表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/17

14話 戦闘と逃走

悪魔は治した手で殴りかかる。

炎華はそれを空いた右手で受け流す。

と同時に金棒で殴りかかる。


(消えた…!)


炎華の視界から悪魔が消える。

索敵では捉えていたが炎華の脳は目からの情報を優先した。

悪魔は攻撃を下に避け炎華の足を攻撃する。

バランスを崩した炎華に追撃を仕掛ける。

炎華は金棒を地面に突き追撃を回避する。


(この悪魔とは相性が悪いですね。熱や火に耐性があるみたいですし)


炎華は戦闘中ずっと熱を放っていたが悪魔はそれを気にせず戦っている。

炎華は金棒を握りしめ殴りかかる。

と同時に右手と左足が爆発する。

それにより炎華は倒れる。

炎華は気付かなかったが攻撃を受けた箇所には魔法が設置されていた。

戦闘に集中していた炎華は自身の纏っている魔力と敵の魔力の違いに気付けない。

右手と左足の欠損を炎華は再生していく。

炎華の再生速度は明らかに遅くなっていた。

悪魔が追撃を仕掛ける。

炎華が再生を中断して魔法を放つ。


日輪灼光(にちりんしゃっこう)


周囲に凄まじい熱を放つその技は悪魔の動きを鈍らせた。

炎華は魔法を放ちながら転がり追撃を回避する。

再生を再開して炎華は立ち上がる。


「自分でやったとはいえ汗でベトベトですね。泥もついてますし、後で着替えないといけません…」


汗でべっとりと引っ付いた服を触りながら炎華がぼやく。

炎華が服のほうを見た隙をついて悪魔が攻撃を仕掛ける。

炎華がとっさに金棒で悪魔の拳と打ち合う。


「急に来ないでください」


「戦闘中に何言ってんだ」


悪魔は打ち合った状態から魔法を使った。


獄炎(ごくえん)


暗い赤色の炎が悪魔の拳から放たれる。

瞬時に炎華は後ろに跳び距離を取る。


「危なかった……服が燃えるとこでした」


炎華の言葉を気にせずに悪魔が喋る。


「この魔法が出た瞬間に避けたが知ってたのか?」


「もちろんです。悪魔専用の魔法、師匠に教わりました。今のは消えない炎でしょう?」


「発動者の意思で消せるけどな」


「冬とか便利なんじゃないですか?」


「魔力を消費し続けるから長い時間は疲れる」


悪魔と炎華は楽しく話しているが警戒は全く解いていない。

索敵も続けている。

その頃、モノは全力で逃げていた。


「今あっちの方で何か崩れませんでした?」


「あれは震音(しおん)さんだな。さっきもいた褐色の女の人で衝撃の能力持ってたはず。強いからお前の仲間が心配だ」


炎華は自分の索敵範囲外なので震音の事など視えていない。

それにより炎華はちょっと不服そうに目を細めて悪魔に聞いた。


「視えてるんですか?」


「視えてないけど、あれほどの規模の技を出せるのは震音さんしかいないから。音も凄かったし」


悪魔がそう言うと炎華は明らかにご機嫌になった。


「じゃあそろそろ戦いますか。喋ってる場合ではありませんから」


何故か弾んだ声を出す炎華を見ながら悪魔は思った。


(この子すごい面白いな。コロコロ機嫌が変わるしさっきから服を気にしてる……今は一応戦闘中なのに)


悪魔がそんな事を考えていると炎華が攻撃をしてくる。

それを避けながら悪魔は質問する。


「名前は?」


「炎華です。あなたは?」


炎牙(えんが)だ。よろしくな」


炎牙が炎華の攻撃を受け流し、足を引っ掛けて転がす。


「このっ…!」


炎華が立ち上がろうとしたタイミングで右足が爆発する。

炎牙が笑いながら言う。


「やめとけ。両手両足に付与したんだ。だるまになるぞ」


今度は機嫌が悪くなった炎華がむすっとした顔で言う。


「殺さないんですか?」


「殺そうとしたら化物二人が飛んでくるだろ。悪魔に残された道は逃げるか協力かしかなかったんだよ」


炎牙は魔法の解除を始める。


「そこまで分かってて戦いを始めるとは馬鹿ですね」


炎華は炎牙を呆れた目で見る。


「そうだな。とりあえず魔法の解除は終わったから立っていいぞ」


炎華は立ち上がって炎牙に殴りかかる。

それを炎牙は避ける。


「お前何してんだ!負けを認めた雰囲気だったろ!」


「認めてませんよ!戦闘中に魔法を解除するとは馬鹿ですね!」


こうして一つの戦闘が終わった。






影葉は逃げていた。


「何で私だけ相手が二人なの?」


その質問は誰にも届かない。

少し離れたところに雷が落ちる。


「モノと炎華のところよりは弱い相手なのかも知れないけど二人はきついなー」


影葉は魔力を隠し気配を限界まで抑え隠れている。


「分身を囮にしようか」


二人を相手にした時点で影葉はモノと同じく逃走を選んでいる。

分身を作り本体は潜伏させたまま意識を移す。

分身は少し離れた位置に移動して隠れるのをやめる。

そのまま師匠がいる所と反対方向に走り出す。


「なんかこの辺、地面がドロドロだ」


そんな事を考えていると息ができなくなった。

影葉を包み込む大きさの水の球に囚われているのだ。


(動けないの丁度いいし、分身は残したまま意識だけ戻そ)


