5話 ドラゴン退治?
更新滞っててすみません。
PV500超えました!ありがとうございます!
これからも宜しくお願いします!
「かかってこい、受けてやるよ」
煽る。
たかが、十六年しか生きていない子供に上からものを言われているんだ。多少はイラッとくるだろう。
しかも長い年月を生きているやつは大体プライドが高い。
「まだ動かないのか?でかいのは図体だけか?」
「少し強いからって驕るなよ、若僧が!」
掛かった。
そのため、前足を出すと同時に罠に嵌る。俺はその隙を突いてドラゴンな頭上へと飛ぶ。
本気で殴る。一撃。一撃だ。ドラゴンの胴体に円く穴が空いた。
俺の勝ちだな。
飽く迄勝負だ。死合いではないので回復してやるか。回復はイメージが難しいので呪文を唱える。
「回復魔法!」
ドラゴンがよろめきながら立ち上がる。
「勝負はとっくについていたのだな。命令を。マスター」
ドラゴンは光に包まれて……あ、これ。人間になるやつだわ。
予想通り人間になった。
「これから我はマスターの物じゃ」
どうやら聞いたところ名前はレヴィアタンだそうだ。
「それじゃあ、レヴィ。これからよろしく」
「レ、レヴィ!?あ、あぁ。よろしく頼むぞ」
「あ、あの?紫苑だよね?」
あ、そういえば勇者がいたな。ついうっかり存在を忘れてたよ。
「心音か。一昨日ぶりだな」
「あ、ありがとう紫苑。助かったよ」
そう言う心音の膝は震えている。
「もう大丈夫だよ、心音。それじゃあな」
やることを思い出した。
「おい、そこの三人。心音に手を出したら……覚悟しておけよ」
ドスの効かせた声で脅しておく。三人の内の一人はズボンの中央にシミを作っていた。
「秋人、これからも頼んだぞ」
「おう、頼まれたぜ」
「それじゃあ、レヴィ行こうか」
◼
暗い場所に長く居ると、光がとても眩しく感じる。
ここは地上。戻って来たのだ……ララノア達心配してるかな、早く宿に戻ろう。
「ただいま」
「おかえりなさい!お兄ちゃん……その娘は?」
「ドラゴンのレヴィアタンです。以後お見知りおきを」
「ララノアはお昼ご飯もう食べた?」
「まだだよ!お兄ちゃんのこと待ってたんだから」
「もー」と頬をむくれさせるララノアに「悪い悪い」と謝る。
ご飯の前にギルドで、魔石を換金してこようと思う。
◼
「大金貨一枚と金貨三枚ですね」
約百三十万ほど手に入ってしまった。クエストとか受ける必要あるの?
「ありがとうございます」
ギルドの酒場で昼食を食べ終えた、次はララノア達を故郷へ送り届ける訳だが。
「レヴィ、ドラゴンの背中に三人乗せて飛べない?」
「別に大丈夫ですよ」
なんだか都合よく行き過ぎていないか?イージーモードすぎるだろ。
──俺は気づけなかった。既に悪夢は始まっていたことに。
◼
四人で城門を出る。
「じゃあレヴィ、背中に乗せてくれ」
「わかりましたマスター」
「えっ!ホントにドラゴンだったの!?」
ララノアが素っ頓狂な声を上げる。
「ん?なんだ?さっき言っていたじゃないか」
「い、いや、でも!あのプライド高いドラゴンが人に仕えるなんて……てっきり嘘かと思っていました。申し訳ございません。レヴィアタン様」
あ、やっぱりプライド高いのね。
「い、いや、構わんが」
「まあ、兎に角行こうか」
レヴィが光に包まれてドラゴンに変身する。
「では皆、我の背に乗ってくれ」
そう言われてララノアとその母親はおずおずと登っていく。最後に俺も登り終える。
「それでは行くぞ」
双翼を広げ、大空へと飛び立つ。
すると目前に鳥の姿が。
(すごい、鳥と一緒に飛んでる!)なんて思ったのが間違いだった。
ここの鳥は襲いかかって来るらしい。
「うおぉぉ!?」
ファイアで鳥達を攻撃されるギリギリで撃墜して、地上へ落下していく鳥達を見ている訳だが。
(これ人に当たったら死ぬんじゃ……)
「レヴィ、今飛んでるところの地上って都市とかじゃないよね?」
「いえ、この下は草原ですよ」
(良かったぁ〜間接的に人殺ししないで済んだ)
「冒険者はいるかもしれませんがね」
「……え?」
(まあいいか。死にはしないだろう)
俺達は襲いかかってくる鳥達を迎撃しながらエルフの里へ向かう。
短い付き合いだったがララノア達と別れるのは少し淋しいな。
誤字訂正しました。
寂しい→淋しいに編集しました。申し訳ございません。