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ロスト・フラグメント(5)
『コタエヲ』
視界を埋めた闇の中に声が響く。
「答え?」
『護る力が欲しいか?』
片言ではない聞き慣れすぎた声。
宵闇の眼前に、鏡写しのごとく宵闇が立っていた。
「!」
『俺は決断を問う。』
“宵闇”は口を開く。
『あらゆる物を護る力は時に望む結果を生むが、時に望まぬ悲劇も呼ぶ。
それを持つ意志はお前にあるか?』
「ある」
なぜかは分からない。
自分でも驚く程の即答だった。
二対の視線が交錯する。
『ならば共に』
“宵闇”が呟いた直後、足元が裂けた。黒い光は宵闇にまとわりついて姿を消し、浮遊感が体を襲う。
パァン!と、何かが破裂する音が遠くで聞こえた。




