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後編


何故ですの?

テーブルは姉は姉達で

妹は妹達で座るなんて

生で姉妹の会話を聞く為に参りましたのに

コレでは来た意味がないですわ!!!


……どうしましょう

友人も居ない茶会に放り込んむなんて

会話も聞こえないし、心配ですわ


皆様妹達が心配では無いのですか!?

平気な寧ろ生き生きとした顔がしてますが…理解出来なくてよ


「妹がーーー」

「其方も。此方もずるいずるいっとーーー」

はぁぁやっぱりこの会話になりましたわ

分かってたとは言え、もう皆様ずるい自慢が止まりませんわ


暇ですわ。お茶もお菓子も美味しいからいいんですけど、あの子もこのフルーツタルト食べるかしら

!!何て事っ

妹達のテーブルとお菓子の内容が違うわ

ダメよ。いえ向こうのテーブルも内容は凄く良いのよ

でも私、この会場に着いてあの子に山盛りのフルーツタルトが食べられるわよって言ってしまいましたわ

大変ですわ!


思えばこの時帰っておけばと、今更ながらに悔やんでおります


そうこうしている内に彼方のテーブルに不穏な空気が

「妹達のテーブル少しおかしくありません?」

「えっそう…ですわね」

「そんなに心配されなくても」

「そうですわ。火の粉は此方にまで飛んで来ませんわ」

「彼女達も、もう直ぐ淑女の仲間入り。でしたらこの様な場の収め方ぐらい身に付けないと」

「社交の場に出て醜態を晒す事になり兼ねませんからね」

皆様何故笑顔で悠長な事言えるのか、解りかねます

「少し彼方に行って参ります」

皆様何か仰ってますけど、あの子が気になって其れ処じゃありませんわ



「謝って下さい」

「何故。意味が分からない」

嘘ですわァァ

うちの子が絡まれてるなんて

どっどど どうしましょう

何処の娘…あっ主催者の妹君じゃなくて

落ち着いて。冷静に話し掛けましょ


「どうなさいまして?私の妹が何か」

「!!っ」

あら皆様何をそんなに驚かれているのかしら?

あの子は平常運転ですけど

「あっあのっ私達はそのっ…」

「自身の生活環境や生い立ちの話しになりまして…」

「そしたら…ふぇ〜ん」

えっ泣きますの?

話しの要領も得ないですし、何ですのコレ?

マイシスターお願い。翻訳を

「皆様が、各々の『お姉様ばかり優遇されて、ずるいずるい』っと仰ったので、貴女達は親に愛されていないのですね。っと言ったらこの有り様です」

まあ、そうだったの。

ソレならそうとハッキリ仰っれば良いのに

「御免なさいね。不快な思いをさせて」

「いっ言えそんな…」

あらもう涙が止まってますけど

「この子優秀なんですけど、淑女としてはまだまだで、本当の事しか言え無いのよ」

「「「えっ…」」」

「御両親の愛を受けられないなんて、お可哀想に。

この子は家族からも婚約者からも領民からも愛されてるからこの様なデリケートな話題に触れて動揺してるのよ」

「違います!」

「私達は、両親に愛されてます」

「そうです!!」

「寧ろ愛されて無いのはお姉様の方よ」


あらあら

でも、冷遇され、優劣を着けられてると。

でしたら……私のお馬鹿さん!幾ら愛されて無くてもそれを認める何て出来る訳無くてよ


「そうですわね。

例えドレスを買って頂け無くとも、貧しい食事を与えられようとも、見るからに学もなく、マナー躾られず、優秀な家庭教師が着かなくとも貴方方は愛されてますわ」

本当お可哀想だわ。社交の場に出れる程教養が無いなんて

優秀と言わなくともせめてまともな教師が就いていれば、あの様な恥を欠く振る舞いをしなくて済んだのに


「酷い…」

「何でこんな酷い事言えるんですか」

「そうです!酷すぎます」

「って…さい…謝って下さい…」

「私が後妻の娘だから馬鹿にしてるんですか」

「それとも私が身体が弱くて余り動けないから見下してるんですか」

「領地に住んでる田舎者の世間知らずには当たり散らしても大丈夫と思ってるんですか」

「もしかして私が元平民だから何を言っても良いってそう言う事ですか」


何故此の方々、自分の出生を伝えて来るのかしら?

しかも貴族社会で不利になる情報を

この世界マウントを取られたらお終いですわよ

あらやだ身を乗り出して来るなんて、こんな教養の無い方よくご家族も人前に出せますわね


「っ痛い」

「えっ」

ななな何?何でマイエンジェルが座り込んでるの?

足?足をどうしたの?

踏まれたの!?

ありえ……ませんわ…

「謝罪……ですって」


「私達を傷つけたんです!」

「物凄く傷ついたんです!」

「私達を可哀想と思わないんですか」

「そうです謝って下さい」


「謝罪すべきは、貴女方では無くて。

私の妹に危害を加えて」

信じられませんわ!

「この件はお父様に報告させて頂きます!」


「何を言ってるんですか…」

「そうよ…そうよ!」

「たかが足を踏んだだけで」

「大事にしすぎじゃない」


たかが…

「貴方ですのね」

足を踏んだ犯人は


「どうされましたか。私共の娘が何か」 

この家の者がご両親を呼んだのかしら

なら話しが早い。子の不始末は親に捕って頂きましょう


「お父様っこの方が言い掛かりを!」

「危害っと言いますしても、たかが足をを踏んだ程度だとーーー」


たかが…この親子……妹の足をたかがですって!


