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拒否権はありません

「急で悪いんだが今から着いてきてくれないだろうか。」


王子サマから飛び出た言葉に目が点になる。どうして、と考えを巡らせる。


「悪りいな、よっと。」

「うわあぁぁ、ちょっ。怖いぃ。」


俺が考えてる隙にガルフさんが俺の脇に腕を入れて抱き上げた。下ろしてください、と願う前に異常とも言える俺の高所恐怖症がたかってガルフさんにしがみついてしまう。身長190あると思うガルフさんの肩ぐらいに持ち上げられると結構な高さになる。


「よいしょっ…と、大丈夫か?」


ガルフさんに持たれたまま運ばれて馬車に乗せられた。怖さで目を回している俺をガルフさんがわしわし、と撫でてくれる。実質これ俺に逃げられないように捕まえて馬車に乗せたんだよな…?

まあ俺に拒否する勇気はないからいいんだけど。

そう思ってるうちにガルフさんが俺の前に王子サマが俺の隣に座った。

睨まれたりしてるわけではないけどこれは蛇に睨まれた蛙同然だろう。前に狼、隣に虎そんな状態で平然と出来るものがいるだろうか。

そう思ってる間にあの王子サマの言葉だ。


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