第14話 ミルクパン
明日から2話投稿になります。
お昼と夜20時過ぎに投稿予定ですので、とりあえず52話まで応援してくれると嬉しいです。
ちなみに予定ではその後も続きますが、また違う作品を投稿するのでそちらの方も応援してくれると嬉しいです。
エクレアはパンを焼き上げていた。
一体何を見せられているんだ。
俺は時間が経つのを待っていた。
(まあ、待つのは嫌いじゃないからな)
俺は椅子に座って自分の焼いたパンかじった。
旨いけどパサパサする。しかし外はカリッとしていてバターを表面に塗っておいてよかったと心の中で唱える。
けれど何度かじってもパサパサしてモシャモシャする。
正直好みではないが、食べられるだけマシだ。
「美味しいですねカイさん」
「そうですか?」
「はい。私は水分の少ないパンの方が好き何です。唾液が多いですからね」
「唾液……東洋人は少ない人が多いですもんね」
「東洋人……あっ!」
俺はうっかり口を滑らせてしまった。
するとクルミナはやってしまったと頭を抱える。
けれど俺はすぐさま切り返し、クルミナの罪悪感を軽減した。
「大丈夫です。俺は食べられますから」
「そうですか?」
「はい。元々王都にいたので慣れていますよ。携帯食料のマズいレーションに比べたら全然食べられます。ちなみに虫は旨いですよ。カエルもヘビもしっかり下ごしらえをしたら美味です」
「そうですよね。美味しいですよね。じゅるり」
じゅるりとクルミナが舌を鳴らした。
流石にカエルやヘビを日常的に食いたくはないのが本音。
そんな無駄話をしていると、「できました!」とエクレアが叫んだ。
「さあ皆さん、食べてみてください!」
オーブン天板の上に乗ったたくさんのパン。
全部同じ形だが何処か白い。
けれどオーブンの密閉状態から開放されて瞬間、とてつもなく香ばしい甘い香りがキッチンに漂う。
「うわぁ、とても美味しそうな匂いですね」
「そうですよね! はい、カイ君。食べてみて」
「やっと正解がわかるのか」
「うんうん。味わってみてね。私の自信作なんだよ」
俺はオーブン天板の上からパンを1つ掴み、口の中に運ぶ。
できたてなので熱々で、舌が焼けそうになった。
しかし不意に顎が閉じ、白い歯がパンの表面に触れるとサクッとした触感とはまた違うが、モシャモシャとした生焼けとも違う何処かふわりとした気持ちになる。
正直に言おう。触感だけで言えばグッドだ。
「何か甘いな。やっぱり牛乳か?」
「正解正解、大正解! 私ね、一回ミルクパンを作ってみたかったんだよ。だから通常よりも長い時間休ませて、定時間で焼き上げたんだ。牛乳の風味と甘い香りが残っていて美味しいでしょ?」
「そうだな。それにしても中の触感が……」
俺が食べたミルクパンはパサパサしていなかった。
ふわふわでもちもちとしている。かなり水分が多いが、それは牛乳をふんだんに使用し生地に水分を残したからだろう。
休ませ多分生地全体に水分が行き届き、定時間で焼き上げたため牛乳の甘い香りを残したまま中身がもちもちになった。つまり水分がたくさん残った状態と言うことだ。
「美味いな、これ」
「そうですね。ですがエクレアさんはどうして不満そうなのですか?」
確かにクルミナの言う通り、エクレアの表情は暗かった。
美味しくないのだろうかと思ったが、何かぶつぶつと呪文のように唱えている。
耳を澄まして聞いてみると、「ちょっと水分が多かったね」と反省しているようだが、俺からしたらその水分残しがありがたかった。
久々に俺好みのパンにありつけた。
「それにしても水分が多かったはずなのに、仲間でふっくらとしていますね。ここには普通の小麦とイースト菌しか置いていませんが……」
「それはですね、私の魔法なんです」
「魔法ですか?」
エクレアは質問が投げかけられると素早く答える。切り替えがとても早くて驚いた。
だけどそれは俺も気になる。
けれどエクレアの説明はよくわからなかった。
「私の黄昏の陽射しは太陽なんです。熱く燃えて眩しく光る。だから黄昏時の夕陽みたい何です!」
正直に言おう。マジでわからなかった。
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