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第59話 エクレアの背面撃ち

後ろにも目があるとはこのこと。

 俺とエクレアは洞穴の中に入った。

 意外に天井の高さもあり、余裕でのびのび歩くことができた。


「なかなか広いな」

「本当だね。高さも幅もすっごく広いよ」


 エクレアは可愛らしく、手を自分の頭から上に挙げてみたり、横に伸ばしてみたりした。

 俺はその姿を見て可愛いとは思わないが、きっと他の奴は可愛いと思うんだろう。

 俺からしてみれば、「何コイツは呑気に手何て挙げているんだか」と皮肉めいた本心を決して外には出さないように配慮してやった。これでも感謝してほしい。


「ねえねえカイ君」

「なんだ」

「カイ君は女の子のこと、大丈夫だと思う?」

「知らん。もう終わっているかもな」

「うわぁ、結構ズバリ言うんだね」

「それが現実だ。だがお前は違うんだろ」

「もちろん。私は無事だと思うなぁー」

「その根拠はどこにあるんだ? お前の嗅覚は鋭いみたいだが、流石にゴブリンに攫われた女がどうなるかわかるだろ。相手が少女だろうが、奴らは容赦しない」


 俺はあくまでも世間的なことを言ったまでだ。

 今回だって確かに倫理観と同情心が働きはしたが、あくまでもそれは骨の1つや衣服の切れ端でも手向けとして持って帰ってやれればいいと浅はかな考えの元危険を冒したに過ぎない。

 それが優しさかおせっかいなのか、俺にはどうだっていい話だ。結局金は手に入る。


「なんだか含みがある言い方だね。カイ君は助けたいと思わないの?」

「さあな。結局は自分の方が可愛い。後は金だ。それ以降は感情論になる」

「感情論には発展するんだね。なんだかカイ君のこと、ちょっと誤解してたかも」

「どういうことだ?」


 俺は立ち止まった。するとエクレアは考える素振りをすると、「うーん」と唸っていた。

 根拠もなく人のことを秤に掛けるのはやめて欲しい。とは言え、人間とはそういう生き物で本質的には変わらない。


「もっと大した理由があると思ってた」

「そんなものあるか」

「いや、そうじゃなくて感情的になって動くのかと思ってた。だって急に出ていくんだもん」

「それは……もういいだろ。あの場にいてもやることはなかったんだ」


 俺はとにかく先進もうと足を進めた。

 その瞬間隙が生まれ、エクレアに抱きつかれる。

 コイツはいつも予想できないことをするが、流石に危機感が欠如しているとしか言いようがない。


「お前な、こんなところで無駄なじゃれ合いは!」

「無駄じゃないよ。《黄昏の陽射し(サンライト・ライズ)》!」


 するとエクレアは魔法を唱える。背後に光が凝縮した筒が現れたかと思うと、そこから高温の光が熱を以って打ち出された。

 俺は急な高温に一瞬晒されたかと思うと、流れ星のように駆け抜けるエクレアの魔法が何かを撃ち抜く。

 すると背後から「ギュァー!」と発狂が聞こえた後、コロンと何かが転がる音が洞穴の中に響いた。


「ゴ、ゴブリン?」

「ほらね。危なかったでしょ?」


 コイツのやることはいつも理解ができない。まさに予測不能で、俺の想像を遥かに超えてくることがある。

 大抵くだらないことだが、今回みたいに大真面目な件もある。

 だがこんな使い方ができるなら、普段からやって欲しいものだ。


「助かった。ありがとう」

「うわぁ、褒められた! 気持ち悪い」

「何だその言い方は。素直に言っただけだ」

「素直過ぎて気持ちが悪いんだよ! それに私は大したことしてないよ。こうやってゴブリンがいることも確認できたしね」


 エクレアは落ちていた魔石を手に取り袋の中に仕舞った。

 あまりに慣れた手つきにこの状況すらエクレアにとっては予定通りのようだ。

 俺はその図太い神経に感心し、エクレアに尋ねる。


「エクレア。どうして普段からさっきの技を使わなかった」

「さっきの技って?」

「遠距離からの熱光線だ。あれができればもっと最小に動きで敵を葬れただろ」


 俺の真っ当な質問にエクレアは一瞬フリーズした。

 何か考えるような仕草をしていると、またしてもゴブリンがやって来る。どうやら偵察に来たみたいで、仲間が1匹いなくなっていることに不自然な挙動をみせる。


「マズいな」

「そうだね。じゃあ、どうしよっか?」


 エクレアは考えるよりも先に魔法が働いていた。

 俺が短剣を投げるよりも早く、先程の熱光線が背面から放たれる。

 完全にチラ見だけで敵の位置を捕捉すると、エクレアは瞬く間に撃ち抜いた。


「お前!」

「カイ君が言っていた魔法ってこれのことだよね? これも私の《黄昏の陽射し(サンライト・ライズ)》の応用だよ? 名前は特に決まってないかな」


 エクレアはゴブリンを正確に撃ち抜いた。

 一瞬でゴブリンを仕留めると声すら上げさせなかった。

 あまりに速すぎて、俺に目は追いつくことができず呆れてしまう。

 エクレアは「そんなに凄いことしてないよ」と謙遜しているが、逆にそれが腹が立つ。


「とりあえずお前は強い。しかもこの1か月そこそこで確実に強くなっているな」

「それはありがと!」

「別に褒めてないぞ」

「ガーン!」


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