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初級魔法しか使えず、火力が足りないので徹底的に攻撃魔法の回数を増やしてみることにしました  作者: 大地の怒り
第二章

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詠唱検証1

お待たせしました

本日二話同時に更新してます、一話目です

 セルの詠唱練習に付き合うことになった俺。


 街を出て一時間後、湖に辿り着いた。

 湖から吹く適度に湿った風が肌に心地いい。


「それじゃあトール、結界修復の時と同じようにスキルで私を正しい詠唱へと導いて欲しい」


「それはいいけどさ、お手本がないと……」


 前もセルと話したように、元となる正しい詠唱のリズムなどを知らないと教えようもない。

 俺は初級魔法以外の詠唱は殆ど知らない。


「私が何度か詠唱してみるから、その中で私が成功した詠唱になぞる形に調律してほしい」


 なるほど……そういうことね。


「で、どんな魔法を練習するんだ?」


「上級光魔法だ。ホーリーシールド、ホーリーアーマー……」


「一つじゃないのか。いや……まぁ別にいいけどさ」


「す、すまない、その、どうしても習得したい魔法があってな。聖騎士の扱う魔法の中でも、最高難易度とされる詠唱なんだが、まずこれらの魔法を確実に習得しなくては駄目でな」


 ま、まぁいいや……なんだかわかんねえけど。

 とにかく手伝えばいいんだな。


「とりあえず、今日はホーリーアーマーの魔法に絞って練習しようと思う。あまり欲張っても効率が悪いしな」


「わかった。他のはまた今度付き合えばいいんだな」


「い、いいのか? もう私がトールに魔法で教えられることなんて殆どないんだが……」


「まぁ暇な時ならいいぞ。また飯でも奢ってくれればそれでいい」


「あ、ありがとうトール!」


 俺の言葉に顔を綻ばせるセル。


 そのあと、俺はセルの詠唱を見守ることにする。

 ホーリーアーマーの魔法が成功する度、白く輝き出すセルの鎧。

 効果は強力な耐魔効果のある光を自身の鎧に纏うとかなんとか。

 十回ほど試してもらい、成功率は四割ってところか。


 成功と失敗の二つのケースの詠唱を比較。

 成功したパターンの詠唱に一致するようにセルの背中に触れて、調律で声を誘導する。

 調律スキルの補助効果もあり成功率は九割近くまで向上。

 成功した感覚を脳裏に刻むこむため反復して詠唱するセル。

 俺のアドバイスを聞いて一生懸命何度も詠唱する。


 ちなみに、そんなセルと対照的に途中で退屈になったらしいティナは湖の傍に土魔法で簡単な椅子とテーブルを作って、優雅に本を読んでいた。


 そのあとは自転車の補助輪を外すように。

 セル一人の実力で、補助無しで詠唱をしてもらう。


「うん。いいじゃないか、最後の方は連続で成功したな」


「トールのおかげだよ。練習効率がやはり全然違う……」


 結果、三十回試してみて十八回成功。

 成功率が四割から六割まで向上した。

 それでも、現状だと実戦でいきなり使うには微妙なところとのことだが。

 それに、練習直後の今はこうして声の出し方が記憶に刻まれているが、時間が経てばどうしても薄れてしまう。


「ただ、詠唱中に何回か噛んでいたのは勿体なかったな」


 音程とかリズムとか以前の問題だ。

 長文になってくると、どうしても途中で舌が回らず、噛んでしまう確率は上がるが、その瞬間すべてが台無しだ。


「セルはこうして普通に話す分には落ち着いているし、滑舌も悪くないんだけどな。まぁ戦闘中だとどうしても緊張するだろうし、舌の動きが悪くなるのも仕方ないんだろうけど」


「滑舌……か」


「ああ、暇な時にでも、滑舌をよくする練習をしてみたら? 日常会話以外でも舌を動かして慣らしたり」


「例えば?」


「そうだな。早口言葉とか……」


「???」


「何、それ?」


 セルがキョトンとした顔を見せる。

 そして、いつの間にか隣に来ていたティナ。

 あれ? 早口言葉ってこの世界で浸透してないのか?


「う~ん、発音しにくい言葉の羅列っていうのかな。例えば……」


 俺はスッと息を吸い込む。


「赤巻紙青巻紙黄巻紙、隣の客はよく柿食う客だ、赤パジャマ黄パジャマ青パジャマ……こんな感じ」


「「お~」」


 セルとティナが感心したようにパチパチと手を叩く。

 まぁ滑舌をよくするなんて、すぐどうにかなるもんじゃないけど。

 練習して損することはないはずだ。

 アナウンサーとか声を主にする職業だと、朝にこういうのをやるって話も聞くし。


「早口言葉、ちょっと面白いかも……私も考える」



 うんうん言いながら思案するティナ。

 早口言葉に興味を持ったらしい。

 なんか話が脱線しかけているが……まぁいい。


「は、母ハーピーはハッピー……とか?」


「それは早口言葉というより駄洒落だな」


 まぁ早口言葉って似た言葉を連続して繋げるイメージだから、駄洒落に近い部分はあるかもしれないけど。


「う~ん、これ……考えるの結構難しい」


「まぁ即興で考えるのはな」




 セルに教えるのが一段落したので小休憩する。

 無茶すると喉を傷めるからな。


「ここからは自主練にするよ。ずっと隣にいてもらうのも申し訳ないしな。時々助言を聞きたい時に答えてくれると嬉しい」


「わかった……」


 それから再び詠唱の練習に戻るセル。

 せっかくだし、俺も午前中は少し魔法の練習をするか。

 セルのやる気に当てられた。


 のんびりするのは午後からでもいいし……ちょっと詠唱で確認したいこともある。




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