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バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話  作者: 紅赤
第4章・魔剣争奪戦編
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第85話 暴食少女

みなさん、大丈夫ですか?

北海道はとても気温が下がりました。

でも一番怖いのは気温ではありません。

本当に怖いのはガスストーブに使うガス代です。

 時を同じくして、こちらでも激しい戦いが行われていた。


「……狩るよ、暴食の魔剣(ベルゼブブ)!」


 小柄な少女が不気味に胎動するノコギリを振るうと、響いたのは咀嚼音。

 魔剣同士がぶつかり合って鳴るはずの金属音は無く、怠惰の魔剣(ベルフェゴール)に纏われた魔力のみを、暴食の魔剣(ベルゼブブ)が喰らいつくす音。

 触れた瞬間に相手の魔力を喰らう暴食の魔剣(ベルゼブブ)の能力――暴飲暴食(ベルゼビュート)によるものだ。


「……美味しいね、そのくま」

「今はクマじゃねーよ」


 棍棒とノコギリという異色の形状をした剣が激しく衝突する中、劣勢なのはタローであった。

 魔剣同士が接触する度に怠惰の魔剣(ベルフェゴール)から魔力が無くなる。

 そしてその都度、魔力を付与していた。

 すなわち、タローは魔剣を一回振るうごとに(おのれ)の『怠惰』を消費しているのだ。

 普通の者ならとっくに枯渇して魔剣に命を喰われているだろう。

 それが起きないのは、タローが常軌を逸した怠け者であるが故である。


「あー、制御が面倒くせぇ!」


 だが、タローは決して魔力を無駄遣いしてはいなかった。

 魔力を喰らう魔剣ベルゼブブ。

 ならば魔力を付与しなければいいのでは? と思うが、そう簡単にはいかない。

 強力な能力を有する魔剣だが、それだけが強力なのではない。

 能力を使わずとも、ただ振るうだけで相当な威力を発揮するのだ。

 そして、アリスも暴食の魔剣(ベルゼブブ)に魔力を纏わせて攻撃を行っていた。

 そのため、こちらも魔力を纏わせなければ怠惰の魔剣(ベルフェゴール)の身が持たない。

 それを察したタローは、暴食の魔剣(ベルゼブブ)の威力に負ないギリギリの魔力を怠惰の魔剣(ベルフェゴール)へ付与し、失う魔力を最低限まで減らしたのである。

 タローは馬鹿ではあるが、愚か者ではないのだ。


(つっても、このままじゃジリ貧だよなぁ……)


 アリスが付与する魔力は、喰らった魔力も上乗せされ凶暴な量が纏われていた。

 タローもそれに合わせ魔力を調整しているのだが……。


 いかんせん、喰らう魔力の()()()()()()、触れるたびに、ゴッソリと魔力を持っていかれてしまう。


「まったく……俺は人の『一口ちょうだい』は嫌いなんだっつーの!」


 連続で喰らいにかかるアリスを、タローは力尽くで押し返した。


「……わお」


 喰らったことの無い衝撃がアリスに襲い掛かる。

 が、寸前で喰らった魔力を身体に纏わせることでダメージを最小限に抑えた。

 それを見て、タローは眉をピクリと上げる。


「へぇ、そんなことできんだ?」


「……なにが?」首をかしげるアリス。


「いや、身体に魔力纏わせられるんだなって……」

「……うん。からだにふよすれば、すこしだけど攻撃力とか防御力、速度をつよくできるの」

「ふーん……知らなかったな」


 新情報かつ有意義なことを聞き、やってみようかと検討するタロー。

 だが、喰われる魔力のことを考えると節約したほうがよさそうだと判断し、その作戦は早々に却下した。

 タローにとって本当に有用な情報だったのだが、それを教えたのはアリスが素直すぎるのか、はたまた余裕からくる(おご)りなのか……――


「ホント……よく食べる子だな」

「……いくらでも食べるよ?」

「そんなに食って大丈夫なのか?」

「……アリスの食欲をなめないで」


 アリスは一瞬だけ瞳を陰らせた。


 ――『食べる』ということは、『生きる』ことだ。


 アリスは『生きる』ことを、全力で楽しもうとしている。

 生きたいから、食べたい。

 無邪気に、ただ無邪気に……何も心配することなく、だ――


(……アリスは食べる――もっともっと……もっと食べるんだッッ!)


 アリスの天井知らずの食欲は、この世界に転移してから始まったことだった。


 なぜ、そこまで『食』にこだわるのか――


 それを語るには、アリスが元の世界にいた時間軸に遡らなければならない――

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