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4話 かすり傷?

図書館に意識が移動した。


「俺の肉体放置してたら失血死しました、とかならないよな」


いきなりアへナに引っ張られたので不安があった。

血の匂いで他の獣が寄ってきたとかになっても洒落にならない。


「どうせ動けないんだから考えても仕方ないでしょ。それにあの程度のかすり傷じゃ死なないって」


こいつの言う事は基本的に正論だ。

だからこそ腹が立つ。


「かすり傷って耳がとれて脇腹をやられてるんだけど」


言い返すとアへナは呆れたように首を振りながら


「はぁ…これだから温室育ちは」


こいつの仕草がムカつくので一発殴ることを決定した。


「普通は耳が取れるのをかすり傷とは言わないんだよ」


「再生魔法で治る範囲はかすり傷でしょ?」


「お前のほうが世間知らずじゃねぇか」


「異世界では常識だもーん」


やっぱり殴るのは2発にしようと思ったがほんとに常識だった場合が困る。

確認できる相手が居ないことが残念だ。

それは置いといてさっきの分の一発殴るか。

拳を軽く握りしめる。


「ちょっと!暴力反対!」


アへナが騒ぎ出したがとりあえず軽く拳骨をする。


「硬って!」


今なにを殴った?鉄でも殴ったか?


「魔力も纏えない癖に調子に乗るから」


怒りに任せてもう一発。


「痛い!」


今度は大した強度はなかったな。

アへナを見ると涙目になっている。


「そ…そう!これが魔力を操作して纏う技術よ!」


多分今は纏ってないんだろうな。

ならもう一発…


「もう纏ったから」


「チッ」


「え?舌打ち?」


ちょっと満足したので大人しく学ぶことにする。


「それどうやるんだよ?」


「殴ってきた癖に図々しいね」


「はいはい、悪かった悪かった。教えてくださいアへナさん」


「頼み方知ってる?」


頭を下げながらさっきと同じセリフを言う。


「そうじゃなくて、言葉に感情がこもってないんだけど」


「面倒と言う気持ちはこもってる」


頭を下げたまま言うと後頭部に何かが当たった。

やり過ぎたか?と思って顔をあげるとアへナが本を投げてきていた。


「その本に書いてあるから勝手に学んで」


「司書が本を投げていいのかよ」


「司書?ああ、そうだったね。まぁいいんじゃない?」


お礼を言おうとしたらアへナが変なことを言った。


「そうだったねって最初にお前が司書って言ったよな」


「司書って言うかずっとここに居るからね」


「ずっとっていつから?」


「半年くらい前に生まれた時から。モノが来るまでは外の様子も見れなかったし、本を読んだりその技術を試すくらいしかすることがなかったんだよ」


半年前に生まれたと言うのは信じられなかった。

アへナの見た目は高校生くらいだ。

いや、謎があるのは俺も同じか。


「速く読みなよ。血の匂いで敵が寄ってくるかもよ」


「分かってるよ」


本を開いて読み始める。

これって教科書みたいな感じなんだ…。

分かりやすいけど出来るかは別だな。


「その程度もできないの?」


「ちょい静かにしてくれる?」


読みながら答えるとアへナは頬を膨らませながら本を取りに行った。

頬を膨らませるって素でやってんのか?

ちょっと集中が切れそうになった。




15分後

体内にある魔力ってなんだよ。

そんな訳の分からんもの操作できる訳ないだろ。

読んだ直後はそう思っていたがそれっぽいものは分かった。

教科書通りに行くとまずは動かせたらいいらしい。

できてるかよく分からない…

アへナは本を読みながらチラチラ見てくるし、合ってるのかも分からない。


「アへナ、言いたいことがあるなら言ってくれ?チラチラ見られると失敗してるかもって怖いから」


そう言ったらアへナは黙ったまま反対側を向いた。


「おい、お前まさか静かにしろって言ったのまだ気にしてんのか?」


「………」


「え、めんどくさ」


はっきり言ったらアへナがこっちを睨んできた。


「これだから…女を殴って黙らせて挙句の果てにめんどくさい、どんな教育を…」


「凄い綺麗にまとめたな、おい。なに微妙に切り抜いてんだ」


そこだけ聞いたら俺がヤバい奴みたいになる。

あいつが嘘を言ってないのがたちが悪い。


「今のに嘘がない時点で十分ヤバい奴だよ」


正論って腹立つな。

そんな会話を繰り広げた後このムカつく女に指導を受けある程度できるようになった。

これで魔力を纏われようが大丈夫だ。


「また殴る気?」


「お前次第だな」


教え方は上手かったからしばらく殴るような事にはならないと思うけどな。

そう思ったがすぐに思い直す。

いや、こいつは優秀と馬鹿のハイブリッドだからな…案外すぐに殴りたくなるかもしれない。


「優秀と馬鹿のハイブリッドってどういう意味?」


「そのままだろ」


「え?」


こいつ自覚ないのか?

優秀な自覚がないのか馬鹿の自覚がないのか、まぁ確実に馬鹿の自覚がないのだろう。


「こんだけ助けてるのにモノって私の事を舐めてるよね?」


「舐めてない。ちゃんと優秀とも言っただろ」


同時に馬鹿かこいつとも思ってるけどな。


「モノはアホとバカのハイブリッドだね」


「どこが?」


「そのままよ」


「は?」


アへナとは出会ってそんな経ってないし俺の事を理解できてないんだろうな。


「モノはアホの自覚がないの?それともバカの自覚がないの?」


「どっちもだよ」


アへナにマジで驚いた目で見られたがそろそろ毒の効果も消えただろうから戻ることにした。

アへナも後ろをついてくる。


「なんだよ」


「図書館にいたらモノの様子見れないじゃん」


「ちなみに俺の方でお前が見るのを拒否はできないのか?」


「できないよ」


プライバシーがないことにビックリだが不意打ちされた時とかにいないと困るのでギリギリよしとしよう。

肉体に戻ってきた。

起き上がって周りを見てみた。

凄い血溜まりができている。

物凄くふらふらするから多分血が足りないな。

何がかすり傷だよ。

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