表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ペンギン三兄弟

ペンギン三兄弟 〜 26話 ペンギン違い の巻

作者: たかはら りょう

ペンギン三兄弟


チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。

    サングラスをかけている。つぶあんが大好き。


ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。

     収集癖あり。


ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。

     日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。


ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。

今日も仲良く暮らしています。


今日は梅雨の晴れ間の、良い天気です。

3羽は公園へ散歩に来ていました。


カキーン!


金属バットにボールが当たる音が聞こえてきました。


チャン「野球でもやってるのかな」


ドンが、小高い丘の上にパタパタと小走りで登って言いました。

ドン「試合やってるみたいだよ」


チャンとゴンも丘へ登りました。

丘の向こう側には、野球場があって

まさに今試合が行われていました。


ドン「浅草エンジェルス 対 秩父デビルス だって」

ドンがスコアボードを見て言いました。


ゴン「まさに天使と悪魔の戦いじゃないか」

チャン「おもしろそうだね」

浅草エンジェルスは、白地に赤い文字のユニフォーム、秩父デビルスは、黒地に白文字のユニフォームです。


スコアボードには、7回まで0がズラズラと並んでいました。

ドン「浅草エンジェルスの最後の攻撃が終わって0ー0だね」

ゴン「最終裏、デビルスはどう出てくるかな」


3羽は、丘の上に座り込んで野球観戦を始めました。


1人目のバッターがバットをビュンビュン振り回して出てきました。

いかにも打てそうな体格の良いバッターです。


ピッチャーが1球目を投げました。

バッターは、すかさず打ち返し、

ボールはレフト方向へ勢いよく飛んでいきました。

レフトの頭上を越えてヒットです。

足も速いランナーは2塁へ余裕で走り込みました。


チャン「お、すごいじゃん」

ドン「デビルス行けそうだね」


そこで、2番目のバッターにペタペタと近づいてきたのは、

なんとペンギンでした。

デビルスのユニフォームを着て、帽子をかぶり、しかもサングラスをかけています。


ゴン「あれ?監督がペンギンだ」

ドン「しかもチャンそっくりじゃない?」

ゴン「ペンギンがサングラスしてると、みんなチャンに見えるよ」


ペンギン監督は、バッターに何やら指示を出しているようでした。


チャン「ここはバントで来るか?」


バッターは、バントの構えをしていましたが、

ピッチャーがボールを投げた瞬間、

大きくバットを引いて思いきり打ち上げました。


カッキーン!


ボールはセカンドの上をグングン伸びて、

球場の端の方に落ちました。


2塁ランナーはホームへ、

打ったランナーもホームへ走り切りました。

デビルスの勝利です。


ドン「なんだよ、軽く勝っちゃった感じだな」

ゴン「ペンギン監督打たせたんだ」

チャン「デビルスの迫力勝ちってとこか」


その後、3羽が野球の話に花を咲かせながら

歩いていると、

「監督〜、勝ちましたね、おめでとうございます!」

と通りすがりの若者がチャンに声をかけました。


チャン「え?あ、どうも」

チャンは勢いで返事をしてしまいました。


「次も応援してますよ」

そう言って若者は通り過ぎて行きました。


ゴン「おいチャン、ペンギン違いされたな」

ドン「やっぱ、そっくりだもん。だれも見分けつかないよ」

ゴン「いっそのことデビルスに入ったら?」

ドン「そっくりさん枠で入れてくれるかもな」

ゴン「ハハハ」

チャン「・・・」


野球好きのチャンは、うれしいような、残念なような、ちょっと複雑な気持ちになりました。


チャン「またこっそり見に来ようぜ」

ドン「いいねえ」

ゴン「行こ行こ」


次のデビルスの試合が楽しみになった3羽でした。


おわり


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