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魔王の生き様~遠い未来で君と共に~  作者: 赤天アリス
四章 新たなる時代の幕開け
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長期休暇

――――二週間後


妙に揺れるせいで目が覚めると、俺は誰かの背中に抱きついて馬に乗っていた。だが馬に乗った記憶も、誰かに抱きついて寝た記憶もない。


あるのはパルパータを倒し、満月を見た記憶だけ。…それと俺がシード=プルニーマになったという事だな。


「…アルスか」


「!?」


「帰国中?」


「は、はい、その通りです。ワールス様とエトワール様は少し後方の荷台にてフロル様が介護中です」


「ふむ。…所で俺がいつ勝ったか分かるか?」


「11/4の深夜です。…一応11/5の0時だと思われますが」


「ハハッ…まぁその辺って分かってるなら良いや。あれからどのぐらい経過してる?」


「約二週間程になります。シード様はずっと眠っておられました」


「まぁ…相当疲れてたしな」


「伝言は三つ。一つ目はコラプス様から」


「彼奴ぅ?」


「今度遊びに来てね、だそうです」


「無理だろそれ」


「二つ目はオメガ様から」


「服関連だな」


「いえ、街で道具屋を営むから場所の確保を頼むとの事です。後日伺うと」


「あ~そっちか」


「三つ目はアルマ様から」


「アルマ…」


「神聖王国は動かないけど、ニールヒッグ王国は動くだろうから気を付けてと言ってました」


「ニールヒッグ?…確かにヴェルロイド王国領には近かったな」


そんな会話をしていると、馬を走らせてファームが近くまでやって来た。


「起きたんだね」


「ファーム!無事だったか」


「うん、シードのお陰で此処に居る全員が助かった。一同感謝している!」


「…俺は俺のすべきことをしただけさ。ってか…そう言えばラスハントは?」


「あっ」


「え?」


「……鎖に拘束されたままかも」


「…まぁ何時か戻ってくるだろ」


―――それから約二週間後


「…漸く帰国だな」


「はい!」


アルスを後ろに乗せ、俺とフロルが並んで先頭。その後ろにラスハントやファーム、ワールスにエトワールが。


そう言えば今回は新六王も来ていたらしい。過去の六王達が選んでくれた奴等で結構役に立ったとか何とか。


「開門!!!」


国を守っていた僅かな兵士達の声が轟き、城壁のアダマンタイトの柵門がゆっくりと上がる。それと同時に歓声が聞こえてきた。


「…本当に帰ってこれたんだね」


「あぁ。…お前が居なきゃ負けてたぞあれ」


「…フフッ、でしょうね!」


そんな会話をしながら門を潜ると、多くの住民が出迎えに!俺は驚きながらも手を振ったりしながらメインストリートを進んだ。


城の正門は北側にあるからこのまま進めば着くはず。まぁ南から入った場合でも南に門あるから問題は無い。ただ城の正面ではないけど。


そして気付けばもう城の前に付いており、メインストリートを兵士と住民が完全に埋めていた。


取り敢えずそこで止まり、俺とフロルは馬から降りる。そしてフロルが作ったちょっとした台の上に立って皆を見下ろす。


「…疲れてると思うからフロルから一言、俺からちょっとした話で終わる」


「暫く休暇を与えるからしっかり休んで頂戴!」


「「!!!!」」


休暇は凄く嬉しいだろうな。…本当はこの後に色々とありそうだから頼みたいが、まぁ…休息も大事だ。


「休んでる間に自主練程度はしろよ。次に招集する時は少なくとも来年だ。一か月は全員休暇がある。城の訓練場や食堂も開けておく予定だから適宜使え」


「「はい!!」」


「お前達の健闘に心からの感謝する。そして全員…母国の為に命を尽くした戦友に敬礼!」


全員が北側の方を向き、そして住民だろうが兵だろうが関係なく全員が一斉に敬礼。それから一分後、俺は声を発した。


「…それじゃ解散だ!そのまま家に帰ってもいいし、寮でゆっくり過ごしてもいい、とにかく好きにしろ!」


「「ありがとうございました!!」」


俺は彼等を一瞥し、取り敢えず屋敷へと帰宅。するとちゃんと皆が出迎えてくれた!


「「お帰り!!」」


―――数時間半ば強制的に宴会に参加させられ、流石に疲れて休んでいると…何故か皆が静かになった。


「シード」


「ど、どうしたのレイちゃん、それに皆も」


「私達、死界に戻ろうと思ってね!」


「???」


「シードの事が嫌いになったとかじゃないよ?ただ…やっぱあっちで良いかなと思って」


「……大丈夫、俺は止めない。だって…分かってたもん」


「私やテンペスト、デミにパラが死界に戻るだけだから。…他は一応皆生者だからね」


「また会えるよね?」


「勿論!それに死んで死界に行くわけじゃないから。ラストがサクリスに命令して特別な居住区を作ってくれたの」


「なら安心!…不定期になるけどちゃんと会いに行くね」


「フフッ、待ってるよ。…私達の事は忘れて、その道にしっかり専念して。分かった?」


「………」


「お願い。シードは考え過ぎる癖があるから、私達の事は忘れて。大丈夫なのか、とか意思を云々なんて事は考えなくて良いの。その道をシードの本当の仲間と共に進むべき。私達は仲間だけど、信念で言えば違うからね」


「…分かった。…今までありがとう、皆」


「…ん、さよなら」


「頑張るのだぞ」


「応援してる!」


四人はそう言いながらクスッと微笑み、そして姿を消した。その出来事は本当に唐突だったが、でも…泣くことは無かった。


俺が非情だからかもしれない。だけどそれが俺なんだ。


「…俺は俺が進むべき道を行く。己の信念をただ貫き通す。…ついて来てくれるか?」


「うん!僕はシー君のだもん!」


「当たり前。絶対ついてく」


「ククッ…ありがとな」


「それじゃ、こっからは私との勝負だね!」


「あぁ。…負けねぇぞ」


「フフッ、私も負けないよ!」

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