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Mundus non re agnoscis ≫—僕達の異世界青春—≪  作者: ヒカワリュー
本当の愛《メンディション》
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第45話 終章 「何が悪い」


 僕の話を最後まで聞かずに、まるで自分が事件の何かを知っていますと行動で表すように、外へと逃げだしてしまった使用人。

 僕からすれば、あくびが出てしまうような速度だが、塀や建物をうまく使って上手に逃げていた。

 しかし今この学園は全面的に封鎖されていて、どこから逃げることもできない。それこそ瞬間移動やらの移動系の能力だって、他の生徒会メンバーが能力を発動させて妨害をしているから、絶対に入ってこれないし、抜け出せない。

 だからと言って、別にだらだらとしていていい訳ではないので、この中身のない逃走劇を早く終わらせるために僕は効率を少し高めて、彼を追った。


 音、匂い、振動、風の移動、気配。そういった眼だけでは捉え切れない微細な物たち全てを感じ取って、相手の向かっているだろう方向に検討を付ける。

 そうすることで最短距離を通って相手により接近することができるのだ。

 ちょうど曲がり角を曲がって使用人を追い詰めようとした―――その時。


「―――っ!?どわっ!!??」


「あぶなっ!」


 相手の痕跡を感じ取るのに神経を使い過ぎていて、近くの事をあまり見れていなかったようだ。曲がるのと同時に向こう側からやってきた人物と正面衝突しそうになった。

 しかし、すんでのところで僕の異次元的身体能力はその本領を発揮し回避に成功する。ぶつかりそうになった相手も、しっかりと受け止めておいたので事なきを得る。


 すぐさま謝ろうと、相手の顔を見ると……


「あれ、()()()さん……?」


「……あ、生徒会の……」


そう、偶然にもぶつかりそうになった相手というのは、今回の事件の被害者、その許嫁の男子生徒アルマだった。

 なぜこんなところにいるのか、という疑問が僕から出るより早く彼は言った。


「あ、あの、俺の勝手な妄想なんですが、彼女の使用人、あの人がかなり怪しいと思って……それで話を聞こうと思ってここに来たんです」

「俺一人じゃあ、ちょうど心細かったので、良ければ一緒に来てもらえませんか?」

「絶対彼なら何かを知っていると思うんですっ!」


 どうやら彼も、恋人の死を前にして、彼なりに動こうとしていたようだった。今は外出禁止令が出されているんだよ、と生徒会氏として規律を重んじて言うべきだったのかもしれないが、この時ばかりは目を(つむ)った。


「あ、はい、大丈夫ですよ。僕も今向かっているところですから」


「え?……でもこっちは彼の寮では……」


「いや実は、逃げられていまして」


「あぁ、そうなんですね、わかりました。俺も追いかけます」


 そう言って覚悟を決めるように目つきを鋭くして、1回だけ頷いた彼。思わずできた仲間を連れてもう一度追いかける。


 二手に分かれた僕達は、じりじりと目標の場所に追い詰めていく作戦に出る。僕単体で無理やり取り押さえてもよかったが、ちゃんとまっとうな手段で会話に臨むために、あえて強行策は取らない。逃げられない状況を作ってそこから対話をしようというのだ。

 そして作戦は見事に成功し、使用人を、目標の地点である寮から遠い誰もいない場所に誘導することができた。

 そこは建物で囲まれていて、出入り口を塞いでしまえば簡単に封じ込めることができる場所であった。

 競技場のように広い空き地、その真ん中に追い詰められた使用人は、黙り込み立ちつくしている。


「さ、逃げるのもいい加減にしましょう」

「あなたの主人が亡くなった件について、何か知っているなら答えてください」


 あくまでも冷静に質問を投げかけた。


「……」


 それでもなお、沈黙を続ける使用人。

 その顔には諦めも、さっきまでの焦りもなく。ただただ、何かの覚悟を決めたような顔だった。さっきとは状況が変わったと言わんばかりにどこか安心しているようにも見えのた。

