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3話 初めての戦闘

 鉱石をバックパックに積めているとそこにはスライムが。


 取りあえず武器がないので、鉱石を手に持ち振りかぶって投げる!


クリーンヒット!


 スライムが消滅していく……スライム弱ぇ。


 取りあえず帰りますか。


 暗くて魔石が落ちたのは気づかなかった。




 ギルドに入るとまだアメリアさんがいた。もう深夜だぞ?大丈夫なのか?


「すみません、鉱石持って来ました」


「ふわぁ……はっ!おかえりなさい紫苑様、お恥ずかしいところをお見せしました。鉱石はこちらへお預かり致します」


「ありがとうございます。アメリアさんって何時まで働いているんですか?」


「あと十分くらいで終わりますよ」


 それだけ言い終えると奥に行って鉱石の重さを量っている。

 こんな遅くまで働かなきゃいけないのか。社畜にはなりたくないな。と再確認する。


「ええと、10キログラムになりますので、銀貨五枚ですね」


 銀貨五枚ってどんくらいだろ?そのうちわかるか。



「ありがとうございます」


「ふぅー、やっと今日も仕事終わったぁ!」


「お疲れ様です、もう暗いですし家まで送って行きましょうか?多分僕の方が弱いでしょうけど」


「じゃ、じゃあ、お願いしようかな」


 ギルドの奥の方から「アメリアにも男ができたか!ガハハハ!」など聞こえてくるが俺は無視に徹する。一方、アメリアさんの方は耳まで真っ赤だ。





「じゃあこれで、自分はこの国を発とうと思うので」


 家まで送り終えたので次の国にでも行こうかと思ったのだけど。

(結局まだ、何もお礼もできてないな)


「ええと、アメリアさん?まだバックパックのお礼とか何もできてないので、俺にできることならなんでも言って下さい」


「では、絶対に無事で帰って来てください!」


「わかりました、じゃあもう俺は行きます」


「私、待ってますから!」


「ありがとうございます」と一言。振り返らずに前へ進む。





 武器に関しては、魔法があるからなんとかなるくね?ということで解決はしたのだが、召喚されてからまだ何も食べていないので遅い夜飯を食べに行くことを決める。


 飲食店へ向かっている最中、ふとステータスを開くとこうなっていた。


 春 紫苑

 Lv.2/∞

 HP 510/510

 MP 2520/2520

 ATK 610

 DEF 415

 AGL 310

 SKILL 「転移者」「上限解放」「上昇十重」「魔法特化」「時間跳越」


 うん。なんだこれ。バグったか?


 まず、スキルが五つも増えている。まず「転移者」ってなんだ?と思うと、それに関しての説明が表示される。便利だな。


 「転移者」・・・ 次レベルアップまでの必要取得経験値が1/10なる。


 「上限解放」・・・レベル上限が解放される。通常はレベル100までしか上がらない。


 「上昇十重」・・・レベルアップ時、ステータスの値の上昇率が十倍になる。例)(+10)→(+100)


 「魔法特化」・・・レベルアップ時、ステータスのMPの値の上昇率が更に5倍になる。例)(+10)→(+500)


 「時間跳越」・・・過去へ戻れる。未来には行けない。代償に、一日遡るごとに人、一人に関しての記憶を失う。正し、記憶を失うのは過去に戻ってからの一時間後。地球へは戻れない。


 ……なにこのチート。いや、待てよ?もしかして召喚された勇者ってのは皆こんなもんなんだろうか。

(考えても始まらない、取りあえず今は飯だ!)


 焼肉のようないい匂いに連れられて、歩いていると、

「きゃぁぁああああああ!」


 女性の声だ。こんな真夜中に何事だ?走って声のあったほうに向かう。


「うるせぇ!黙れ!」


 男が女を殴りつける。その瞬間、気づいたら俺はその男を殴り飛ばしていた。


「おい、大丈夫か?」


「は、はい!ありがとうございます!」


 少女はホッとした顔で俺の背中に隠れる。何があったのか尋ねると、少女はエルフで、母親と出かけていたところを奴隷商人に狙われたらしい。


「……ということは、お母さんは?」


「私を逃がす為に囮になってくれて、ひっぐ」


「わわっ、泣くな泣くな!お母さん助けてやるから泣くなよ」


 でも、その前に聞かなければならないことがある。一つ目は、俺の今のステータスで対応できるかどうか。二つ目は魔法の習得だ。


 (まあ、その前にこの男は殺しておくか)


「俺は紫苑だ、君は?」


「ララノアだよっ!」


「それじゃあララノア少しだけ後ろ向いてようか」


 ララノアを後ろに向かせ、男に近づき、拳を振り下ろす。

 (下種は死んで然るべきだ)



 地面が凹んだ。強すぎないか?


 予定が狂ったが仕方がない。


「よし、取りあえず宿にでも行こうか」


「うん!お兄ちゃん!」


 お兄ちゃん……か。




 十五分ほど宿を探して、チェックインする。二人飯付きで銀貨二枚だ。


「ではララノア、お母さんを助け出してやるから質問に答えてくれ」


 聞いたのは先程の問いだ。一つ目、村人のステータスは強い人でも平均300くらいなんだとか。恐らく今の俺でも倒せるだろう。二つ目はララノアに見せて貰った。


「ファイア」


 ララノアが唱えると指先に小さな火が着く。

 魔法とは、イメージによって、威力、速度、大きさなどが決まるらしい。本当はイメージを固める為に詠唱をするらしいが、走りながらなどに詠唱をするのは大変な為、無詠唱が実用的だそう。


 MP使用量に関しては、個々の魔法に基礎MP使用量が決められていて、更に魔力を注ぎ込むと大きさや威力が大きくなるらしい。


 (イメージを固める……ファイア、ファイア……)


「待ってお兄ちゃん!ファイアでかくなってるから!この部屋燃えちゃうから!」


「おおっとごめん、なんか意外と簡単だな」


「お兄ちゃんが異常なだけだよ!」


「それはそうとお母さんの場所はわかるのか?」


 尋ねてみると、血の繋がっている者同士の場所がわかるらしい。

 母親にいつもGPS付けられてるのか。怖い怖い。



 明日の朝、ララノアの母親を救出する。

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