第41話 鍋を買いに来た
誤字脱字が多いと思いますが、極力直したつもりですので、ぜひ最後まで読んでください! お願いします!
この店は俺の手には負えない謎が深い。
興味はあるがこれ以上いると飲み込まれる気がした。そこまでの好奇心を命を引き換えにでも得ようとは思わない。
俺はさっさと頼まれていたことをして帰ることにした。
「それで、兄ちゃんは何しに来たんだ」
「俺は鍋を買いに来た」
「鍋だと? ぐはっはっはっ! 見てわからないのか、この店には武器しか置いてねえ」
「そうだな。だが俺は知らん。言われてきただけだからな」
「言われてきた? 誰かの回しもんかぁ?」
「知らん。とにかく俺は鍋を買って来てくれと頼まれただけだ。それからコイツを売って来いってな」
俺は革製の鞄の中から骨を取り出した。
魚か牛かそれとも豚か、何もわからない。ただし白くて艶にある綺麗な骨だった。
「ほう、魔法の鞄か。珍しいな」
「それはどうも」
「それで取り出したのはコイツか。お前が狩ったのか?」
「まさか。俺がそんな風に見えるか?」
「まあ見えねえな。お前にそんな迫力はねえ」
「そうか……どうやら見くびられているみたいだな」
「だけどよ、弱くもねえ。そんじょそこらの連中とはくぐって来た修羅場の数が違うな」
おっさんの眼光が鋭く俺を睨みつける。ほんの一瞬で全身から殺気を零れだしてしまった。そうでもしないと耐えきれない。やはり相当の猛者で間違いない。
すると今度は不気味な笑みを浮かべ、酒の入った瓶をラッパ飲みで飲んでいる。
「殺気の出し方も心得ているな。それにさっき武器を心得ておるとか言ったな。そいつがか?」
俺の腰に備えられた剣を見て、おっさんは笑っていた。
だけどそう簡単に喋る気もない。しかし威圧感でわかられてしまった。
どうやら俺の想像を遥かに超えているらしい。
少しだけ見せてみたくなったので、武器庫の空間を開いて見せてやる。何か参考になるかもしれない。
「最近の俺の相棒はコイツだな」
「ほう、剣か。しかも魔剣だな」
「魔剣じゃない。とは言え魔鉱石は使っているがな」
俺は見せるだけ見せてみた。しかし触らせる気はない。
おっさんは離れた位置から見ただけで俺の武器の評価を言い当てる。
「良いもん持っているな。相当な業物だろう」
「流石だな。確かにコイツは俺史上、一、二を争うレベルの剣だ」
「形状がかなり独特だが、面白いな。しかも俺の知り合いからの伝手で来たとなると、コイツは悪くはできないな」
おっさんは店の奥に消えた。何をしに行ったのか、非常に気になる。
けれどすぐに追わなくてよかったと思った。
店の奥からたくさんの鉄の塊が俺に向かって飛んでくる。中には筋トレ用のダンベルなんかも無造作に飛んでくるので、かわすのが大変だった。
「おっ! 凄いな。よっ、そっ、うおっと!」
ガチャガチャ音を立て、大量のごみが無造作に放り投げられる光景はもはや汚部屋だ。
俺はいい加減にして欲しいと思ったが、おっさんは「おっ、あったぞぉ!」とけたたましい叫び声を上げ乍ら歓喜に満ちていた。
俺は散乱した店に中を軽く掃除して片付けてやると、店のカウンターにおっさんがいた。
両手に鉄製の鍋を握っている。黒い表面から見て中華鍋と言う奴だ。
まさかこんなものまで扱っているとは思っておらず、俺は呆気に取られる。
一体いくらか怖くなってきた。何せ金を預かって来ていないので、この骨の価値のよっては大損をこく。
「それは何だ。どう見てもただの中華鍋にしか見えないぞ」
「そうだな。普通の奴のはそう見えるだろうが、お前にはわかるんじゃねえのか?」
「どういうことだ?」
「持ってみろ。そうすりゃわかる」
そうは言われても俺は鍋みたいな調理器具は軽く料理をする時ぐらいでしか使わない。
1人で旅をしていた頃はよく簡単な料理を作ったものだが、中か鍋物経験自体はかなり薄い。チャーハンぐらいしか作ったことがないが、軽く持ってみると全身に鋭い感覚が伝わってきた。
「な、何だこれ! か、軽い。だけどこの質量はなんだ」
「それだけわかれば十分だ。コイツはな……」
「メタリカトータスか」
「……よくわかったな」
「前にコイツを使ったまな板を見たことがある。同じ素材だとわかって、俺もびっくりした」
「凄いな。まさかコイツがわかるのかよ……」
おっさんは俺以上に驚いていた。そんなに見くびられていたのか。
だが俺からしてみれば、こんな希少なレア素材を鍋にしていることの方が驚きだった。しかも中華鍋って、俺はドン引きだ。
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