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バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話  作者: 紅赤
第4章・魔剣争奪戦編
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第95話 憤怒と傲慢(決着)

六感覚醒(シックスセンス)

 レオンのスキル<強化五感(スーパーセンス)>の最大解放。

 その能力は"30秒以内に起こることを視ることができる"というものだ。

 しかし、この最大解放にはもう一つの能力が存在する。

 それは、"1か月以内に起こる未来を一度だけ視ることができる"ことである。

 使用すれば発動から24時間スキルが使用不可になることを条件として、好きな未来を視ることが出来る。

 先に結果を見るのはつまらない、と言うレオンは、この力を滅多に使わないが……。


 けれど、その日は違った。

 レオンは魔剣争奪戦が始まる3日前に、珍しく最大解放を発動していた。


『…………やれやれ、だ』


 思わずため息が出た。

 そこで視た、この戦いの結末に――


『やはり勝者は君ですか……ムサシくん』


 予想通りの決着だった。

 ムサシの実力は知っているし、「やっぱりか」という感想が初めに思い浮かぶ。

 普段ならそれで終わりだ。


 ……ただ、今回は違う。


『ムサシくん……君を優勝させるわけにはいかない』



 ・・・・・・・


 ・・・・・


 ・・・



 傲慢の魔剣(ルシファー)の刃が、ムサシを貫こうとしていた。

 そしてムサシはこちらにまだ気づいていない。


 あと一歩。

 あと数十センチ。

 勝利は、レオンに傾きかけていた。


 そんな折、レオンは勝利を確信するわけでもなく、ただ冷めた目でこれから起こる未来を覚悟していた。


(ムサシくん、君は強いです。

 それだけは誰も否定できない、(れっき)とした事実だ。

 ……なのに君は、それで満足せず、まだ上を目指そうとしている)


 素晴らしい向上心――

 素晴らしい精神――


 誰もが見習いたい心構えだ。

 でも……


(私はそんな君が時折――狂気に見えるんです)


 思い出すのは、一度だけ見たムサシの修行風景。

 ムサシの背後には数千を超えるモンスターの死体が無造作に転がっていた。

 無論、全てムサシ一人で狩られたモンスターたちだ。


 その光景に、レオンは恐れを抱いた。

 けれど、その圧倒的なまでの強さに、柄にもなく憧れも抱いていた。


 そして確信したのだ。

 この世界で一番強いのは、ムサシ・ミヤモトである――と。


 魔王リッカ=ジード=エメラルドよりも

 魔王ハンター=クロス=トパーズよりも

 魔王リアム=エリス=アメジストよりも

 魔王タイラント=マリア=コバルトよりも

 魔王アルバート=ルビーよりも

 魔王アンブレラ=サファイアよりも

 魔王ハザード=ダイヤモンドよりも

 ラン・イーシンよりも

 アキラ・アマミヤよりも

 アリス・ワンダーランドよりも

 もちろん、レオン・フェルマー自身よりも


 ムサシは誰よりも強い。

 それは紛うことなき事実だ。


 それなのに、


 ムサシはいつも……


 いつも、いつも、いつもいつもいつも……――


 自分に、憤怒(いかり)を抱いていた。



(君は力を求めすぎている。

 魔剣をすべて手に入れたら、きっと君は破滅してしまう!)


 全ての人々が、幸せに満ちるように――


(私は君にも幸せでいて欲しいのだ……笑ってほしいのだ――)


 誰一人、悲しみに打ちひしがれないように――


(けれど、すみません。

 情けないことに、私では力不足みたいだ……)


 全ては――


(だから私は()に賭けます。

 この戦いの――未知の可能性(イレギュラー)に……)



 ――より良い未来のために――




 ・・・・・・・


 ・・・・・


 ・・・




 ポタ……ポタ……――



 黒煙は消え、視界は良好となっていた。


「……さすがだよ……ここまで追い詰められたのは、ハザード以来だ」


 その場に響いた声の主は、ムサシだ。

 横からは、地面をたたく雫の音が聞こえてくる。


「やれやれ……やはり未来は視たくないものだ」


 面白味も何もない。と付け加えるのはレオン。

 彼はムサシに腕を突き出す姿勢で止まっていた。


「……やっぱりレオンさんは嘘つきだ」

「何を言いますか……」

「僕には手も足も出ないとか、以前(まえ)に言ってたくせに……――」


 ムサシの足元には、血溜まりで溢れかえっている。


「僕に……"奥の手"を、出させるなんてさ」


 その近くで、傲慢の魔剣(ルシファー)を握った腕が地面に転がっていた。

「続きが読みたい!」

「面白かった!」

「これからも頑張ってほしい!」

等々、

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