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Lost fragment ーロスト・フラグメントー  作者: Konori
第1章 翼島編(1)
19/23

ロスト・フラグメント(3)

「!?  おい!」

慌てて走り寄る宵闇をリークは制止する。


「触るな!

この・・・場所の影響で身体に掛けていた術が解けただけだ。

お前、先に行け」

「ンなことできるか!すげぇ苦しそうじゃねえかよ!」


怒鳴って肩を貸そうとするが、気遣われた方は苛立ったように自分で立ち上がった。


「先ほどまで私に向けていた敵意はどうした。青毛が心配する訳だ」

「休戦っつったろ。

そー言うの放っとけねぇタチなんだよ。

って、・・お前!?」

言葉を失った宵闇を翡翠の眼が睨みつける。


「じろじろ見るな。」


背が低くなっている分、下から見上げられる状態で更に怖い。


(見るななんて無理だろ)

そう心の中で突っ込んでおく。


リークは、服装・髪型・雰囲気はそのままに

性別が変わっていた。

特別大きくはないがはっきりと胸が出ており体つきが丸い。


「フィレットと言い、お前と言い、幻将ってのは姿変える決まりでもあるのか? 」


「決まりなどないが珍しくもない。

半数が何らかの必要があって姿を偽っている」


戸惑い混じりの問いに、溜息混じりの答えが返される。

「翼島は、この剣を使える男が代々幻将から王になる慣習があり、兄は剣との波長が合わなかった。

父は次の子に男を希望したが、産まれたのは女だったと言うだけの話だ。


骨格や筋肉も変化させているから、運動能力も多少上がるしな」


事も無げに言い切って他言するなと念を押すと、宵闇に背をむけて歩き始めた。


(慣習って、そんな簡単に納得できることか?)


そんな事を思ったが、リークの背はそれ以上の詮索を拒否するような空気を纏っていた。


僅かな明かりが灯された石室。静寂の中で紫の瞳が開かれる。

「置いてきぼりってのも暇で寂しいもんだな。あいつら何処まで奥に行ったんだか」


起き上がって少し乱れた髪を解いて結び直し、横に置いておいた短刀や小瓶、針などが並ぶベルトを腰に巻いて位置を確かめる。


「外の奴らがまた増えやがったか・・

入って来れねぇのが救いだが、放っとくしかできねぇのもちょっと悔しいな」


不満と諦めの混じった息を吐き、遺跡の入り口の方へと意識を向ける。

実際には見えないが、すぐ外に得体の知れない敵意が増え続けていた。

10や20ではきかない様子に、ラグの顔に焦りが混じる。


(このまま増えると厄介だ・・2人とも、早く帰ってきてくれよ?)

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