第46話 ポーションが作れるのはデカい
【武器屋無双豆知識】
ちなみにエクレアはポーションを使わなくても《黄昏の陽射し》の副作用で細胞を自動的に活性化させてトカゲの尻尾みたいに何度でも再生するので関係ないです。
俺は思わず本音が出てしまった。
エクレアは俺から放たれた圧に気圧されてしまい、一瞬固まってしまう。
しかし首を捻っているようで、理解はできていないらしい。
とぼけるのはいい加減にして欲しいが、どうやら天然だった。
「えっと、ポーションが作れるの言ってなかったよね」
「そうだ。だから俺が聞いている」
「そんなに怒らないでよ。でもね、私も100パーセント確実に作れるわけじゃないんだよ」
「どういうことだ?」
「言ったでしょ。私の作るポーションは、即効性が強い代わりに蒸発も速いって」
「そこだ。あの時はスルーしたが、どういう意味だ」
俺はエクレアが言っていることの意味を深く理解するためより追及する。
するとエクレアは魔法のことを引き合いに出した。
「私の魔法、黄昏の陽射しは太陽の光だよ。光を熱に変える魔法」
「それは聞いたが、まさか回復効果にも応用ができるのか? そんなチートみたいな魔法が勇者以外に……」
「そうだよ! よくわかったね、カイ君」
まさか当たってしまうとは。
俺は絶句して言葉を失った。
「私の黄昏の陽射しは太陽の光。つまり太陽の持つ人を元気づけるのことに関しては右に出る者はいないと思ってるんだ」
「どんな大雑把な推理だ。だがそれは、立派な武器だ。しかも強力無比な諸刃の剣」
「諸刃の剣?」
「この間の自分を忘れたのか? 町の人みんなが心配していただろ」
忘れたとは言わせない。まさか自分の魔法に振り回される奴を見るとは思わなかった。
あれだけ強力な魔法だ。何かしらのデメリットがあってもおかしくはないが、血行を良くし過ぎて死にかける奴がいるなんて聞いたことがない。
そのことを忘れている奴など尚更だ。
「血行を良くし過ぎて、血管が破裂する奴が何処にいるんだ」
「あれはたまたまだよ」
たまたま。そんな軽い言葉だけで片付けていいわけがない。
俺はエクレアのことを心配して言っていた。
「いくら体が治るとはいえ、細胞分裂を無視しすぎれば肉体に異変が出るだろ」
「うーん。あはははは……」
「怖い笑いだな。もう何かあったのか」
「それは聞かない方がいいよ。聞かない方が身のためだよ」
エクレアの圧が重くのしかかる。これまでの優しい笑みとは真逆の強烈な威圧感だ。
けれど俺は気圧されなかった。一歩も退かず、表情の1つも変えない。
そんな俺に通用しないことを悟ったエクレアはそこで動じるでもなく、より一層鋭い眼を向けていた。俺は最後に溜息を付いて、エクレアに言った。
「あのな、怪我してまで自分の身をすり減らすのは英雄とは呼ばないぞ」
「私は英雄じゃないよ」
「英雄かどうかじゃない。自分のことを守れないような奴が、他人を守るなんて甘い考えは捨てろ」
「な、なんか凄い言うね」
「それぐらい言ってもいいだろ。ポーションもガンガン飲め」
「体に悪いでしょ、それ」
今更冷静になられても困る。
一番危険な方法で回復していた奴が言う言葉は何も耳に入らない。
「それでどうするんだ?」
「どうするって何が?」
「説教タイムはもう終わりだ。それより売り物のポーションを見せてくれ」
俺はエクレアの作った回復ポーションが気になって、少し見せてもらうことにした。
すると「お店の中にあるよ」と答え、俺を連れて店の中に入った。
俺はエクレアに連れられて店の中に入った。
すると中は埃っぽいかと思ったが、どうやら綺麗に掃除されているらしい。
俺の感想は正直で、声にならない感情だけだった。
「おー」
「凄いでしょ! まとまっているでしょ!」
「まとまっているというよりも、シンプルな作りだな。煉瓦造りの建物なのに、中は木造のバーのようだな」
「よくわかったね。ここはもともと山小屋で、私が依頼して改築してもらったんだー!」
「それであれだけ金が必要だったのか。にしてもシンプルな造りだ。謎にカウンターになっている……」
俺は店の中の雰囲気が嫌いじゃなかった。入ってすぐに棚が置いてあるので、カウンターから薬が取れるようになっている。
おまけに南側に窓が付いているので燈も確保されていて、店の半分近い空間がバックヤードになっているものの、何かと居心地がよかった。
俺は親指を立てて、グッドと表現しておいた。
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