれ。
どうか、私を好きにならないでくれ。
そして、今、私があなたたちを傷つけたくないという気持ちが。
今の、私の本当の気持ちでありますように。
そう、祈ることを許してくれ。




