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8話 動物は怖いよ

アへナが整った見た目なのは認めよう。

だけどかわいいとか言う前にイマジナリー扱いしたのを謝ってくれよ。

アへナも褒められて嬉しそうだけどさ。


「疑ってごめんな」


鉄真が謝ってくれた。

この子は本当にいい子だな。


「そういや何でここに来たんだ?」


鉄真に言われて思い出した。

ここには武器を作ってもらいに来たんだった。


「狩りに行くから武器を作って貰いに来たんだよ」


「確かに素手はグロいからな」


「そうだよな!そう思うよな!」


まさかここまで常識があるとは…鉄真とは仲良くなれそうだな。

俺が鉄真と話しているとアへナが俺をじっと見てる気がする。


「どしたのアへナ?」


影葉がアへナに聞いてる。

聞いてくれてありがとう、あいつは俺の心を読めるから怖いんだよ。


「モノの心の声が聞こえないから何を考えてんだろって」


ん?聞こえない?


「いやいや、お前聞こえるって言ってたじゃんか」


そう言うとアへナは首を横に振った。


「今はモノの中に居ないから聞こえないよ。ちなみに私だけ図書館にいる時も聞こえないから」


なるほど、なら戦いの時以外はアへナを外に出してた方が良いんじゃないか?

脳内にうるさい声が響くことも無くなるし…


「炎華、影葉、あれはモノが失礼な事を考えてる時の顔だよ」


「「へー」」


ほんとに心の声は聞こえてないんだよな?


「で?どんな武器にするんだ?」


そうだった、武器を作りに来たんだ。


「うーん…何がいいだろ。アへナ、良さそうなのないか?」


そう聞くとアへナは炎華と影葉に向かって、


「モノは私を便利な物扱いしてる気がしない?」


と聞いた。

仲いい人ができて嬉しいのは分かるけど俺の評判を落とさないでくれ。


「いいから、この世界で作れるいい武器はないか?」


「刀」


「それ俺に使いこなせるのか?」


そう言うとアへナに呆れた目で見られた。


「練習したらね」


物凄い正論で返された。

そうだよな、練習しないと無理だよな。


「じゃあモノついてきて」


「俺も?」


「すぐ終わるから」


鉄真に連れて行かれた。

アへナを放置するのは心配だけど二人が見てるし大丈夫だろ。

いや、影葉はともかく炎華は常識ない側だな…やっぱ心配だ。

モノと鉄真が藁の建物に入ったのを見た後影葉はアへナに問いかけた。


「なんで刀にしたの?」


「この前見た本に書いてあったから」


「それだけ?」


「うん」


影葉は残念そうにする。


(刀が似合うだろうな、とかでもないんだ…これはラブコメにはならないかもね…)


「影葉?またラブコメに結びつけようとしてますか?」


「うん」


影葉はラブコメが大好きな娘であった。

人の恋を見るのが好きなのだが自分が好かれると言った事は考えていない。

髪型は肩に届くくらいの長さで後ろ髪が外に軽くハネている。髪と目の色は紫色。

容姿は整っているのでモテる側なのだろうが自分が恋することは考えないらしい。

ちなみに炎華は髪色がオレンジのポニーテールでこちらも容姿は整っている。


「ラブコメって…確かにモノは私のことが好きだろうけど」


「アへナちゃんも何を根拠に言ってるんですか?」


この二人の相手は大変だな、と炎華は思った。

これを幼馴染である鉄真がいる前で口に出していたらお前の相手も大変だからな、と言われていただろう。

しばらくしてモノだけが戻ってくる。


「アへナが迷惑かけなかったか?」


「なんで第一声がそれなの?」


アへナが騒ぎ出す。


「何してたんですか?」


「俺の体に合った武器にするからって身長とか測ってきた」


「その前になんで私が迷惑かける前提なの?」


アへナにはちょっと黙って欲しい。

楽しく話せてるしこの流れのまま魔物狩りに行かないで良くならないかな。


「そういえば魔物狩りに行かないの?」


何言ってんだアへナ!


「そうでしたね。そろそろ行きますか」


「なんでモノは嫌そうな顔をしてるの?」


「分かって言ってるだろお前。素手で殺すの嫌なんだよ」


女の子3人に呆れた目で見られたけど俺がおかしいの?

俺の知り合いの女は全員どうなってんだ。


「暇だし私も行くよ」


影葉も行くと言いモノ、アへナ、炎華、影葉で魔物狩りに行くことが決定した。

金棒を持ってる炎華はともかくなんで素手の二人もこんなにノリノリなの?

