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第61話 子供ゴブリン

どんどん薙ぎ払う。これぞ、無双。

 俺とエクレアは2人してゴブリンを薙ぎ払った。

 それから洞穴の奥へ奥へと歩みを進めていくと、急に空気が変わった。


「止まれ」

「おっとっと! 急にどうしたの?」


 エクレアが俺の背中にぶつかった。

 しかし背後を見ている余裕はないので、俺はエクレアと一緒に洞穴の中で、少し窪みになっている部分を見つけて体を埋めた。

 もちろんエクレアも一緒なので少し狭い。


「せ、狭いな」

「いいでしょ? それで何かあったの?」

「あったかは知らん。だがアレを見てみろ」

「アレって? うわぁ、ゴブリンの警戒強いね」

「これは流石に乱戦になるな。面倒だ」


 俺は口にしたのは単なる感想だ。

 しかしエクレアの視線のくべ方は俺とは少し異なっている。

 目の前のゴブリンの数には注目せず、その先のことを見ていた。目の前だけではなく、先を見る目を持っているのは俺と同じだが、観点が違った。


「女の子はいないね」

「そっちか。まずは自分たちのことだろ」

「何言ってるの? 私たちは攫われた女の子を助けに来たんだよ?」

「それはそうだが、今は現状を見ろ。そこから先のことは二の次に思え」

「無理だよ。私の性格知っているでしょ?」

「予測不能な変人」

「酷い!」


 エクレアが叫んだ。するとゴブリンたちの視線が一斉に集まる。

 流石にこの数は面倒だ。何せ目の前には20から30匹ほどいる。

 これだけの数を相手にしていても埒が明かないのが本音で、仕方なく俺とエクレアは無視して最短距離だけ繋ぐ。


「フレイム=バーナーで焼き払う」

「じゃあその後を続くね。来て、《黄昏の陽射し(サンライト・ライズ)》!」


 俺がフレイム=バーナーでゴブリンの間を焼き払った。

 すると何匹かゴブリンが炎に飲まれて悲鳴が聞こえたが、その脇ではエクレアの放った黄昏の陽射しがホーミング弾のように逃げ惑うゴブリンを撃ち抜いた。


「その攻撃曲がるのか!」

「でも曲げた威力が弱くなっちゃうから全然使えないけどね」

「直線でしか撃てないんじゃなかったのか?」

「あはは、欺くならまずは見方からだよ」

「……上手いな」

「それほどでもないよ。だって私、嘘つくの苦手だもん」


 確かにエクレアは嘘をつくのが得意ではない。それは相棒だからわかることだ。

 エクレア・エーデルワイスのことを少しだけ理解しているふりをしている俺はともにゴブリンの慣れの果てである魔石を素通りし、とにかく奥を目指した。

 しかし途中でゴブリンの追っ手を撒こうと思い、洞穴の中にある横穴と呼ばれる道に入ってみた。


「カイ君、こっちだよ!」

「お前、どうしてそっちなんだ?」

「こっちな気がするの。とにかく行こう!」

「おい、お前待てよ。はぁ、仕方ないな」


 俺はエクレアに溜息を吐きながら横道に向かって走り出した。



 俺とエクレアが横道に入ってからゴブリンの姿はなかった。

 もしかしたらこの道はゴブリンも立ち寄らないような何もない横穴だったのではないか? 最悪洞穴をこじ開けて外には出られるが、それでも何もないのは流石に虚しい。

 しかも二度目の侵入は攫われた少女の身を案じる上では絶対に避けたい。

 その理由は誰だってわかるはずだ。一回目よりも二回目の方が敵は警戒する。


「どうする。こうなったら一度戻るか?」

「ううん。絶対大丈夫だよ」

「その恨今日はどこにあるんだ。まさかまた犬の嗅覚か?」

「私は犬じゃないよ。しかも今回は嗅覚じゃなくてただの勘かな?」

「もっと酷いじゃないか。根拠がなくて杜撰すぎる」

「そんなこと言わないでよ。絶対こっちだから」


 そのエクレアの自信が俺は怖かった。

 しかし触れれば焦がされてしまう。それがわかるのは、エクレアの中に黒い太陽のようなものがあるからだ。目に見えるわけではない。時に白くもなるし黒くもなる、複雑な太陽が否定するものを強制的に焼き払う。まるでそんなイメージが頭の中に深く深―く突き刺さる。


「仕方ないな。お前を信じてやる」

「ありがとうカイ君。それじゃあ……カイ君」

「どうしたんだ?」


 急にエクレアが足を止めた。

 俺はエクレアの背中にぶつかりかけて急ブレーキをかけると、肩から見られる先の景色を覗き込んだ。

 この横穴はかなり広い。戦うには十分すぎたが、まさか先の方にこんな広い空間があるとは思わなかった。


「広いね」

「そうだな。まるでゴブリンたちの貯蔵庫だ」


 そこにはたくさんの食べ物が保管してあった。

 しかしゴブリンの割にはかなり綺麗に積まれている。もしかしたら知能の高い種が生まれているのか? そいつが群れを率いているのならこんな真似はしていてもおかしくはないが、何も報復がないのが逆に怪しい。

 すると背後から声が聞こえてきた。


「カイ君、後ろ」

「ああ、とっくに気が付いている。ここは……そういうことだったのか」


 俺達が目にしたのは少し背の低いあどけないゴブリンたち。

 まるで敵意を感じない子供のようだった。

 しかし相手はゴブリン。俺は警戒の余地を抱き、お互いに武器を構えていた。

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