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バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話  作者: 紅赤
第4章・魔剣争奪戦編
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第77話 神託と空腹

次は誰VS誰かな……。

「そっか……あいつもう負けてたのか」


 アキラの敗北を知らされたとき、タローは意外そうな顔で呟いた。

 アキラの実力は知っていたし、そうそう負けはしないと思っていたのでこの出来事は予想外だ。

 しかし考え方を変えれば、面倒な仕事が一つ減ったとも言える。

 ポジティブに考えてホッとするタローに対し、タマコは疑問を浮かべていた。


「シャルルよ。いったいその情報はどこから手に入れたものなのじゃ?」


 この疑問は最もだった。

 戦いの最中に『誰が戦っていたか』、『誰が負けたのか』などの情報は知らされていない。

 シャルルの情報が正確なものかはわからないが、嘘をついているようには思えなかった。

 ただ単に自分たちが戦闘中で気付いていなかっただけかもしれないが、その情報源は気になるところである。

 タマコの質問に対しシャルルは素直に答える。


「それは、神からの"お告げ"があったからです」


「"お告げ"?」


 首をかしげるタマコにシャルルは「はい!」と答える。


「わたしのスキルの名前は『奇跡祈願(ジラーニイ)』。

 神に願うことで()()を呼ぶことができるんです!」


 スキル――奇跡祈願(ジラーニイ)

 転移前、シスターだった彼女に発現したのがこのスキルだ。

 神に祈りを捧げることで、様々な能力を使うことが出来る。

 だが攻撃手段は皆無で、主に行うのは回復や情報伝達などの支援である。

 今回の"知りたい情報を知る"ことができるのがスキルの能力の一つ『神託』だ。

 制限はあるものの、ある程度の情報ならほぼ全て収集可能という技である。


「ほぉ~便利なスキルじゃのぉ……」


 有用な能力にタマコも思わず感心する。


「働かずに生きるにはどうしたらいいですか?」


「何訊いとるんじゃ。神の無駄遣いするな」


「タロー様が働かずに生きるためには――」


「いやクソ真面目に神託貰わんでいいから!」


 タローのどーでもいい質問に答えようとするシスター。

 タマコが止めなかったらどんな結果だったのかは気になるところではある。

 しかしながら現在は割とシリアスな状況だ。その疑問はいつか判明するとして、次の動きをどうするか考える。


「ちぇ、チャンスだったのに……」


 ちょっとだけイジけるタロー。

 そんな彼を律義に慰めようとシャルルが手を伸ばした時、頬の傷に目が()まった。


「タロー様、そのケガは――」


「あー、ちょっとね……」


 痛みも引いていたためタロー自身も忘れていた傷。

 言われて思い出し、傷口に手を添える。

 だが聖女は一目で見抜いていた。


「それ、魔剣の傷ですよね?」


「え、うん。そうだけど……」


 タローは()()()()()()()()とは一言も言っていない。

 けれどそこはSランクのヒーラー。傷の種類を当てることなど造作もない。


「やっぱり。傷の感じが変だと思いました」


 そう言うとシャルルは胸の十字架(ロザリオ)を握る。

 するとアキラを治療した時と同じく、タローの身体を優しい光が包み込む。

 ほどなくすると、頬の傷は瞬く間に治っていった。


「おぉ、治った」


 頬の違和感が消え驚く。

 わかりづらいが喜んでいるようだ。

 その様子を見てシャルルも「良かったです」と微笑む。

 すると、後ろからエリスが歩み寄ってくる。


「タローちゃん? 魔剣はケガが治りにくいから、今度からは気を付けるのよ~?」


「え、そうなの?」


 驚き訊き返すと、エリスは説明する。

 魔剣は持ち主の特定の感情を喰らうことで魔力を生成することが出来る。

 タローが特大の魔力を放てているのは、自身の"怠惰"の感情を喰わせているからだ。

 しかしその魔力は特殊なもので、傷口を治りづらくさせる効果があるのである。

 大回復薬(ハイ・ポーション)以下の回復薬は効果を示さず、完全回復薬(フル・ポーション)並みの強い効果があるものでなければ傷口はふさがらない。

 だが軽傷ならともかく、大きなダメージに対してはその体力までは回復しない。

 傷口だけはふさがっても、気怠さや痺れなどが残るのである。


「そんな話聞いてないけど?」


「……言わなかったか?」


 タローがジト目を向けるとタマコは惚けた。

 どうやら忘れていたらしい。

 タローが無言の圧力をタマコに掛ける中、エリスが唐突に話しかけてくる。


「さて、ここでジッとしてるのもなんだし、どこかへ移動しない?

 あたしお腹減っちゃった~」


 のんびりとした口調で言うが、それを聞いてようやく各々空腹なことに気が付いた。

 もういい時間だ。食事にはちょうどいいだろう。


「向こうに美味しい果物の木があったはずじゃ。行ってみるか?」


「賛成~♡」

「わかりました」

「れっつらごー」


 エリス、シャルル、タローがそれぞれ返事をすると、さっそく目的の場所へと向かうのであった。




 ***




「ん、そういえば――」


 足を進める中、タローはレオンの言葉を思い出す。


『向こうのほうに、休めるところがあるので、そっちに移動した方がいいですよ』


 タローたちはレオンの言った方向に歩いていった。

 そして偶然か否かわからないが、タローのケガは治った。

 結果論でも何だろうと、タローは本当に()()()のだ。


レオン(あの人)は……エリスとシャルルがいることを知ってたのか?)


「――の……主殿?」


 疑問に思うタローだったが、タマコが話しかけたことで意識を戻す。


「ごめん。なに?」


「ボーっとしとったからの。どうかしたのか?」


「……いや、別に」


 気にはなったものの、考えても仕方ない。

 タローは気を取り直し、目的地へ歩みだした。

「続きが読みたい!」

「面白かった!」

「これからも頑張ってほしい!」

等々、

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シャルル「と、登録よろしくお願いします……///」


タロー「かわいい」

「(^・ω・^)」

(訳:かわいいです)

タマコ「あざとい」

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