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第81話 飛ぶ鳥を落として

飛ぶ鳥を落とす勢いとかけました。

逆お気に入り登録してくれたら嬉しいです。

 エクレアは攻撃を外した。

 しかし悔しがっている様子はなく、「いやぁー、惜しいなぁー」と指を鳴らしまくっていた。


「惜しい? 当てないと意味がない」

「何言ってるの? 私は当てる気なかったよ」

「えっ?」

「私は初激を見せるって言っただけだよ? だから後はショコラちゃんの出番だよ」


 急に責任転嫁。全てをショコラの腕任せに押し付けた。

 あまりの急な方向転換に、ショコラは目を見開いた。


 しかしショコラは俺みたいに「おい!」とか言うわけでもなく、とても淡々としていた。

 銃を取り出し構えると、ライフル用のスコープを覗き込む。


「とりあえず、まずは翼の機能を削る」


 流石に飛んでいる獲物を狙うのは難しいらしい。

 しかし翼の機能を削るというのはどういう意味だ。

 もしも言葉の通り受け取っていいのなら——


 バキューン!


 空を切る音が聞こえた。

 バン! と引き金を引くと弾丸が放たれた。

 空薬莢が飛び出ると、空を切った弾丸が的確に驚いて飛び立ったイシクイ鳥の翼を撃ち抜いた。


「嘘だろ!」

「凄いね。本当に翼だけ撃ち抜いちゃった」


 俺とエクレアはショコラの射撃能力に素直に驚愕した。

 とは言え、エクレアに至ってはむしろ喜んでいるみたいに見える。


「とりあえず飛行能力は削いだ。これであの鳥は落ちる」

「本当に飛ぶ鳥を落としちゃったよ。しかも有言実行なんて、流石だよショコラ」


 エクレアはショコラを褒めた。頭を撫でて、柔らかい白髪がサラリと揺れる。

 するとショコラは気恥ずかしいのか、エクレアの何気ないスキンシップに反発した。


「やめて。まだ褒められる時じゃない」

「そうかな?」

「ああそうだ。敵の機動力を削いだだけに過ぎない。それに、まだ飛ぶことができている」


 空を見れば右翼の機能を失い、まともに飛べてはいないものの、ギリギリ持ちこたえて飛んでいる。

 そこでショコラは第二弾を撃ち出す。


「目標補足。ターゲット、ロックオン」


 ショコラの目がキリッとする。

 背中からは歴戦の狙撃手の貫禄が溢れ出し、独特な空気を形成する。

 それだけではない、安定した構えを取ることもなく、迷わずに引き金を引いていた。


「ショコラ、私にも手伝わせて」

「えっ?」

「大丈夫。邪魔をしないから」


 エクレアは突然《黄昏の陽射し(サンライト・ライズ)》を三角形状に展開した。

 それからイシクイ鳥の真下に待機させると、イシクイ鳥はショコラの撃ち出した弾丸によって落とされた。


「仕留めた。だけど、これじゃあどこに落ちるかわからない」


 ショコラは飛ぶ鳥を確実に落として見せた。

 しかしこのまま落下されてはせっかくの依頼品が台無しだ。

 多分、相当型崩れする。それを防ぐためにも、エクレアは先手を打って三角形を展開していた。


「ごめん。流石に先走り過ぎた」

「大丈夫だよ。ショコラちゃんはよくやったから」


 イシクイ鳥は三角形を形成していた《黄昏の陽射し(サンライト・ライズ)》が受け止めた。

 単純な防御性能だけじゃない。俺は初めて、こんなにも柔らかい《黄昏の陽射し(サンライト・ライズ)》を目撃した。


「「凄すぎる」」


 ショコラと感想が被った。

 とは言え、アイツの持ち味はそれだけじゃない。


「それじゃあ全力で走るよ。目印は、私の魔法の真下ね」

「ちょっと待て。まさかお前!」

「もちろん、他のモンスターに狙われる前に走るよ!」


 エクレアは全速力で駆けだした。

 いや、アレは全力なのか? 普通に走っているように見えるが俺よりも速いような気がした。

 ましてや魔法なんて使っていない。俺とショコラは完全に置いてかれた。


「ヤバいな、アイツ」

「でも凄い。あんな態度が許されるぐらい才能も努力もしてる」

「お前にもそう見えるか。はぁー、追いかけるぞ」

「ま、待って」


 俺とショコラはエクレアを追いかけた。

 目の前にエクレアの姿はなく、あの一瞬で完全に話されてしまった。



「この辺りだったな」

「うん。ちょうど真下に来たと思う」


 俺とショコラはエクレアの展開した魔法の真下に来た。

 するとそこにはエクレアが当然先に着いていて、「遅いよー」と文句を吐いた。


「お前が早すぎるんだ。それよりイシクイ鳥は獲れたんだな」

「もっちろん。今、確認するね」


 エクレアは三角形状の《黄昏の陽射し(サンライト・ライズ)》をゆっくり下に下げた。

 すると息絶えたイシクイ鳥が置かれている。魔石に変わっていないのは、取り込んでいる石のおかげだ。


「どうして魔石にならないのかな?」

「モンスターの中には魔石になり難い種類もいる。それに全部魔石になるようなら、お前のランク帯で依頼書が出ていないだろ」

「あっ、そっか。それじゃあ持って帰って納品しよっか」

「そうだな」


 エクレアは鞄の中にイシクイ鳥を仕舞った。

 ショコラは何だか物寂しそうな顔をしている。

 俺たちの話を聞いて食べたくなったに違いない。


「ショコラちゃん今日はありがとう。今回は納品するけど、また今度イシクイ鳥を食べようね」

「いいの?」

「もちろん。だって私たち“仲間”でしょ?」


 俺は嫌な予感がした。

 しかしショコラは特にツッコミを入れるわけでもなく、淡々と受け入れていた。

 どうなっても知らないぞ。俺は絶句して、ショコラをスルーした。

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