 すると、使用人は僕の方をから視線を逸らし、反対側にいるアルマの方へと向きを変えた。


「……なぁ、何か言うことはないのか……?見たんだろう?」

「俺には隠せないぞ」


 アルマは冷静を装ってはいたが心の内では憤怒に身を焦がされてでもいるのか、小刻みに震えていて、拳を握りしめて問い詰めた。

 しかし、「言えません」と淡々とした呆気ない言葉だけ口に出す元使用人。


「そうか、わかった……」


 その返事を聞いたアルマは「ぎりっ」と奥歯を噛みしめて歯ぎしりを起こすと、用無しの冷静さなんかどぶに捨てて、燃え盛る怒りを露わにする。


「どうしてだ!?」

「なぜだ!?」

「なぜあんなことをした!?」


 質問に似せた糾弾を飛ばし、怒りを言葉に乗せて何発も撃ち込んだ。


「……申し訳ありませんでした、アルマ様……」


 手を前に組み、姿勢よく、首を垂れた。 

 その行動を見て、「ぶちっ」と血管が切れるように、怒りを超えた殺意をむき出しにしてアルマは地団太を踏む。


「くそっくそっくそぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

「くそ…………も、もう。いい……」


 怒りの感情が満開だった顔は、一瞬にして冬が到来したように、全ての感情が枯れ落ち。固まるように眼だけはギラリと光る。

 その感情の変化を皮切りに、彼の腕が変化してゆく。

 宝石のような煌びやかな光沢を(まと)った腕は、見た目だけでもかなりの硬さと殺傷能力を持つように見える。

 これが彼の能力か。


 一方使用人は、何をするわけでもなく。運命を受け入れるように、ただ立っている。


 怒りの感情に支配され、腕に纏わせた宝石の槍を前に突き出し、突進するアルマ。

 このままでは、大事な証人が殺されてしまう。そう感じた僕は、今まで当事者たちの会話を見守ろうとしていた考えを改め、割り込むように間に入ろうとする。


 その時、僕の後ろから。


「―――ヴィル、()()


 その言葉が僕の耳に入り、脳に届いた瞬間。僕は仲裁のために大の字のように開いていた腕を下ろし、反射的に右手だけを握りしめ、さっき言われた通りの方に振り下ろす。

 拳に伝わる確かな殴った感触。

 そして振り下ろした衝撃により、吹っ飛んでいく()()

 

 吹っ飛ばされて転がった先で、痛みを耐えながらも立ち上がる人影は、


「……は?」


 とだけ言葉が出て、状況を上手く理解できないために目をまん丸と開いていた。実際僕もよく分からない。言われたとおりに行動しただけだからだ。吹き飛ばした方の人影を見る。

 なんと、素っ頓狂な声を出して驚いているのは『()()()』だった。


 すたすた、と空き地に、その足音からすでに伝わる偉そうな態度を響かせて、誰もが状況の理解に苦しむ中、関係ないとばかりにご自慢の()()()()()()を「くいっ」とさせて、歩いてきたのは―――タッシーだ。


「ヴィル、何をしているんだ。さっさと捕まえろ」


 急にやってきて、状況の説明もなしに、命令だけを与える。さすがタッシ―、今日も相変わらずのご様子だ。

 

 しかし、別に遊びでこんなことをする男じゃないし。そもそもタッシ―がこう言っているのだ。やらないという選択はない。

 僕は、いまだ地面に這いつくばり、必死に立とうとするアルマを軽い力で拘束する。

 脳が揺れて、上手く立てないようだった。

 

 僕が本気で殴ったりなんかしたら、ノーガードの生身の人体なんかクッキーより柔らかく砕ける。だから、僕的にはさっきのは殴った、じゃなくて、押した、の方が強いんだけど。やはり咄嗟の事過ぎて加減が足りなかったようで、結構なダメージを与えてしまったのだった。


