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5話 道具なしでサバイバル

立ち上がろうとしてふらつく。

目眩もする。


「おいコラ…何がかすり傷だよ…」


(死んでないから大丈夫だよ)


「血溜まりができるほど血が出てたらかすり傷とは言わねぇよ」


既に血は止まっているが真面目にヤバい。

死ぬわけではないだろうがふらふらする。


(さっき再生を覚えれば良かったのに)


「あの短時間で覚えれたら苦労しねぇよ…」


腹も減ってるし何かを食べて回復しないと、そう思った時に殺した虎が目に入る。

あんま食べるイメージ無いけど肉は肉だよな…


「アへナ、火の起こし方を…」


(棒をこすればいいんじゃない?)


「そうじゃなくて魔法とかないのか」


(えー…もう、何でさっき覚えなかったの?)


「お前はどんだけ詰め込ます気なんだよ」


アへナが図書館に情報を見に行ってる間に虎の解体をすることにした。

殺した瞬間の映像がフラッシュバックする…ヤバいほんとに吐きそう。

我慢して解体しようとして気付く。


「解体も素手…?」


トラウマになりそうと思いながら素手で肉を…グロいなこれ。

何で異世界で魔法も道具も使わずサバイバルしてるんだよ。

原始時代でも道具は使うだろうに…

血が足りないし映像はグロいし…どんどん気分が沈んでくる。


(ただいまモノ。簡単な火魔法の使い方は火がつくイメージをすればできるって)


「それってわざわざ本を見に行く必要があったか?」


そんなに難しい事じゃなかったので思わず聞いてしまった。


(確認って大事だから)


正しい事を言ってるようで凄い腹立つな。

とりあえず火がつくイメージをしてみる。


(魔力を認識できてたらすぐできるっぽいから頑張って)


素直に応援してくれてるのは嬉しいのだが、何か腹立つんだよな。


(失礼だよ。こんな美少女相手に)


「かわいいってのは認めるから少し静かにしてくれ」


そう言うとアへナの声量が上がった。


(え!モノは私のことかわいいって思ってたんだ!)


「おい、聞いてたか?静かにしろって言ったんだよ」


(確かに私の整った美貌!艶のある黒髪!好きになるのは仕方ないね!)


「誰もそこまでは言ってないから黙れ」


勝手に盛り上がってる馬鹿に言ってやったら、むぅーとか言いながら静かになった。

馬鹿の相手をしたせいで頭痛までしてきた。

しばらく頑張っていると指先に火が出た。


「出た!」


(油断すると指が焦げるよ)


急いで火を移して火を消そうとする。


「アへナ…この火はどうやって消すんだ?」


(消すイメージをすれば?)


言われた通りに消すイメージをするがなかなか消えない。


「全然消えないんだけど」


(想像力が足りないんだよ。火をどうやって消すかイメージしないと)


こんなしんどいのにまだ飯は食えないのかよ…

これなら普通に棒を使ったほうが速かったかもしれない。

これにも時間がかかりどうにか火を消すことができた。

消すのに集中しすぎて魔力を纏うのが疎かになり指先をちょっと火傷したけど。

やっと肉を焼いて食べれた。


「あんま美味しくないな…」


(当たり前でしょ)


「いつか美味しい物が食べたいな…」


(私いい肉にタレつけて食べたい)


「なんで今そういうこと言ったんだよ」


なんで焼いただけの肉しか食えない相手にタレの話をしたんだ?嫌がらせか?

駄目だ、こいつがタレとか言い出したからめちゃくちゃタレが欲しくなってきた。


(そもそも、この世界の調味料にタレってあるのかな?)


「知らないのかよ」


(気になるなら図書館で調べてこようか?)


「……いや、別にいい」


気になるが今すぐ手にはいる訳ではないので調べるのは今度にしよう。




食べ終わったので探検をしようと思う。

そう思い立ち上がり自分の取れた耳が目に入る。

そこで疑問に思ったことをアへナに聞く。


「再生って生えてくるの?それとも取れた部分をくっつける感じなの?」


(えっと…確か生えてくるはず。でもその分、魔力を使うってなってたかな)


じゃああの耳を持っていかなくていい訳だ。

ほんとに良かった。


(捨てていくのもどうかと思うけどね)


「拾わないからな」


(なら動物にでもあげたら?)


「どうしてそうなった?」


俺の耳は餌じゃねぇよ。

アへナとそんな話をしながら森を歩いた。

しばらく歩いたが魔物は見当たらなかった。

ちなみに魔物とは魔力がある生物のことで人間も含まれるが基本的には人間以外が当てはまるらしい。

アへナには動物みたいな意味合いと言われた。

じゃあ動物でいいじゃん、と思ったがアへナが言うには


(動物じゃ危険性が伝わらないんでしょ)


とのことだ。

なら人間以外の魔物は危険なのか、と言ったら


(そんなことはないと思うよ)


とか言われた。

要は魔物にも危険な奴と安全な奴がいるんだろう。

ふと思ったがこれってアへナが優秀な訳じゃなくて図書館が優秀なんじゃないだろうか。


(優秀と馬鹿のハイブリッドである私から優秀を抜いたらただの馬鹿じゃん)


「そう言ってるんだよ」


(敵の前で図書館に引っ張ってやろうか?)


結構怖い脅しを受けたので馬鹿にしすぎるのはやめよう。

一応は役に立ってる訳だしな。

その時アへナが敵の気配を察知する。


(ねぇ、モノ。何か居るよ)


そう言われて周りを見渡すが何も見当たらない。

さっき馬鹿にしたから仕返しに脅かそうとしてるのか?


(いいから魔力纏って)


言われた通りに魔力を纏っておく。

にしても本当に魔物がいない。

あの虎が珍しかっただけなのだろうか。


(もしかしたら誰かが魔物を狩ってるのかもね)


ラッキーかと思ったが狩ってるのが更に危険な魔物だったら余計に危なくなってるのか。


(気をつけてねモノ。私の予測は単純な思考の生物にしか使えないから)


ってことは戦いによっては本物の役立たずになるわけだ。

アへナの予測は敵や周囲の情報を読み取っているため単純な相手ほど予測しやすいらしい。

説明されたけど普通のことしか言ってないな。

単純な相手ほど予測しやすいって当たり前だろ。

だけどアへナの場合は能力の超常·情報によって情報の認識が上手いので予測も正確って言われた。

やっぱりこいつはそんなに優秀じゃないのかも。

もちろん虎の時は助かったけどな。

音がした。


「何か居たか?」


(さっき言ったじゃん)


さっきは何も見当たらなかったけど今のは音が聞こえるくらいに近くにいる。


「怖い」


(索敵できないなら大人しく魔力を纏ってて)


アへナが優秀に見える。


(実際に優秀だからね)


アへナが索敵してくれるらしいので周りを見渡す。

何も居ない。

音も聞こえなくなった。


「アへナ、もう大丈夫じゃないか?」


(ちょっと黙ってて)


「あっ、はい」


こいつ、俺が黙ってって言ったのを根に持ってたな。

アへナが索敵を続けているが暇である。

空気読めてないかも知れないけど俺にはどうなってるか分かんないからな。

ていうか見つけられないってことは相手が隠れてるかどっかに行ったかだからもしかしたら俺が狙われてるのか。

索敵してくれてるアへナには感謝だな。


(伏せて!)


「え?」


のんびりしてたら急に言われた。

その指示に反応できずに俺は何かに殴り飛ばされた。

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