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第51話 武器屋開店

いよいよお店をオープン!

 開店日当日。

 エクレアは店先を見ると、たくさんの人だかりができていた。

 列になっているのは冒険者だけではない。エクレアの作るパンの味を知っている人たちが買いに来ているようだ。


「凄い人。これ私1人でさばけるかなぁー」


 エクレアはたくさんの人に不安を抱くことはなく興奮していた。

 一方心配事もある。カイが倒れているからだ。


「カイ君は大丈夫かな。とりあえず仮眠室に隠しているけど……ごめん、カイ君」


 エクレアは仮眠室の扉を閉めた。

 それから腕まくりをして可愛いエプロンを切ると、店の開店を待つ。

 しかしここからが地獄だった。

 カイはあまりの騒がしさに魔力が回復することなく、起こされることになってしまった。


「な、何だぁ!」


 ドタドタと物音が聞こえてきて、俺は目が覚めた。

 絶対に短時間しか寝ていない。瞼が重くて体が動かない。

 けれどエクレアがいないことから騒がしく動いているんだろう。


「この部屋は……仮眠室か?」


 俺はベッドの上からゆっくりと降りた。

 扉を少しだけ開けるとエクレアが生き生きとした顔で作業をしている。


「大丈夫かエクレア」

「あっカイ君! よかったー、ちゃんと起きてくれたね」

「当たり前だ。俺はまだ死んでいない。だがこの騒ぎは何だ。……お前のその汗はなんだ」

「あはは……実はね」


 エクレアは何も知らない俺に説明しようとした。

 しかしすぐに店の中から声がする。


「すみませーん、この剣買いたいんですけどいくらですかー!」

「エクレアちゃん、パンまだ焼けないの?」

「なあこの防具って合わせてもらえないのかな?」

「このブレスレット可愛い。誰が作ったんだろー、欲しいなー」


 なんか凄いことになっている。

 当初の予定の三倍は客足が伸びていて、俺はビックリしてしまった。

 今更だがエクレアの宣伝効果は凄まじいと思い知らされる一方、1人では困難を極めていた。


「ああ忙しい忙しい」

「大変そうだな、大丈夫か?」

「うーん、今は大丈夫だよ。ただこれ以上人が増えると大変かな。誰かてるダッてくれる人がいたらいいんだけど……」

「……別料金だぞ。俺は高いからな」

「うん、もちろんだよ!」


 俺はエクレアの代わりにカウンターに出ることにした。

 エプロンを切る気はないので疲れた目でそのまま現れると、客は一瞬俺のことを心配していた。


「おい、あんた大丈夫か!」

「ああ大丈夫だ。とりあえず、その件は1500ユリスのところを今日は1000ユリスでいい。意図的に壊したら倍額払ってもらうが、試し撃ちはオーケーだ。だがやるなら外でやれ、もちろん逃がしはしないぞ」

「う、うっす!」


 まずは1人、冒険者を的確に店から追い出す。

 次はパンを待ち客たちだ。


「お案の方はエクレアが1人で焼いているがアイツならすぐに焼き上げる。後10分でも待っていれば次ができるから、今ここにいる客に優先的に回してもらう。それでいいな」

「いいわよ。あんた、なかなかわかっているじゃない」

「それはどうも」


 残りは武器と防具の客だ。

 とは言え女相手となると俺では流石に手に余る。セクハラと訴えられるのごめんだからだ。


「悪いな。うちは防具の仕立ての合わせはしていない。板金屋にでも頼んでくれ。ただしそこにある物はほとんどが高価だ。その分高い性能を有しているが、あくまでも斬撃と打撃に強いだけだから注意しろよ」

「なるほど。防具にもいろいろあるもんな」

「ブレスレットは全部俺が作った。装飾も宝石を彩ってある」

「宝石? この緑色のはエメラルドよね」

「そうだ。もっとも魔鉱石からできているもので、俺の友達のモンスターから幾分か貰ったものだからな。かなり希少なはずだぞ」

「そ、そうなの! じゃあ買おっかな」

「毎度あり」


 どんどん店の中が空いていき、入れ違いでたくさん客が入ってくる。

 流石に何処かで休みを入れないとしんどいが、最初の内だけだ。

 俺は正念場だと思い、気合を入れ直す。

 腕まくりをしてエクレアの真似をすると、淡々と接客をしていた。


「凄い、カイ君テキパキしているね!」

「これぐらいしないと落ち着かないだろ。とにかくお前は早くパンを焼け」

「はーい! お待たせしました、当店特製焼きたてパンでーす! 1時間経っても中はふわふわで冷めないよー!」


 エクレアの焼くパンは最高の味だ。

 俺も後でミルクパンを焼いてもらおうと思ったところ、急に口の中に押し当てられた。


「はい、食べて食べて。新作のミルクパン2号だよ!」

「うがぁっ! お前何するんだ! 毎回俺を怒らせるな」

「いいよいいよ。私怒られても気にしない、立ち直り早い。故に最強、最高! あっ、最光熱だよ」

「糞どうでもいいんだよ。とにかくお前はさっさとパンを焼け、出ないと俺は買えるからな」

「はーい!」


 俺は恥をかいた。

 とは言え客の前でそんなやり取りを繰り返しても俺の悪評が立つだけなので、仕方なく従うことにした。

 溜息を吐きながら、俺はエクレアと一緒にモクモクと頑張るのだった。

 冒険者生活は紆余曲折あるが、結局楽しかった。

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