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バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話  作者: 紅赤
第3章・神聖デメテール国編
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第24話 犯人

 アレンたち孤児を必ず救うと約束したタロー。

 日に日に犠牲者が出ている以上、今日中にはケリをつけたいところである。

 だが自分では解決できないと考えていた。

 タローは自分にそこまでの思考力はないと分かっているからだ。

 出来ることしかやらない、ならばできる奴に考えてもらおう。

 そのために何か一つでも情報を集めるのが今できる最高の行動であった。


「少年って、最近変わった出来事とかあった?」


 タローが尋ねるとアレンは「変わったことか……」と考え始めた。


「なんかこう……普段しないことをされたとか、したとか」


 するとアレンは何かを思い出し、「ちょっと待ってて」と自室へと走っていった。

 戻ってくると一枚の用紙をタローに渡す。

 そこにはアレンのステータスが記されていた。


「呪いが広まる前に定期健診するって言われて、そのときだけステータスも測られたんだ」


「ステータス?」


「いつもは測らないのに何でかなって思ったんだけど……」


 用紙には、


 攻撃力:70

 防御力:50

 速度:60

 魔力:0

 知力:250


 と記載されている。

 アレンの数値は他の子どもたちより少し低かったらしく、友達にからかわれたという。

 そのことがきっかけでこの日の出来事を鮮明に覚えていたようだ。


「やっぱりボクって冒険者慣れないのかな?」


「今後の努力次第さ。食って寝て鍛えて大きくなれ」


 先輩冒険者からの激励にアレンは笑みをこぼし「うん!」と力強くうなずいた。


「それにほら。知力なんて100よりデケェんだからいいじゃねぇか」


「……お兄ちゃんバカにしてる?」急にジト目になる。


「え、なんで」


「だって、知力100ってちょっと賢いチンパンジーと同じ数値じゃん。だれでも100以上はあるでしょ」


「…………」


「……お兄ちゃんもしかして100より小さ」


「いや、100以上はあるぞ」


「そ、そうだよね! ちょっと心配になっちゃったよ」


「ソウダヨ、ソノトーリダヨ」


「あれ、何で急にセリフが棒読みに?」


 知力100のタローは人生で初めて勉強しようかなと思った。




 ***




 時刻が18時になると施設内にチャイムが響いた。


「あ、そろそろご飯の時間だ」とアレンが反応する。


 もうそんな時間かとタローもそろそろ帰ろうとしたとき、ふと疑問を感じる。


「なぁ、園長が入院してるなら誰が飯作ってんだ?」


 ここに残ったのは園長だけしかいないと聴いている。

 子供たちだけで料理をしているとは思えない。


「いつも園長が作ってたけど、最近は届けてくれるようになったんだ」


 アレンの話によると、園長が居なくなった後、とある人物が訪れて食事を配給するように手配してくれたという。

 子供たちはそのことにとても感謝したという。


「少年……その人って誰だ?」


 アレンはその人を尊敬しているのか、嬉しそうに答えた。





「……――だよ!」






 ***




 アレンと別れを済ませたタローは一度宿に戻った。

 部屋にはタマコが居り、お互いに情報を共有することにした。

 タマコは話を他の者に聴かれないように遮音結界(サイレンス)という魔法で周りに音を漏れないようにした。



「――、――…………」


「――――――――、 ――――。」


「――ッ!?」


「…………――――」


「――――」




 互いの情報を共有した二人は事件の真相にたどり着いた。

 そして二人は英気を養うと、それぞれの戦場へと向かった。




 ***




 時刻は午前0時。

 タローは既に墓地へと降り立っている。

 一応すべての兵士たちには街を警備するように指示しておいた。

 それはタマコが考えた()()()()()()()通りになると自分たちだけでは手を回せなくなる可能性を考えた結果だった。

 もちろんそのようなことにならないように最善を尽くすつもりだ。


「さて、と……お出ましか」


 タローの眼前に先日倒さなかったワイト20万体が地面から這い出てきた。

 見ただけで絶望してしまいそうなおどろおどろしさがその場の空気を凍りつかせる。

 タローは右手に魔剣を構える。

 死者の雄叫びを上げながらワイトたちが襲い掛かる。


「今日で終わらせるぜ。こんなめんどくせーこと!」


 一人の生者が動く死体を迎え撃った。




 ***





 コツコツ、と一人の足音だけが響く。

 その音が止んだのは一人の男の背後に立った時だった。


「お取込み中だったか?」


「……何か御用ですかな――タマコ様」


 その男――カイエンはゆっくりと振り向いた。

 顔にはいつもの笑みを浮かべている。

 タマコは腕を組むと近くにあった柱にもたれかかる。


「あぁ……お前と話したいことがあってなカイエン」


「私と、ですかな? いったい何でしょうか?」


「単刀直入に言う。カイエン――」


 タマコはそのままの姿勢でカイエンを睨みつけた。


「犯人は貴様じゃな」

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