 今も、痛みを耐えるのと、状況の把握に忙しそうだ。


「なぁタッシ―」


「なんだ」


「説明」


「……はぁ、いいだろう」

「まだ、何もわかっていないお前たち3人にもわかるように説明してやる」

「長くて面倒くさいから一度しか言わん、ちゃんと聞け」


 まるで状況を理解していない僕たちの方が悪いんだと言わんばかりに、こちらにダメ押しをしてくるタッシーは、慈悲だと顔で語るように高慢に話を始める。


「まず最初に、この事件の犯人はお前だ」


 びしっと指をさされるアルマ。


「な、なんでそんなことがわかるんだ!?」


 まずまず、犯人しか言わないであろうセリフを言って、証拠を求めるアルマ。

 しかし無意味だ。


「記憶を読んだ」


 そう、この言葉ですべてが解決する。

 確かにタッシ―は、記憶をコピーして再現したり、書面に移したり、共有ができる。

 しかし、いつ記憶を読み取ったのか。タッシ―のコピーやらなんやらは『ストレージ』につまりは、タッシ―の記憶に一度入れなければならないという制約があったはずだ。ならば、それはいつだったのか。答えは単純、今だ。


 しかし、目の前から一瞬でもアルマが消えたりすることはなかった。では今のいつの瞬間に記憶に入れられたのか。

 正解は、記憶に入れてない。ではなぜアルマの記憶を読み取れたのか。

 それは、タッシ―の持つ記憶空間への『保存』というのは色々と種類があることに起因する。


 一つめは、対象を自分の目で見て記憶に入れること。これはタッシ―がいつも使っている記憶への保存方法。

 二つめは、対象を遠隔で読み取ること。これにはただでさえ多い体力消費をさらに増大させて初めて出来る芸当で、視認した対象の情報を読み取り、それが持つ、情報や記憶、痕跡、特徴なんかの情報を一瞬にして得る技だ。


 一つ目のやり方が読み込み(ダウンロード)といった感じで、二つ目が読み取り(スキャン)といった具合だろうか。

 正直、本人もその辺の能力の都合は把握しきれていないようで、深くは語らない。それにタッシー自身もあまり気にしていないようなのでなおさら分からない。


 話を戻すと、さっきここに来たタッシ―は、一瞬の内に使用人とアルマの情報を読み取り、それを自分の中でデータを取り扱うかの如く分析し、そして僕に命令したわけだ。ここに来たのもおおかた、ラーの差し金だろう。


 他者の記憶を読み、つまりはこの事件の真相を知る人物の記憶を読み。まるでもう何回も読んだ推理小説の結末を語るように。大変くだらなさそうにタッシ―は話を続けた。


「まず前提として、あんたらは“恋敵”だ」

「お互いが被害者のことを愛していた―――」




―――被害者の女子生徒とアルマは確かに仲の良い、それでいて将来を誓い合ったカップルだった。

 しかし、その思いは長くは続かなかったのだ。事の発端は、そう、今回殺された女子生徒が使用人のことを()()()()()()()ことから始まった。

 なぜそうなったのかはわからない、使用人の記憶にもアルマの記憶にだってそのことは記録されていなかったからだ。


 方や使用人、方や貴族の令嬢、さらには女の方には将来の旦那までいる。到底許される関係ではなかった。しかし、愛情とは時に人を狂わせてしまうもの、二人の関係は小さなものであったが続いてゆくこととなった。いや―――なってしまった。


 彼女の心がほとんどアルマからは消えていた頃、アルマは初めて知ったのだ。自分の愛した人物がもう自分には振り向いてくれないことを。その事実を知った当初のアルマの衝撃は計り知れない物だっただろう。なんせ、幼少のころから恋焦がれ、やっと実った果実が、実は中側から腐り落ちてしまっていたのだから。

