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Lost fragment ーロスト・フラグメントー  作者: Konori
第1章 翼島編(1)
13/23

幻将(3)

ガッ!

ガガガガガッ!!


激しい音が再戦開始の合図になった。


白い姿を切り裂くはずだった宵闇の線が、全て何かに弾かれる。


(なんだ?一本も届いてねぇ!)

弾かれた辺りには僅かに白い半透明のかけらが散っていた。

嫌な予感に従って横に飛ぶと、後れ髪が数本何も無い所で千切れ舞う。

「おわっ!?」


更に場所を移し続けると、ガラスが割れる様な音が付いて来た。


(これがフィレットの言ってたやつか)


なら・・


逃げまわりながらリークに近づいていく。

動く早さは少し相手が早い程度。

今追いかけて来ている鬱陶しい不可視の攻撃も、周囲に張り巡らせた線で何とか位置を把握できる。


(これは多分範囲効果の飛び道具みたいなもんだ・・

だったら近すぎると使えねぇはず!)


そのまま移動し、体の周囲に線を展開して防御を堅めつつ距離を詰めていく。

見えた相手の表情は、驚愕。しかしそれは一瞬で険しい顔へと戻った。


「なめるなぁっ!」


ギイッ!!

軋む音と共に白と黒、二つの影が交差する。


リークの方は数本白銀の髪が舞い、頬に短く赤い線が走った。

だが、それだけ。


「本気で勝てると思っていたのか?愚か者」

「・・・・っ」


宵闇は応える事ができなかった。

骨近くまで抉れた肩と腿から流れる血が、ボタボタと音を立てて足元に血だまりを作る。


「・・くそ・・!」


断言するが甘く見た訳じゃない。

一撃を狙って近づくと同時に、何かされても大丈夫なようにしていた。


宵闇の線は攻守両用。

元々自らの精神力と体力から形作っている、言わば常時固形化した魔術のようなものであり、一本だけでも並の刃物なら弾けるぐらいの丈夫さを持っている。


何重にも重ねて身を守れば、剣撃にも魔術にも相当の防御力を持つはずが、気付いた時には大怪我を負わされていたのだ。


「・・っう・・!」

下がろうとするが思った以上に足に力が入らない。


「流石あの男が使おうとしただけはある。

だがそれ故に厄介だ。

恨んでくれて構わない」

息を荒くして睨む宵闇に、リークがゆっくりと、血の付いていない刃を向けた。


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