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第38話 化かし合い

52話までの予定でしたが、毎日投稿にしてみます。

今日は2本目、クリスマスでクリぼっちの人も是非、暇でしたら読んで欲しいです。ごめんなさい、私も予定がないんです。

 クロムは俺の作った短剣を見ると高評価を付けてくれた。

 これだけマージンがあれば、ここからの化かし合いも優位に立てるかもしれない。

 けれど余裕はない。俺は気を引き締めると、乾いた喉を唾液で濡らした。


「なるほど。この短剣はかなり良い。うちの店でも取り扱いぐらいだよ」

「ちなみにそんなものでも買う人はいるんですか?」

「もちろんだとも。モンスター狩りに憧れを抱いている貴族の子供が買ってくれるからね」

「そんなものを買う金があるのか……俺にはわからない話です」

「僕もですよ。さてと、こんな良いものを提供してくれる方です。きっとさぞ素晴らしい宝石を持っているのでしょうね」

「宝石は持ってない。けど金ならある」

「ほほう。是非見せていただけると嬉しいな」

「当然です。それより、金額は弾んでくださいね」

「ものに寄りますよ」


 クロムもなかなかに腹の内が固い。

 俺は鞄の中から金買いを取り出す。この数日掛けて一度全部溶かしてから、俺が肩に入れて再度固めなおしたものだ。

 こう見ると金の延べ棒とはかなり重いんだな。

 鈍器に使ってもバレそうにない。


「金塊ですね。しかもこれはなかなか……しかも重い」

「1つ当たり1キロはありますよ」

「なるほどなるほど。これは確かに上物だ」

「まだこれだけじゃないが……ちなみにこの純度ならいくらになる?」

「そうですね。……2000万、いえ2500万ユリス出しましょう」

「25ですか……なるほどなるほど。はい!?」


 俺は心臓が飛び出しそうになった。

 腹の下がむかむかとしていたが、それが胃液と一緒に押し上げられそうになる。

 金とはこれほどまでに人の心を惑わせるのか。


「それは本当ですか! 嘘じゃないんですよね?」

 俺は食い気味になって聞き返した。

 するとクロムは冷静沈着に答えてくれる。完全に俺の方が熱くなっていた。ペースを乱されている。

 これじゃあ完全に思う壺じゃないか。


「そうですよ。これだけ純度が高い金塊ですと、それだけの価値はあります」

「なるほど。では少し変わり種でも見せてみますか」

「ほほう、変わり種」


 俺は鞄の奥に手を突っ込む。

 魔法の鞄の中身は四次元だ。俺もすっかり忘れていたが、確かエメラルドが入っていた。

 しかも只のエメラルドじゃない。魔力を持った魔鉱石の一種だ。


「えーっと、俺は価値があまりわからないんですけど」

「エメラルドですか。しかも魔力を宿しているかなり高価な代物ですね。重さは……3グラムですね。箱に入っていないのが残念ですがこれをどこで?」

「カーバンクルって言うモンスターを観察している時に偶然」

「カーバンクルの巣窟ですか? それは大変貴重な代物で、宝石商が一度は行ってみたいところじゃないですか! いいですねー」

「そんなに大した場所じゃないですよ」


 俺はカーバンクルに何度も会ったことがある。

 もちろん狩りにではなく、狩りの最中に助けたカーバンクルの子供を巣窟に連れて行ったからだ。

 その度に巣窟となっていた洞窟の壁に埋まっていた宝石の一部をいただいて帰っていただけ。俺は運がいいだけだ。


「こんな貴重なもんをお手放してもいいんですか!」

「テンション上がってますね。もちろん構いませんよ。俺はモテ居ても何の意味もない品です」

「それはありがたいです。今度発表予定のティアラにはエメラルドがどうしても必要だったんですよ」

「そうですか。ちなみに値段は?」

「800万ユリスですね」

「1000万になりませんか?」

「1000万ですか?……わかりました」

「わかられた」


 これだけ価値があるものなのか。宝石の持つ魔力は本当に魔性に近い。

 俺は身震いしそうになる体を抑え込むと、宝石はこりごりに思った。

 それに本当に宝物の宝石は、既に武器になっている。

 エクレアの前にも披露してみたいものだと、不敵に笑みを浮かべる。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)


ブックマークやいいねなども気軽にしていただけると励みになります。


また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。

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