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第24話 鉱山の奥地に行きたいのだ!

少し過去編が入ります。

結局勇者パーティーはマーリィ以外は被害者なんです。

 エクレアは鉄鋼刃を取ってくれた。だけど俺にくれないらしい。意地悪だ。

 とは言えパーティーメンバーだからと言ってこんな貴重なものを手放したくないのも理解できる。

 けれどどうしたら貰えるのだろうか。これがあれば……アレが作れる。


「くれないんだな」

「ううん、上げるよ。だけど条件があるんだ」

「条件? 何だそれは」

「ふふーん、次の私のお願い。聞いてくれたらいいよ」


 ピッキーン!


 俺は頭の中で凄まじい警告音が鳴り始めた。

 ここでイエスと言っても良いのか。いいや違う。ここはノーと言うべきだ。

 だけど俺が断ろうとする前に、俺の油断と考える隙間を縫ってエクレアの研ぎ澄まされた刃が喉元に食い込まれる。

 逃げられる。逃げられるのに……くそ。


「はい。上げるから、これで約束だよ」

「それは強引すぎるだろ」

「ふふっ。女の子はいつも強引で強情何だよ。研ぎ澄ました光の刃には甘―い甘い毒が塗られているの。カイ君も、少しは女心が解っていた方がいいと思うよ」


 エクレアの笑みが本心から来るもののはずなのに不気味で怖かった。

 全身の毛穴と内側の血管が悲鳴を上げている。

 だけど受け取ってしまった以上、もう逃げることはできない。


「わかった。それからその助言は肝に銘じておくよ」

「そっか。それじゃあ、一つ気になることを話してもいい?」

「何だ。まさかとは思うが……」


 俺はエクレアの視線を凝視した。

 そこは鉱山の奥。廃鉱山となっているはずなのに、絶対に言ってはいけないと警告してくるこの軋む音。俺は上級冒険者として言う。この先は危険だ。


「向こうにどうして金があるのかわからないけど、鉄鉱石も十分集まったから行ってみない?」

「行かない。そもそもその必要がない」

「釣れないね。だったら私は勝手に行くね。このうずうずする好奇心を閉じ込めておくなんて嫌だから」

「勝手にしろ」

「じゃあ勝手にするね」


 エクレアは太陽の聖剣片手に鉱山の奥に向かっていた。

 俺は気にせず鉄鉱石を鉱山の外側に持って行くと、縄を使って縛っておいた。

 それから鉱山の入り口を睨んでみると、やはりエクレアのことを考えた。心配だ。


(胸騒ぎがする)


 *


 俺はランプを取り出して、もう一度鉱山の中に足を運んだ。

 よく見るとゴツゴツとした地面には、金色のものが混ざっている。

 鈍い色をしているが、どうやらエクレアが見つけた金鉱石と同じものだ。


「まさか戻って来るとはな」


 俺も大概甘い。そう言えばリオン達とパーティーを組んだ時も、こんなことがあった気がする。



 森の中を歩いていた。湿っている森だ。足下がぬかるんでいてすぐに持って行かれそうにる。


「ううっ、気持ち悪い。どうして私達だけがこんな目に……」

「仕方ないだろ。あの女は汚いこと面倒なこと目立たないことの全てを嫌うからだ」

「それって私達に面倒なことを押し付けているわよね」

「そうだろうな」


 俺とフレアはこの森に依頼を受けたのでやって来た。

 リオンが勝手に受けたものなのでマーリィは絶対に来ない。

 バレットも別の要件で来られず、リオンはマーリィに連れていかれた。だから俺とフレアの2人だけがここにいる。だがそれは……


「私先に行くから」

「どうしてだ。この森は底なし沼もあるというぞ。勝手な行動は……」

「いいでしょ。私だってあの女から離れられて嬉しいの。この静かな時間を味わいたい。だからカイはさっさと花を採って来てよ」


 フレアは俺を睨みつけた。

 だが本人がイラついているのは俺にだって解る。だから一回だけ頷くと、俺は花を採りに行った。何、今回の依頼品はこの森の奥だ。俺ならすぐに見つけられる。


「さて、このまま何事もなければいいが……」


 俺はフレアに言われ1人採取に向かった。

 しかしフレアはたまに抜けているところがある。

 俺は布で顔を隠してはいたが、表情は歪めてしまった。

 それから俺は程なくして報酬を手に入れたのだが、フレアが一向にやって来ない。


「おかしいな。フレアの足ならもう追いついてもいいはずだぞ」


 俺は首を捻った。フレアは魔法使いだ。【魔女】とも呼ばれている王都でも有名な魔法使い。

 アイツは絶対に頼りになる。名前だけではい。

 この湿った沼地(ひし)めく(ひし)めく森の中で、アイツに魔法はかなり有効打のはずだ。それが何故……


「何かあったんだな。だがアイツが助けを……はっ!」


 俺は頬を照り熱くなるものがあった。

 全身をブワッと炎が駆けるように、熱風が高鳴った。

 この魔力はアイツのフレアのものだ。


「この魔法はフレアのものだな。だが……」


 俺はアイツが助けを呼んでいると思った。

 だから走った。全力で走った。

 一瞬布が剥がれそうになったが、俺は全身全霊で魔力の匂いを追ったんだ。

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