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第63話 ゴブリン・シャーマン

今回は説明Partです。

 俺とエクレアが出会ったゴブリンは他のゴブリンとは違っていた。

 普通のゴブリンが腰蓑を捲いたり、白い布をかけているだけなのに対して、今目の前にいるゴブリンは少し老けているようで深い緑色をしていたが、特殊な装飾や身なりにも気を遣っていた。

 ましてや俺たち、むしろエクレアを見てもなお態度を一切変えない冷静さを控えていた。

 このあまりに突出した通常種のゴブリンとは違う感じ方、おそらく役持ちのゴブリンだろう。


「男の方、どうか剣をお仕舞ください。皆、貴方方に危害を加える気はございません」

「「はっ!?」」


 俺とエクレアは自然と構えてしまった。

 ゴブリンが人間の言葉を喋ったのだ。

 確かにモンスターの中には高い知能のおかげで、人間の言葉を理解して自分たちも使うことができる。

 それを使えるということは話し合いができるということで、逆に言えば俺達を食ってかかる可能性があるわけだ。


「エクレア、気を付けろよ」

「う、うん……どうしよう」


 何を悩んでいるんだ。

 俺は迷わず剣の柄に手を掛けていた。

 しかし向こうに敵意がないのも本当だ。しかも少女は向こうにいる。ここは話し合いに出てもいいかもしれない。


「一つ聞くが、その子は返してもらえるのか?」

「もちろんです。私たちが彼女を匿ったのには訳があるのですよ」

「匿った訳?」


 一体どんな訳があったのか。

 俺は少しだけ話をする価値があると思った。

 剣を納めるとエクレアもパッと明るくなって、ゴブリンに声を掛けた。


「じゃあまずは自己紹介。私はエクレア、こっちは相棒のカイ君。えっと、ゴブリンさんは?」

「私に名前はありませんが、他のゴブリンからはシャーマンと呼ばれています」

「シャーマン? ってことはやっぱり知能が高い役持ちの種なんだな……面白い」


 俺は少しだけ明るくなったが、すぐにミスったと思う。

 エクレアのその顔を覗かれてしまった。これは面倒なことになるなと、脳内で直接警戒反応を出す。


「ううっ。話を戻すが、シャーマンは何のためのこの子を匿っているんだ。この際攫った何て言い方話だ」

「はい。実は今、我々の群れの中で一種の統率者が現れてしまい……それにより、舞台が二分してしまっているのです」

「部隊が二分している? と言うことは、片方は……」

「私が指揮している人間との共存を目的としている部隊です。とは言え、ほとんどは子供や雌のゴブリンで、雄のゴブリンは大変少なく……」

「戦力が乏しいというわけか。まさかその構想に巻き込むためにこの子を……」

「いいえ、それは違います! 私たちはただ平穏を送りたい。この群れが解体された後は、同志を募り森の奥に姿を潜めることにしています」

「なるほど。目的が明確に決まっているわけか……ならどうしてそうしない」

「……それは」


 ゴブリン・シャーマンは言葉を詰まらせた。

 するとエクレアがズバリと冷たい口で吐き出した。


「恐怖心に飲まれているから」

「えっ!?」

「はい。あのゴブリンは並の役持ちではありません。それ故、本能のままに欲望を解放するゴブリンたちはあのゴブリンに付き従っているのです」

「さっきのはそういうことか……確かに惨いやり方だったが、命の粗末感が否めなかったな」


 ただ数だけバラ撒いたような生存競争を捨てた戦法と配置だった。

 しかしあんな光景を目の当たりにした後だと、なおさらわからない。

 恐怖に抗うことができないのはきっと知性があるからだろうが、それほど恐ろしいのだろうか? ゴブリン・シャーマンだとしてもそれなりに地位や権力をゴブリンの群れの中では有しているはず。本来、群れの(おさ)になれるだけの役持ち具合だ。


「だがこれではっきりした。行商人を襲ったのは食料のため。少女を匿ったのは二分されているゴブリンの群れに渡さないためだな」

「はい」

「はぁー。それはソイツらを倒さないと無理そうだな」

「そうだね。それじゃあそのゴブリンを倒そっか!」


 俺とエクレアの意見が一致した。

 しかしゴブリン・シャーマンは俺達の実力を知らないので止めようとしてくる。


「おやめください。流石にあのゴブリンを相手にするのは……」

「それはダメだよ。だって私たちも目を付けられているし、他の冒険者もみんなでゴブリンを狩っているんだもん」

「それではつまり!」

「どのみち抗争になる。それならさっさと倒した方がいい。エクレア、準備はできているな」

「もっちろん! 一瞬で倒しちゃうよ。久々に、《黄昏の陽射し(サンライト・ライズ)》で倒したいもん!」

「お前は自由人だな」

「イェーイ!」

「褒めてないぞ」


 エクレアのテンションに俺は溜息を吐いた。

 その姿を見ていたゴブリン・シャーマンは俺たちのやり取りに唖然としていた。


「大したものです。ですが……」


 ゴブリン・シャーマンは表情を硬くした。

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