「この子、近々社交デビューしますの。それなのに足を痛めたなんて事になったらどれ程辛いか」

「大袈裟な」

「大袈裟…一生に一度の事よ。

記念すべき晴れ舞台に水を差すなどと、考えただけでも…この子が哀れで」

「ですが、」

「それともこの子のデビューを妨げ、我家侯爵家に泥を塗ろうとお考えで」

「いえいえ!滅相もっ!」

「謝罪の一言も無くて誰が信じられましょう。

あぁ可哀想に!もし爪でも割れていたらどうしますの」


もしその様な事が有れば全力で叩きつぶしますわ

こんな所に連れて来るのでは無かったわ


「帰りますわよ。担架を持って来なさ

い」

「ぷっふふふ」

「担架ですって」

「重病人みたい」

「自分で歩けるんじないの」

「ソレを決めるのは貴女達ではないわ。

聞こえ無いの。担架を持って来なさい」


何度も言わせるなんて

この家の使用人はどうなっているのかしら!

大体この令嬢方怪我をさせといて笑うなどと!

それに一緒に来た姉達は何をしてますの!

此方に来ようとも見る事すらしない無いなんて

家族共々無礼にも程がありますわ



「大丈夫よ。お医者様に直ぐ見てもらいましょうね」

「お医者様は嫌」

「駄目よ。跡でも残ったらどうするの?

貴女はこの世の誰よりも素敵で可愛い宝物なのだから

万が一傷でも着いたら……」

この国…終わりますわよ


「大丈夫ですか!お嬢様」

「爪が割れてるのかもしれないわ。早く診て頂かないと」

「早馬で医師はお屋敷へと手配済みです」

「屋敷に急ぎましょう。では皆様ご機嫌様」

もう二度と参加する事は無いわ



「こうして茶会を退出しましたの」

「なんとおいたわしい」

「大変でしたわね」

「足は大丈夫でしたの?」


本日は友人達に先日姉妹で参加した茶会の報告会


「足は少し赤くなっていましたが、大丈夫でしたわ。

あの子馬車の中で『早く帰りたいから大袈裟にした』って。

こっちは心の臓がどうか成る程心配しましたのに」

「まぁ」

「うふふ一本取られましたね」

「でも残念でしたわね。

せっかくあの様な茶会に参加しましたのに」

「また『ずるいずるい』は達成出来なかったのでしょう」


ふっふっふ。

「それがあの子馬車の中で『お姉様だけフルーツタルトを食べてずるい…ずるい!!』って。

初めてあの子の頬が膨れる姿を見れましたわ」

「「「まぁ」」」


皆様微笑ましいっと言わんばかりの表情ですわね

でも分かりますわ!私も妹のあまりの愛らしさに頬をツンツンしましたもの


「帰りにタルト欲しさに寄り道まで強請らて…困った子ですわ…ふふふ」

あの時の事を思い出すと喜びが湧き上がってきて……笑いが、止まりませんわ!


「素敵な経験を成されたのですね」

「お顔から溢れ出てますわ」

「その素晴らしい経験を与えてくださった主役はどちらに!」


あぁ最高の気分でしたのに

「……あの子は…くっ…」

「「「どうされたのですか?」」」

「この話しには続きがありますの…タルトを食べて帰宅致しますと…家の者達が総出で真っ青な駆け寄って来まして」

「そっソレは早馬での知らせで皆様心配なされたから。ねぇ」

「「そうですわ」」

「宅に入るとお医者様は数名待機してまして」

「どんな怪我でも対応出来る様にされてたのね。

素晴らしい事ではありませんか。ねぇ」

「「そうですわ」」

「お父様はお城から、馬を飛ばして帰宅を…」

「娘が傷を負ったと知らせを耳にしたら。ねぇ」

「「そうですわ」」

「お母様はショックでお倒れに…」

「それは……」

「「……」」

「あと、あの子の婚約者の耳にまで、届いてしまって…」

「あのお方の…」

「……何て事…」

「そっ…それでどうなりました?」

「私は厳重注意を受け、茶会に参加した家にはあの方からのお咎めが…」


(…危害を加えた令嬢がどうなったか等、怖くて聞けませわ)

(…茶会に参加されたお家は当分社交会で見る事は無いでしょうね)

(それどころか、ずるいずるいも聞けなくなるのでは)


「そしてあの子は、今!死んだ目をしてあの方の膝の上で頭を撫でられますわ!」

(((やっぱり!)))

「あの男っじ無かった…あの方、茶会に参加した日から全っ然あの子から離れませんの!!」

(((でしょうね)))

(あのお方、お顔立ちは素晴らしく、聡明で、非の打ち所の無い方に見えますに)

(事婚約者に限り、狭量と申しますか)

(あの嫉妬心に自制が効けば理想的な男性ですのに…)


皆様言葉を無くしてますわ!

やはりこの仕打ちはやり過ぎ…いえ暴挙に等しい

ココはお父様に進言して、あの子私の手元に連れ戻さねば

「ねっ…姉様…た…へん…」

まぁっ!漸く解放されたのね

さぁ私の腕の中へ

「姉様大変!婚期早まる」

「えっ?」

「あの人今回の事で、心配で離れられ無いって!

一緒に居る為お父様に話し付けてくるって」

「なっ!!何故…こんな事に…」

皆様どうしたら…皆様も顔色が悪くなくて?


「こんな事を今のお二人に告げるのは酷な事ですが……ずるいずるいには後日談が……」

「ずるいずるいをなさいますと…」

「………ざまぁされるのです」





「「…えっ?」」


知ってましたらやって無いですわ!!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後の最後でほっこりしました。
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