 当然、それでもアルマの気持ちは彼女に向いていた。何としても彼女と居たかった。どうであっても彼は彼女を愛していたのだ。


 学園では他の貴族の目もある。不仲の噂がたってしまえば両家に影響が出てしまう。そういう個人間では解決できない問題を背負いながら、アルマは必死で取り繕い、笑顔でいた。もちろん、その笑顔は真に彼女に向けられたものであったが、賢く聡いアルマは勘づいていた。「あぁ、僕が君といられる、その嬉しさに今も心を躍動させていることは、きっとあなたにはちっとも届いていないんだろう」と。


 彼女は、完璧に使用人との関係を隠せているつもりだった。しかし聡いアルマにはすべてが筒抜け。

 世間体のために、愛してはくれない恋人のために、その二つに縛られながら無意味な愛を捧げ続ける男。真にある愛を隠すために戯れ(たわむれ)の愛を演じ、それが完璧だと錯覚する女。

 狂気のカップルの完成である。


 そして、不細工な恋愛関係を演じるほどに、アルマの心は締め付けられた。

 自分に愛が向いていた頃と変わらぬ声で、変わらぬ表情で、変わらぬ言葉で「愛している」と(ささや)かれるほど、愛する彼女の()()が分からなくなっていった。

 まるでブラックホールに水を流すように、彼女に無償の愛を注ぐほど、アルマの心は乾いてゆく。

 我慢して、押し殺して、踏みとどまって。

 そうやって、待っていればいつか、彼女の心は帰ってきてくれると信じ、耐えた。

 でも、限界はとうとう来てしまった。浪費した愛は元から枯渇して、張り付けた笑顔は彫刻のように固まった。

 そしてついに言ったのだ。もう終わりにしようと。

 アルマはもう、彼女を愛せなくなってしまった。いや、愛が解らなくなってしまったのだ。

 だから、終わりを選んだ。自分たちは貴族ではあるが(いま)だ学生、まだまだ未来はある。そう思っての決断だった。

 しかし彼女から帰ってきた言葉は、「お願い、あの人とはもう別れるから、もう一度始めましょう」だった。

 アルマにとってその返答は、犯罪者が捕まる瞬間に「もうしないから許してくれ、今回だけは見逃してくれ」と言っているように聞こえた。

 とてもじゃないが我慢ならなかった。


 愛のない夫婦に先などない。ならば、彼女が求めるのは金か、家か、権力か。

 一度そう考えてしまってはもう止まらない。悪い方に悪い方に転がり続ける。

 ならば最初から、使用人と関係を築くまでに、その前にはあったであろう“愛情”も疑ってしまう。本当は、最後まで信じてきた()()()()()()すらも、全てが今までのようにただ演じられていただけだったのでは? 例え好いている者が変わろうとも彼女は全くの変化を付けずに、好きだと平気で言える人物だ。

 もう分からない。なにが彼女の本心なのか。解らない。理解できない。


 【過去の優しい暖かい思い出】それが【嘘であったと考える心】。その二つの気持ちは二律背反的にしてアルマの混乱し乾ききった心でさえ容赦なくギリギリと引き絞り、気付けば―――自らの腕で彼女の体を貫いていた。




・・・

 



