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第79話 白髪の狙撃手の名前は?

ようやく名前を知りました、

 数日後。


「おーい、カイ君。そろそろ、冒険者活動再開しようよー!」

「うるせぇ」

「おーい、聞こえているんでしょー! そろそろ依頼を引き受けようよー!」

「黙れ」

「おーい、カイくーん! カイ君?」


 部屋の外からエクレアの声が響いていた。

 うるさすぎて寝ていられない。


「あぁ、わかった。だが、その前に……」


 俺は部屋の扉を開けると、そこにはエクレアがいた。

 いつも通り冒険者服を着ていて、ブロンドヘアーをたなびかせる。

 太陽の聖剣が左手で握りやすいように腰に携えていた。


「おはよう、カイ君。返事がないから死んじゃってるのかと思ったよ」

「いいか、エクレア。うるさい!」


 俺はエクレアの耳元で叫んでやった。

 するとエクレアは耳を抑えたが、「あはは、ごめんねー」と笑っていた。

 気色悪い奴だと、俺はエクレアの認識をさらに変えた。



「はむっ。うん、このパン美味しいです!」


 エクレアがクルミナさんの作ったパンを頬張った。

 クルミが入っているのか、触感がはっきりしている。


「あっ、旨いな」

「だよねだよね! 美味しいです」

「喜んでもらえてよかったわ」


 クルミナさんが笑みを浮かべた。

 トマトスープも熟成されていて、旨味が濃縮されている。

 朝食にしては軽めだが、味は夕食並みに強烈だった。


「重いな……」

「そんなこと言っちゃダメだよー!」

「冗談だ」

「冗談ならいいけど……クルミナさん、固まっちゃってるよ?」

「あっ、お、重たい?」


 クルミナさんは固まっていた。放心状態だった。

 どうしてこんなメンタルの人から圧倒的な強さを感じるのか。

 俺にはさっぱりわからない。



「それじゃあ、今日はどんな依頼を受けよっか」

「お前が決めろ。ないなら適当なダンジョンにでも行って狩りだ」

「了解! うーん、どれにしよっかなー」


 俺とエクレアのランクは4と9。

 エクレアのランク帯に合わせるとしてもだ。それなりに危険な依頼を引き受けることができる。俺たちの株はかなり上がっているからな。当然の結果だ。


「うーんと、このイシクイ鳥は面白そうだね」

「イシクイ鳥?」

「うん。これなんだけど……」


 エクレアが依頼書を引き剥がすと、鳥の絵が描いてあった。

 くちばしで意思を咥えていたが、そんなのは知っている。俺だって倒したことがあるし、正直旨いからな。


「コイツをやるんだな」

「うん。報酬も良さそうだし、慣らしには……あっ!」


 エクレアが急に叫んだ。

 俺はエクレアの視線の先を追うと、そこにいたのはこの間の白髪の少女だ。

 冒険者だとは思っていたが、ここで資金稼ぎか。丁度いい。この間直した銃を返してやろう。


「ねえ、カイ君。猟銃直っているんでしょ? 返してあげようよ」

「そのつもりだ。行くぞ」

「おー!」


 エクレアが腕を振り上げた。

 それから少女の下に向かうと、目だけがこっちを向いた。

 どうやら気が付いていたようで、スッと頭を下げる。


「こんにちは。えーっと」

「ショコラ」

「えっ?」

「ショコラ・ガトー。それが私の名前」


 今更名前がわかった。ショコラ・ガトー。また旨そうな名前をしている奴だ。

 しかし頭を下げたのは、別に礼儀が要因ではないらしい。


「はい、返して」

「やっぱりお前の目的は猟銃か」

「当然。私の目的は猟銃を返してもらうこと。それ以外に目的はない」

「なるほど。ここに来たのは俺がいると思ったからだな。安心しろ、コイツがお前の新しい武器だ」

「“新しい武器”?」


 俺は《武器庫の空間(チェスト・スペース)》から武器を取り出した。

 もちろん、アイツの知っている猟銃ではない。

 既に呪いは解け、見た目も性能も格段に進化していた。


「何これ? 私の知っている相銃じゃない」

「もちろんお前の知っている相銃ではない。だが、元は同じだ」

「元は同じ? 全然違う」

「だけどコイツの方が射程も排熱処理も格段に上だ。もちろん、魔弾の耐久性もな」


 俺は核心を突いたような言葉を吐いた。

 するとエクレアが俺の弁護を買って出てくれた。


「なるほどー。それじゃあ強くなったってことだね」

「……それならいいけど、試し撃ちがしたい。何か良い依頼は……」


 あっ、マズいことになった。

 コイツ、終わったな。


「にちゃー。ねえ、ショコラちゃん。それならさ、私たちとパーティーを組まない?」

「えっ?」

「試し撃ちしたいんでしょ? 私たち、今から依頼に行くんだけど。飛ぶ鳥を落とすところ、見たいんだよねー」

「……断る」

「何で!」


 よし、いいぞ。それしかコイツから逃れる術はない。


「ど、どうして断るの?」

「変な笑みを浮かべたから。それに私は単独の狙撃手。群れることは極力避けたい」

「そうなんだ……うーん、あっ、それじゃあその銃返してね」

「あっ、何するの!」


 エクレアは何か思いついたのか、ショコラから猟銃を奪い取った。

 エクレアの方が背が高いので取れないように高く持ち上げる。


「返して」

「ダメダメ。それに、これはうちのお店で直したものだよ? まだお金も貰ってないから、この猟銃は私が貰っちゃおうかなー。なんて」

「酷い」

「酷くない酷くない。それで、どうかな? パーティーを組んでくれたら返してあげてもいいけどぉ?」


 最低だ。コイツ、どれだけ武器を持っていやがる。

 俺は幻滅したがエクレアは俺に親指を立てた。共犯に仕立て上げられてしまい、ショコラもショコラで、「わかった」と本意ではなさそうだった。

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