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第73話 客が来てしまった

カイにとっては災難。

 俺は椅子の背もたれに腰を埋め、目と瞑っていた。

 どれくらい寝ていただろうか? 時計を見ると、2時間ぐらい経っていた。


「んぁっ? ふはぁー、寝たな。ここは……エクレアの店か?」


 寝ぼけてここが何処かわからなくなった。

 とは言え思い出すと、俺が店番を任されていたことを思い出す。

 どうやらあれから誰も来ていないようだ。よかった。ずっとcloseにしているから、来ないとは思っていたが、まさか本当に誰も来ないとは。


「つまり武器が必要じゃないってことだな。まあその方がいい」


 新しい武器を手にしたがるのは悪いことじゃない。

 だが俺は人のために作ってやるのは嫌いだ。

 何せ面倒くさい。武器の手入れは特に怠いし、オーダーメイドはやっていない。


「そう言えば、アイツから光剣(ライト=ソード)返してもらったか?」


 ホブゴブリンを倒してからしばらく経つが、こうも返してもらえないとアイツに借りパクされたんじゃないかと思ってくる。

 とは言え、俺が使えるような武器じゃない。と言うことで忘れることにした。


「それにしても暇だ。いや、暇な方がいいな」


 俺は扉を見ていた。

 やはり誰もやって来ない。


「本当に来るのか? アイツがいないなら誰も来ないだろ」


 今更だが、午前中だけでも休めばよかったんじゃないのか?

 俺は自分の貴重な時間を無駄にしている気がして散々に思う。

 だがそこに不穏な影が落ちた。いいや、扉越しにだが影があった。


「この気配。誰か来たな」


 どうやら扉越しにだが誰か来たみたいだ。

 すりガラスでもないので人影はない。とは言え、俺からしてみればかなり強い気配がしていてビシバシ感じる。向こうには気が付かれていないようで、俺の気配の消し方も上達した証拠だ。


「まだいるな。おいおい、今度は叩いているぞ」


 扉がゴンゴン叩かれた。

 うるさい。だが俺は絶対に出ない。


「誰かいない」


 今度は声を掛けられた。

 ほとんど淡白だけど、女のようだ。


「まさかエクレアみたいなタイプじゃないだろうな」


 少し気になってきた。もしもエクレアが帰って来ていたら、後でめちゃくちゃ言われるんだろうなと恐れが出て来る。

 そこで仕方ないなと思い、扉を開けに行こうとした。いや、扉は開いているんだけどな。

 すると、俺が近づく前に扉が無理やり開けられた。


「あっ、開いてた」

「いらっしゃい」

「しかも人がいた。……丁度いい」


 俺は目の前に突然現れた女を見た。

 俺よりも背が低い。当然、エクレアよりも背が低いが同じ白い服を着ていた。

 とは言え、気になるものがいくつかある。


 まずはこの分厚い白いコート。全身を覆っているが、これがこっちではなかなか見ないもので、もっと北の大陸の方で使われている。

 それから背中に背負った猟銃。先端が熱で溶けたみたいにへし折れていた。しかも最近溶けたのか、湯気のようなものが出ていた。黒い鉄が白く劣化している。


「どうしてcloseだったの?」

「答える義理はない」

「見せの人なら答える義務がある」

「開店は9時からだ。それに店主はないな。だからさぼっていた。以上だ」


 俺は嘘もつかず正直に答えた。

 すると女は顔をフードで隠したまま、「そう」と淡白な回答を返す。

 どうやら気にしていないようで、俺はこの女もまたエクレアのような変わり者ではないかと疑いの目を向ける。とは言え、俺には関係ない。どうせコイツもエクレアのパン狙いだ。


「残念だが、パンはないぞ」

「パン?」

「ああそうだ。ここはパン屋だからな。しかも店主が作る、営業日も不明なパン屋だ。と言うわけで帰ってもらえますか?」


 俺は澄ました態度で営業スマイルを送った。

 しかし特に怪訝な様子を浮かべられるわけでもなく、感情の起伏があまりに薄かった。

 俺は不気味な奴とは思ったが、それ以上思わない。当然不快には感じない。


「悪いけど興味ない。私はパンを買いに来たわけじゃない」

「はぁっ? ここはパン屋だぞ。パン以外にはないんだが……」

「それじゃあ周りに置かれた武器は何?」


 確かに店の中には箱の中に乱雑に放り込まれた武器がある。

 エクレアが定期的に掃除しているようで蜘蛛の巣などは張っていないが、かなりお粗末な状況だった。

 とは言え、一発で目が武器に行くということはこの女は間違いなく冒険者。もしくは先頭に経験がある奴だ。


「しかもいい剣。私は剣を使わないけど、この値段でこの質はありえない。上物過ぎ」

「大袈裟だな」

「これ誰が作ったの?」

「俺だが、何か文句でもあるのか?」


 俺は誤魔化すこともしなかった。多分褒められているんだろう。素直に受け取れば嬉しいんだろうが、俺は別に嬉しくもなんともない。

 自分が作った武器で人が生きようが死のうが関係ないんだ。

 最後に立って居た奴が一番偉い。それが冒険者と言う職業にある。


「貴方が作ったの?」

「だったらなんだ」


 俺がそう答えると詰め寄ってきた。

 タッタッタッと足早になり、俺の顔を見ようとしてくる。

 そこには白い顔と、白い髪。どうやらこの女は少女のようだ。

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