 あの空き地でタッシーから全てを表に出され、白状したアルマは然るべき処遇を受けるため

学園を去った。僕はその時に聞いた話を、今一度理解するためにこの事件について書かれた全ての報告書を読んでいた。

 最後のページに目を通し、全て読み終えた僕はため息ともただの呼吸とも判別付かない息を漏らして、ふと思考に耽る。


 (のち)に執り行われた取り調べで、アルマは自分を殺すように懇願したのだという。

 ()()()()()でこれ以上生きていたくないと、人間として死んでしまいたい。涙ながらに叫んだそうだ。

 その思いを汲んだラーは、実家の権力を初めて強引に使い、その願いを()()()のだという。


 使用人は事件の取り調べの後、正式に解雇され、学園を去った後、さらにその数日後に自宅で首を吊って死んだという。


 誰も得をしない。誰も幸せにならない。

 愛が生んだ、いや愛が生んでしまった心のモンスターたち。


 いったい誰が悪かったのだろうか? 被害者の子が悪いのだろうか。

 僕達は今アルマの視点で立っている。でも実際は主観でしか物事は測れない。彼女の視点でしか分からないものもある。

 そうだ、もしかしたら、彼女は生粋(きっすい)の悪女で、男のことを顔や金でしか見ていない、僕が彼女を慮ったことですら本当は忌避されるような、最低災厄の(くず)だったのかもしれない。

―――でも、そうではないかもしれない。幼少の頃から、自分より(くらい)の高い貴族家の跡取りに目を付けられ、執念深く、そして陰湿に、周りからどんどん見方が消え去って、次第にみんながアルマを味方した。

 そんな状況で彼女はどう思ったのだろうか。どういった心持(こころもち)だったのだろうか。これも分からない。死んでしまった彼女にしか分からない事だ。


 もしかしたら彼女は、本当にアルマを愛していたかもしれない。ただそれ以上に好きな人ができただけなのかもしれない。何の捻りもない事実から見た台本では、その流れが一番シンプルだ。

 もしかしたら彼女は、無理やりに婚姻関係を結ばされたことで本当の愛を知らず、それを慎ましながらも使用人との出会いで育もうとしただけなのかもしれない。

 もしかしたら彼女は、気の迷いを断ち切り、本当にもう一度アルマとの再スタートを切りたかったのかもしれない。

 わからない。今となっては何が真実かはわからない。


 使用人だってそうだ。確かに女子生徒との関係を最初から拒んでいれば、こんな結末にはなっていなかったのかもしれない。

 彼は最後には、主人の将来の相手だったはずのアルマを守ろうとした。殺しの罪を自身が潔く死ぬことによって着ようとしたのだ。きっとアルマが自分の主人を殺害するところを見たのだろう。だから庇おうとしたのかもしれない。その優しさと、思いやりが最初からあれば、こんな事にはなっていなかったのかもしれない。


 でも、彼にも名前があって、過去があって、感情がある。

 そのことを踏まえていなくてはならない。


 タッシ―が読んだ記憶によると、彼は、貧困に苦しむ家庭で生まれ、親との関係もあまり良い物とはとてもじゃないが言えるものではなかったようだ。

 そんな彼は、もしかしたら愛情というのを味わったことがないのかもしれない。与えられていなかった甘味を、どういった経緯かはわからないが受け取った。その味を簡単に捨てることができるだろうか。

 もちろん今のは彼の過去を加味しただけのただの憶測だ、何の根拠もない本当にただの決めつけの憶測だ。ただ単に、親がネグレクトだったから、きっと愛情を知らないんだろう。ならそれに飢えていてもおかしくない。なんて小説の名探偵が聞けば鼻で笑うような推理だ。

 つまりはさっきから言っている【もしも】の話。何度も言うが真実は分からない。

 でも、一度はこんな展開のドラマや創作物を見たことがないか?

 愛を知らない者と、愛情に飢えた者の禁断の恋。こんなもの、何世代も前のドロドロとした恋愛小説のテンプレだが、テンプレだからこそ、()()()()()()があるのかもしれない。


 

 しかし、どれだけ妄想を膨らまそうと、どれだけ部外者の僕が悩もうと。

 誰が、誰の意志が、誰の心が、この結果を望んだのか。

 誰の気持ちが、破滅を生むことになったのか。


 今となっては、誰にも分らない。

愛情。つまらない考え方をすれば、生物の欲求の一つをただ文字化したもの。

しかし、夢のある考え方こそが、良いとは限らない。もしかしたら願望にあふれた愛、それこそが一番つまらないのかもしれない。

誰の心が一番正しいのでしょうか。作者にもわかりません。

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