破滅への狂想曲
――――その頃、タルタロス
「おぉ、そんな事が?」
「あぁ。私の所にも手紙が届いてな。今は何もないけど、国が出来たら是非道具屋をこっちでやってくれと」
「良いんじゃない?」
「私もそう思う!」
「元々行く予定ではあるから良いんだが、どうも場所は例の城のようだ。お前も一応住んでる認定されてるあの場所だぞ」
「あそこかぁ!懐かしいな~!」
「じゃんけんで負けて所有者になれなかったんだっけ」
「そうそう、次会ったらあの顔に水をぶっかける」
「子供やんけ」
ジェネシスにツッコまれたがまぁ認めておこう。確かにやり返そうと思ってるやり方が子供過ぎたかもしれない。
「…私の城の場所も移動させた方が良いかもなぁ。ラオの為にもシードの近くにあった方が安心だろうし」
「国を作るから城を置く予定?それとも普通に?」
「そこはシードと話して決める予定!」
「と言うか何で一週間シードを来させないの?」
「一週間会えなくて寂しかったでしょって言いながら抱きしめたいから」
「貴様の欲望じぇねぇか」
「ジェネシスちゃん今日怖いよぉ」
「引っ叩くぞ貴様ァ…」
「メンゴメンゴ」
ふざけると今みたいに若干ふざけた口調で言ってくる。まぁ…本音なんだけどさ、やってみたいじゃんシードに。
え?別にやりたくない?…あんな可愛い子に?やりたくないの?
「君等二人と並ぶ私の大親友の目覚めがそろそろっぽいからさ、迎えに行こうと思って!」
「リームングか」
「あの子の歌好きだったな~」
「あの子って水場が好きでしょ?ほら、完全に人の姿に見えるけど一応人魚だし」
「そうだね!」
「…何だ、シードが居るあそこにでも住まわせるのか?確かに淵海までつながってる海ならぬ水堀があるが」
「彼女が気に入れば、の話だけどね~。オメガと一緒なら外出許可下りてるから!」
「私もなのか」
「そりゃぁもちのろんよ」
「三人で探検だ~!」
「…まぁ構わんが、検討は付いているのか?」
「ううん、全く。大まかな場所は分かるんだけど、寝相が凄く悪いじゃん?だから何処まで行ってるのか分からない」
「「…確かに」」
寝相が悪い人選手権が昔会ったんだけど、確か当時一位だった気がする。何それって思うだろうけど、昔はそう言うの結構あったんだよ。
魔道具で寝相を観察するんだけど、画面外に行くって言う好成績を残すどころか、魔道具を破壊したりするっていうイレギュラーがリームング。
「さて、出発!」
「「お~」」
――――数日後、12/28
「………」
「……何処やねん」
「景色は綺麗だな」
居る筈の水中洞窟を永遠に探しているのだが、一向に見つからない。結界が張ってある場所に彼女が居ないんだよなぁ。要するに寝相が酷い。
洞窟内の途中で水中から出れる場所があったりするんだけど、それって勿論浮上しないと無理じゃん?でも多分彼女の寝相的に寝ながら泳ぐから浮上できるんだよね。
もう見当がね、一切つかないのよ。そもそも水中の中に謎に魔物とか魔法陣が設置してあるせいで酷い目にあったわ…。
「オメガ、水着とか持ってないの…?」
「三人分作るか?」
「ありかもしれない…」
そんな会話をしながら歩いてると、少し開けた場所に出た。そこは少し奥の方に池とも言える何かがあり、無数に存在する魔力結晶の光で何か美しい神秘的な空間が広がっている。
「どうせ池の底の方に別の場所に繋がるあれがあるんでしょ、通路」
「いっそこの場所一帯を破壊したろか…」
「ありだな…」
「――――――!!!!」
「「えぇ…?」」
一瞬揺れたかと思えば、その池から巨大な龍の手が出て、その後にその巨体がゆっくり姿を見せてきた。それはこっちを警戒しながら完全に池から出てくる。
「もう此奴リームングで良いよね」
「…リームングの本当の姿?」
「それは失礼だろ。………多分」
そんな事を言いながら、オメガが生成した刀を手に取って構えた。すると龍は咆哮と共に前足を使って起き上がり、二足歩行状態となってからブレスの準備。
この後にあり得る事として考えられるのは、もう一度地面に舞え足を付いて前方にブレス。もしくはそのままの状態でブレス。まぁ正直どっちでも良い。
「カモンカモン!」
「氷漬けにする?」
「剥製だな」
「―――ちょっと誰よ!あれを私って言った人!」
そんな発現と同時に水の刃が背後から飛んで来て、龍の首を飛ばしたと同時に壁を思いっきり破壊した。刹那、その破壊された場所から海水が一気に侵入してくる!
「「!?」」
「あっ、やべっ」
「だから私は来たくないんだ…。ポンコツ三人を同時に相手できるわけないだろう…」
「私はポンコツじゃない!」
「パルはまだしも私は違う!」
「二人がポンコツで私は違う!」
「頭が痛くなる…」
海水に思いっきり飲まれ、色々考えるのを辞めてもう取り敢えず流れるままに身を任せた。それから数十分後、彼女の作った部屋らしき場所に到着。
結界で水を防いでるらしく、内部は普通に生活可能な部屋。そんな感じの場所は色々あったが、こんな所にもあるとは…。
「久しぶりだね、パル!」
「…フフッ、そうだね、リーム」
青い瞳でこちらを見つめてくる青い長髪の女性。もう一人しか居ないよね。この魔力にこの感じ、どう考えても…リームングしか居ない。
「おはよ、かな?」
「久方ぶりだな」
「二人もお久~!なになに?態々私の起きる時に合わせて来てくれたの~?」
「大親友の目覚めとなれば一応ね」
「それじゃ御礼に歌ってあげようか?」
「お~!」
「最高じゃん!」
「良いね」
リームの目覚めの一曲。それは私達にとっては心が安らぎ、涙が出そうになるような一曲だった。だが…多くにとっては荒れ狂った魔力の波が襲い掛かってくるように感じるだろう。
―――その後、私達は一旦水中洞窟の外に出て浮上し、そのまま少し離れた場所にある高台へ。それから周囲を見渡し、クスッと微笑む。
「三人向けにやったせいでミスっちゃった」
「「これは中々…」」
外は大災害の後ですか、と言わんばかりに荒れていた。近くに海があるのだが、恐らく大津波の後なのだろう。付近の港町が完全に消滅している。
彼女の歌声は特殊で、加減せずに歌うと天変地異が冗談抜きで起きちゃう。んで安眠効果とかそう言うのもある一方で、手加減しないとあらゆる体調不良を引き起こせる。
要するに彼女が歌にどれだけ魔力と思いを込めて歌うかで変わってくるってわけ!序でに今回は私達を最大限満足させようとしてくれたのか、こんなことになってる。
「そういえば私彼氏作ったの」
「パルが!?どう考えても恋愛しなそうなパルが!!!?あんなに恋愛に興味無いとか、何があったら恋愛するのとか言ってたパルが!?」
「…そ、そうだよ…」
「どんな子!?私も付き合う!!」
「???」
「それは冗談だと思うけど、でも可愛かったら私も可愛がるからね!」
「え~」
「会いに行こうよ!」
「良いよん」




