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2話 冒険者

 見合う男になるって見栄を張った訳だが、今は一文無し。武器もない。だが取りあえず冒険者ギルドに行こうと決める。


 いや、この世界にあるかは、知らんけどね。


 城を出たのが夕刻。もうそろそろ夜の帳が下りてくる頃合いだ。早く探さなければ、と思ったので、すれ違う人たちに聞こうと思う。


「あ、あの。すみません」


「ん?どうしたの?」


 恐らく冒険者であろう女性に声を掛ける。


「冒険者ギルドの場所ってわかりますか?」


「私も今行くから、一緒に行こうか」


 ありがとうございますと礼を言い、後ろをついていく。



「はい、到着〜」


「すみません、ありがとうございました」


「いいよ、いいよ」と手を振って去って行く。いい人に教えて貰って良かったなと心底思う。


 ギルドは入口の正面が受付になっていて、その脇に酒場がある。

さて、ギルドに着いたということは、次は冒険者の登録だ。


「すみません、冒険者の登録をしたいんですけど」


 受付の女性が慣れた手つきで登録に必要な物を用意する。因みにかなり美人だ。ギルドまで案内してくれた女性といい、この世界はかなり顔面偏差値が高い。ネームプレートを見たところ、アメリア・ハリスさんのようだ。


「では、この紙に名前、性別、得意武器をご記入下さい。文字が書けない場合は、私が記入しますので口頭でお願いします」


 因みに俺はこの世界の文字は書けるのだ。解らないけど書けるって感じだろうか。


 適当に記入し終えると、冒険者の説明が始まる。


 内容をまとめると、冒険者のランクはF~SSSまであり、今の最高はSSSランカーが一人いるみたいだ。

犯罪を犯すとギルドカードを剥奪、受注したクエストに失敗すると違約金が発生すること。厳しい決まりはそれくらいだ。

ランクの上昇は、既定の条件を満たすか、所属のギルドマスターに認められるか、決闘で自分より高いランクの人を倒すこと。

 迷宮等で倒したモンスターの部位はギルドで売却することが出来る。緊急クエストが発令された時は正門前に集合すること!説明されたのはこれくらいだ。


「……以上になります。クエストはあちらのボードに貼ってあるだけです。受注する際は受付まで持ってきてください。登録料の銀貨五枚は後払いになります。」


「ありがとうございました」と一礼してその場を去ろうとした時に、「最近は若者がすぐ死んじゃうからな」とか不吉なことが聞こえたのは気のせい……だと思いたい。


 とりあえず金を稼がなきゃ行けないのでクエストボードの前に張り付く。


 今のランクに見合う物は、

 ・ 薬草の採取 ランクF 報酬 1本につき銅貨二枚

 ・ゴブリンの討伐 ランクE 報酬 1体につき銀貨二枚

 ・鉱石の運搬 ランクF 報酬 1キロにつき銅貨五枚


 武器がないのでゴブリンの討伐は却下だな。他二つのどちらかなんだが、恥ずかしい事だが、草とか虫とか土とかがダメなので薬草は除外。消去法で、鉱石の運搬になる。だが、運ぶのに入れるものが無いんだよな。聞いてみるか。


「あ、すみません。鉱石の運搬クエストを受注したいのですが、運ぶのに入れるものって貸し出してたりしますか?」


「ないですけど……あ、私が昔使ってたのならありますけど、使います?」


 アメリアさんは昔は冒険者やってたのか。想像できないなあ。

 出てきたのは黒色のバックパック。


 「おぉ!かっこいいですね!使わせてもらいます。終わり次第お返ししますね?」


「いえいえ、もう使わないので持って行っていいですよ」


「いいんですか?アメリアさんありがとうございます!」


「ふふっ、どういたしまして。ついでに鉱石の運搬クエスト受注しておきますね」


「ありがとうございます。それじゃ、行ってきます」


「行ってらっしゃいませ」


バックパックも貰ってしまったし何かお礼しなくちゃな。




 北門から出て15キロメートルほどのところにある鉱山の麓にあるらしい。掘っても重くて持って行くのに苦労するんだと。

 走っていると、鉱石の山が見えてきた。恐らくコレを持って帰るんだろう。

 バックに鉱石を詰め込んでいると、なんか「ふよん、ふよん」と音が聞こえる。


 (なんの音だ?)


 辺りを見回すとそこにいた。ヤツがいたのだ。その名は……スライムだっ!



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