意識が本体に戻ってくる。

直後、雷が落ちる音が聞こえた。

影葉は師匠のところに走り出す。


「分身はやられたけど囮としては良かったんじゃないかな。どんな魔法を使うかも分かったし」


影葉は現在、索敵を使用していない。

魔力を隠すには索敵を使わないほうがやりやすいからだ。

また離れた位置に雷が落ちた。


「まだあそこね。なら追いつかれる心配はないかな」


安心した影葉のすぐ後ろに雷が落ちた。

影葉は索敵を使用する。


(左と後ろに一人ずつ!)


離れたところに落ちた雷は油断させるために遠くに撃ったのだと気付く。

既に追いつかれていたと分かった瞬間に上に跳び木の枝に掴まり更に跳ぶ。

そのまま木の上を跳び移り師匠のところへと急ぐ。

その瞬間、雷が落ちる。

影葉は避けたが木が耐えられず地面に着地する。

着地したところを狙って攻撃がくる。

影葉は腕でその拳を防ぐが電気までは防げなかった。

だがそれは静電気程度で体の動きを完全にとめることは出来なかった。


(雷にビビってたけどこれならどうにか……)


その考えも水の音がした瞬間に消える。

足下に水たまりができていた。

影葉は全力で師匠のところへと走りだす。

直後に先ほど分身が囚われた水の球ができる。


(相手がどっちか一人なら勝てたんだけどね)


何度目か分からない言い訳をする。

だが影葉も悔しいは悔しいのでせめて一発は殴ることにした。

それを決めるとUターンして向かっていった。

雷のほうの悪魔が殴りかかるが避けて顔面に一発。

水のほうの悪魔が魔法を放つが避けて蹴りを一発。

と同時に雷が落ちてきて影葉に直撃した。

一瞬だけ意識が飛んだ影葉だったが魔力を纏っているため致命傷にもならずにすぐに再生を使い逃走する。


(やっぱ再生は消耗が激しい。あと数回使うだけで魔力切れになる)


後ろを振り向くと悪魔も再生を完了していた。

再生ができないか自分より消耗しているようなら挑もうかと思ったがやはり無理なようだ。

定期的に雷が落ちるがそれによる消耗はほとんどしてないらしい。


(師匠は凄い遠くまで飛ばしたね。モノとか逃げれてるのかな)


モノを逃げたと決めつけている影葉であるが、モノもちょうど逃走中である。

影葉の索敵範囲に師匠たちが入る。

少しひらけた場所で師匠たちは話していた。


「師匠助けて!」


師匠が見えた瞬間に影葉は叫んだ。


「ちゃんと戦ったのは炎華ちゃんだけとは……」


師匠は呆れているが影葉は満足気だ。

そこにモノも飛び出してくる。


「師匠助けて!俺じゃあいつに勝てないから!」


師匠が呆れた目でモノを見る。

それに続いてモノが相手してた悪魔と影葉が相手してた悪魔が出てくる。


「やっぱモノ逃げてたね」


影葉がそう言うとモノは自信満々に言い放つ。


「俺が勝てるわけないだろ。そう言う影葉こそ師匠助けてって叫んでただろ」


「アへナがいて二対一なのに逃げるのは流石にね。私は相手が二人だったから」


どんぐりの背比べをしている二人を鬼玄師匠が叩く。

モノと影葉の修行時間が増える事が決定した瞬間だった。


「婆さん。二人を守ってやりなさい」


「分かってますよ」


モノが分身を出してアへナを移す。

すると三人に結界が張られた。

完全に休憩を始めたモノが喋りだす。


「俺の相手強かったけど師匠は勝てるかな」


「モノは師匠を舐めすぎだよ」


モノが影葉に師匠の強さを教える。

アへナは速く戦わないかなと楽しそうに待っている。

が、悪魔側は緊張した空気だった。

逃げる敵を狩ろうとしていたら凄い敵が出てきたのだ。

すぐに逃げ出して師匠に頼り雑談を開始する。

プライドはないのかと悪魔側はツッコミたい気分だった。

両陣営の空気感に差がある中、師匠の戦いが開始した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