素手はグロいって言ってるのに。




「もう嫌…血で汚れた…」


「だから言ったろ」


騒いでるアへナはこうなることが予測できなかったのかな?

素手の間合いにいたら血が飛び散るのは当たり前だろ。


「ねぇモノ?逃げながら人を馬鹿にする余裕があるの?」


うるさいな立ち向かったら死ぬだろ。

アへナのサポートもないのに勝てると思うなよ。


「モノさん頑張ってください!」


炎華のやつ危なくなったら助けるって言ってたよな。

馬鹿なの?今が危ない時なんだけど。

応援よりも加勢してくれ。


「モノは私のサポートがないと戦えないからね。皆でモノがどう切り抜けるか見守ろ」


あいつなにふざけた事抜かしてんだ。

俺が死んだらお前も死ぬだろ。


「あのさモノ。私なしでも牛相手には勝てると思うよ。余裕で逃げれてるし」


「勝てる勝てないじゃなくて怖いの。しかもその勝てるってある程度の怪我前提だろ?」


「当たり前じゃん」


無理だよ。怪我したら痛いよ。

全力で森の中を逃げ回ってるが体力が尽きたら死ぬ。


「あれに比べてアへナちゃんは凄いですね。魔物の攻撃を全部避けてあっさり倒してるんですから」


「返り血は予測できなかったけどね」


「油断しただけ」


仲間がピンチなのによく談笑できるな。俺に死ねって言ってんのか?ていうか炎華あれ呼ばわりした?


「なんか見てるのも飽きてきましたね」


「なら助けてくれ」


「私たちももう一狩り行きますか」


「そうだね」


「え?無視?」


無視された…え?マジでどっか行くの?俺ほんとに死んじゃうよ?

アへナがこっち見た。さすが相棒助けてくれるのか。

アへナは手を振り去っていった。

あまりの衝撃に足がもつれた。


「うべっ!」


顔面からこけた。

牛が迫ってくる。

突進してきた牛に上に吹き飛ばされた。

痛…くない!魔力凄え!

いや、やっぱ痛いな。ジンジンする。

着地して牛を蹴る。

なんか嫌な感触だ。凄く綺麗に蹴りが決まった気がする。


「痛!」


牛に押された。

怒ってるな…あれ?なんか凄い腹が痛い。変なもんでも食べたか?

視線を腹に向けると穴が空いてた。


「え…?」


牛を見ると角に血がついてる。

なるほど…あの角に刺されたのか。

再生はできないな…魔力が無くなったら動けなくなる。

冷静に見えるだろ?実際冷静なんだよ。魔力纏ってるおかげでそんな痛くないんだ。

試しに魔力を纏うのをやめてみた。

激痛だった。魔力はある程度、痛みも抑えるらしい。


「ほんとに嫌だけど…!素手でやるか…」


アへナの言う通りこの牛は勝てない相手じゃない。油断しなければ普通に痛いで済む程度だ。

でも怖い。闘牛と戦うとか怖いよ。しかも腹に穴空いてんだぜ。

迫ってくる牛にカウンターで殴り、また殴るそして殴る。



そしてしばらく殴ってたら殺せた。

この感覚だけは慣れる気がしない。

今回は能力が発動しないようで力は増さなかった。

体中の傷と腹の穴を再生させる。

魔力をかなり消耗したようで軽い頭痛と目眩がする。

3人が戻ってきた。


「やっぱ余裕で倒せるじゃん」


「余裕じゃねぇよ。腹に穴空いたわ」


「かすり傷じゃん」


アへナの言葉に二人も頷いてるけど腹に穴って普通に死ねるからな。


「とりあえずモノさんが使い物にならないって事が分かりました」


「そうだね」


こいつらは人間に何を求めてるんだよ。

俺は凄い方だと思うけどな、普通は牛とか虎に立ち向かえないから。


「武器ができるまで師匠のとこに預けましょうか」


「賛成」


「「師匠?」」


俺とアへナの知らない人だ。

ていうか何で俺は戦わないといけないの?

ここで暮らす前提で話が進んでるけどさ。

行く場所もないから良いんだけど、一応聞くとかしてくれないかな。


「師匠は白兵戦の師匠と魔法の師匠がいるんですよ。生きてる鬼の中では多分最強の二人です」


「修行ってやつだね!私師匠が欲しかったんだ!」


アへナは何の本に影響を受けたんだろうな。

あいつ実戦経験ほぼ0な癖に情報の力でかなり強いからな。

俺の能力なのに…


「じゃあ今から行きますよ」


「今から…」


「はい、行くよ」


3人が歩き始めたのでふらふらする体で必死について行った。


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